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機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第十八章~決別の帝国~
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第三百十二話  中部最前線 進攻作戦会議


 救援の為に最前線である帝国領へ向かう事になった七竜将。ヘリの中で最前線の詳しい情報を聞きながら作戦を立て、最も戦いの激しい中部へ向かうのだった。

 帝国領の中部にある大きな町。城壁に囲まれているその町の中からは煙が上がり、建物の至るところが崩れている。この町では昨日まで帝国との戦いが繰り広げられており、同盟軍と帝国軍の双方に多くの犠牲者を出した。それでも同盟軍は帝国軍に勝利し、この町を制圧する事に成功したのだ。

 同盟軍の兵士達は壊れた家屋の修繕作業やバリケードである柵の補強などをして敵の襲撃に備えている。町に住んでいた帝国の人間達は敵国の兵士を前に不安そうな顔を見せているが、同盟軍は彼等に今まで通りの暮らしをさせていた。だが、帝国兵達は念の為に全員を拘束している。

 町の中央にある屋敷には数人の同盟軍の兵士や隊長の姿があり、情報交換や作戦会議を行っていた。現在この町が中部の最前線に最も近い場所にある為、同盟軍の進行拠点となっている。その為、各地で戦っている部隊の隊長達がよくこの町を出入りしていた。

 屋敷の一室では大勢の隊長達が集まって大きなテーブルを囲んで作戦会議をしている。その中にはガバディアとジージルの姿もあった。


「現在、帝国軍は戦力を後退させて帝都からの増援と合流し、部隊を再編成していると情報が入りました」

「恐らく、再編成し終わるのと同時に再び進攻し、この町を取り戻そうとしてくるはずでしょう」

「うむ、やはりそう思うか」


 ガバディアは隊長である男性騎士達からの報告を聞いて難しい顔を見せた。

 今がバディア達がいる町は帝都に向かう為の最短ルートにある町な為、此処の町を手に入れれば帝都をすぐに襲撃する事が出来る。つまり、帝国軍にとっては重要な防衛線にある町なのだ。それを敵に奪われてしまった為、帝国軍は防衛線を再び張る為にこの町を奪還しようとしてくるはずだ。

 ガバディア達にとっても帝都へ攻め込む為の重要な拠点である為、奪い返される訳にはいかない。ガバディア達は再び攻めて来るであろう帝国軍を迎え撃つ為の作戦を建てる事にした。


「だけどさぁ、今この町にいる戦力じゃ攻めて来て帝国軍を追い返す事はできても次の町へ攻め込むのは難しいんじゃないかしら?」


 話を聞いていたジージルがめんどくさそうな声を出しながらガバディアや周りの隊長達に言った。


「この町には各国の兵士とタイカベル・リーベルトの兵士がいるからかなりの戦力があるわ。だけど、町を攻め込むには戦力が若干足りない。帝国が攻めて来る前に次の町を制圧しておかないといつかは落とされちゃいわよ。町の守りを固めるのもいいけど、進行して敵に反撃の隙を与えないようにするのも一つの手じゃないの?」

「確かにそうですね。攻撃は最大の防御と言いますし……」


 ジージルの隣に立っている別の隊長である男性騎士が納得して頷く。確かに次の町を制圧すれば帝国軍は戦力を立て直す事も無く後退する。進攻するだけでなく、敵の攻撃を防ぐ事もできるのだ。ジージルの考えに賛同する者も少なくなり、会議室にいる隊長達の何人かは納得していた。


「お前の考えも一理あるぞ、ジージル。だが、今回の戦いでこちらもかなりの戦力を失った。その状態で次の敵拠点を攻めるには危険が大きすぎる」


 ガバディアはジージルの意見を聞いて彼女の考えにも一理あると思った。だが、この町の守りを完璧にしていない状態で次の町へ攻め込む為に全ての戦力を動かすのは危険と感じていたのだ。


「それは分かってますけど、このままだと帝国が先に……」

「分かっている。だからティムタームに増援を送るよう要請したのだ」

「……それで、その増援はまだ来ないんですか?」

「もうそろそろ着く頃だ。タイカベル・リーベルトの用意したあのヘリコプターとか言う空飛ぶ鉄の鳥を使えば馬よりも遥かに早く到着すると聞いた。儂も昨日それに乗ってこの町に来たのだからな」

「そ、そうなんですか?」

「ああ……いやぁ、それにしてもあれはなかなか快適だった。空の上から大地を見下ろせる日が来るとは思わなかったからな。ハハハハハッ!」


 ヘリに乗った時の事を思い出したガバディアは大きな口を開けて笑い、ジージル達はそんなガバディアはポカーンとしながら見ていた。

 ガバディアはヴリトラ達がジャンヌ達と話し合いに行った日の早朝にヘリに乗って帝国領に向かったのだ。そして今、帝国の中部を制圧する戦力の指揮官を務めている。ガバディアが来た時にはこの町での高いは終わったばかりで兵士や町の住民達は不安を露わにしてもめ事などを起こす事が多かった。だが、ガバディアが来てから兵士も町の住民達も落ち着き、今の状態を維持している。

 会議室にガバディアの笑い声が響く中、会議室の扉をノックする音が聞こえ、ガバディアは笑うのをやめて扉の方を向いた。


「入れ」

「失礼します」


 扉が開き、一人の兵士が会議室に入って来た。着ている服と装備からその兵士はストラスタ公国の兵士の様だ。ストラスタ兵はレヴァート王国の騎士団長であるガバディアを真剣な顔で見ている。別の国の騎士団長でも今は共に帝国と戦う同志である為、敬意をこめて対応しているのだ。


「報告します。ティムタームからの増援が到着しました」

「おおぉ、もう来たのか。それで、一体誰が来たのだ?」

「ハッ! タイカベル・リーベルトの長であるアレクシア殿です」

「何っ!? 本当か!」


 意外な戦力が救援に来た事でガバディアは驚き思わず声を上げる。ジージルや他の隊長達も驚いて一斉にストラスタ兵の方を向く。ストラスタ兵は自分に注目する隊長達に驚き思わず固まる。


「まさか、タイカベル・リーベルトの長殿が来られるとは……」

「それと、アレクシア殿と一緒に七竜将と白竜遊撃隊も来られているようです」

「何だと?」

「それは本当なの?」

「ハ、ハイ」


 更に驚くがナディアとジージルに兵士も一瞬ビクついて返事をした。


「七竜将までこの中部に来るとは……」

「この中部は北部や南部と比べると帝国軍の抵抗が最も激しい場所ですからね。陛下もそれをお考えになられて強力な戦力を送られたのでしょう」


 男性騎士の言葉を聞き、ガバディアは「成る程」と言うように腕を組んで納得する。すると、ジージルは両手を後頭部に当てながら天井を見上げてめんどくさそうな表情を浮かべた。


「あ~あ、またあのめんどくさい連中と一緒に戦わないといけないのねぇ」

「ジージル、お前はデガルベル鉱石の一件で彼等と和解したのではなかったのか?」

「和解なんてしてませんよ。アイツ等の実力を認めただけです」

「ほほぉ? その割にはお前はリンドブルムの事を随分気に掛けていたようだが?」

「なっ!?」


 ガバディアがいたずらっぽく笑いながら尋ねるとジージルは顔を赤くしながら反応する。」


「じょ、冗談言わないないでください! 誰があんなチビ助なんか。私は年上が好みなんです。小さくて年下の子供にそんな事……」

「酷い言われ様ですね?」


 会議室の外から聞こえてくる少年の声に一同は扉の方を向く。扉の隙間からリンドブルムが笑いながら入って来てガバディアとジージルに向かって軽く手を振る。


「お久しぶりです、ジージルさん」

「ア、アンタ……」


 笑顔で自分に挨拶をするリンドブルムを見てジージルは少し驚いた様な顔を見せている。リンドブルムが部屋に入ると続いたヴリトラ達がぞろぞろと入って来た。最後にアレクシアが会議室に入りガバディアに軽く頭を下げる。


「ガバディア団長、お待たせしました」

「いやぁ、アレクシア殿。まさか貴女と七竜将が来てくれるとは思ってもみませんでした。しかもフォーネとアーナリアもおり、七竜将は全員揃っているようですが……」

「ええ、今度の戦いは流石にハードだと考え七竜将を全員この中部部隊の救援に回しました」

「しかし、それでは北部と南部の方が……」

「ご心配なく、北部と南部には我がタイカベル・リーベルト社の精鋭を送りました。七竜将が全員中部にいても問題はありません」

「そうですか」

「それで、戦況はどんな状態なのですか?」

「ウム、実は……」


 ガバディアは中部の戦況をアレクシアと七竜将に説明し始める。ヴリトラ達もガバディアの説明を黙って聞いた。

 まず、今ヴリトラ達がいる町から北東10km行った先に帝都エクセリオンがあり、その途中に「ドリュフス」と言う町がある。そこにはまだ同盟軍は攻撃を仕掛け取らず、町にいる帝国軍は無傷の状態で駐留している。更にこの町に駐留していた帝国軍とブラッド・レクイエム社の機械鎧兵士部隊もドリュフスに避難して駐留部隊と合流し戦力は増強された。この町にいる同盟軍とタイカベル・リーベルト社の機械鎧兵士達の戦力では町を制圧するのは難しかったが、ヴリトラ達が合流した事で制圧できるだけの戦力を得る。これで次の作戦に移ることできるようになった。

 テーブルの上に広がっている地図を見ながらガバディアの話を聞くヴリトラ達。戦況は同盟軍の方が有利だが、帝都とその周辺にある町にはまだかなりの戦力がある。あまり時間を掛けて攻める事はできない状態だった。


「次の町であるドリュフスにはどれ程の敵戦力があるのでしょうか?」

「斥候の報告では町を囲む城壁の上には帝国軍の兵士だけがいましたが、兵士以外にも見た事がない物が設置されている様なのです」

「見た事の無い物?」

「ええ、恐らく貴女がたの世界の物でしょう」

「…………」


 アレクシアはブラッド・レクイエム社がドリュフスの町の城壁に何を設置しているのは考える。しかし、情報が少なく全く分からなかった。


「……その設置されている物の事は後で考えましょう。そのドリュフスの町の次に帝都エクセリオンがあるのですか?」

「ええ、帝都に向かうには必ずこの町を通過しなければなりません。戦闘は避けられないでしょう。そして帝都の戦力は周辺の町とは比べ物にならないくらい強大です。帝国軍の誇る飛竜部隊にブラッド・レクイエム社の部隊と鉄の兵器が多く配置されているようなのです。商人に変装した密偵からの報告ですので間違いありません」

「そうですか……やはりジャンヌは帝都の守りを最も固くしていましたか。当然と言えば当然ですが……」

「ブラッド・レクイエムもギンガムを守る為に動かせる戦力を全て投入したのでしょうな」

「いいえ、それはないですね」

「え?」

「団長はご存じないでしょうか、ブラッド・レクイエムは帝国との契約を解除すると言っていました」

「何ですと?」


 ブラッド・レクイエム社が帝国と手を切ると聞き、ガバディアやジージル達は意外そうな顔を見せる。


「昨日のブラッド・レクイエムとの話し合いでジャンヌがそう言ってましたので」

「ああぁ、そう言えば会議の時の敵から連絡がありましたな……」


 戦略会議の時のジークフリートから無線で連絡があった事を思い出したガバディア。ジージルや他の隊長達は話が分からず黙ってガバディアを見ている。


「既に帝国との契約を解除する事を考えているブラッド・レクイエムは帝国の各拠点に最低限の部隊しか配置していません。せいぜい二個小隊から四個小隊と言ったところですね」

「成る程ね、だからここまでの町や村を攻撃した時にブラッド・レクイエムの兵士が殆どいなかった訳だ」


 ジージルは過去の戦いでブラッド・レクイエム社の部隊が少なかった事を思い出して納得する。

 ジャンヌがヴリトラ達に契約を解除するという話をしたのは昨日の事。だが、ジャンヌ達はそれよりも前に契約を解除する事を考えて各拠点の戦力を削っていたはず。その為、同盟軍は今日まで楽に帝国の拠点を制圧し、帝国領に進軍する事が出来たのだ。

 これからの進攻も楽にできると考えるジージルや他の隊長達は笑いながらお互いを見つめ合う。だが、アレクシアとガバディアはそうは考えていなかった。


「ですが、此処まで帝都に近づけば、いくら最低限の戦力しか配置しないブラッド・レクイエムでも身を守る為に多くの戦力を投入してくるはずです。最低でも一個大隊以上はあるでしょう」

「でしょうな。現に帝都の防衛部隊は一個大隊以上はありますし……」

「こちらも油断せずに責めないと思いがけない反撃を受けるかもしれません。十分注意して行きましょう」

「ええ」


 アレクシアとガバディアはブラッド・レクイエム社の防衛力を警戒しながら攻撃する事を話し、それを聞いているヴリトラ達も真面目な顔で二人の話を聞いていた。

 敵戦力の情報を把握したアレクシアは次にどのようにしてドリュフスの町を攻略するかをガバディアと話し始めた。


「ドリュフスの町には正門は一つしかありません。我々が町に攻撃を仕掛けるにはその正門から攻撃をするしかありません。勿論、こちらが何処を攻めて来るか分かっていますので正門の守りを固めるでしょう。恐らく、戦力の殆どを正門に集めるかと……」

「間違いないでしょうね。ですが、ブラッド・レクイエムは用心深い者達です。私達が何か予想外の事をしてくるを計算に入れて何らかの対策をしている可能性もあります」

「では、どのようにして攻めますか?」

「素早く制圧するには敵の指揮官を叩き、帝国軍を投降させるのが一番いいでしょう。同盟軍の主力部隊には正門側から攻撃してもらい、敵の戦力を正門に引き寄せてその隙に別動隊を町へ潜入させます。別動隊は敵に発見され難いように少数の精鋭部隊がいいです」

「成る程、ですがどうやって町へ潜入するのですか? 町へ入る入口は正門しかないのですよ?」


 別動隊をどうやって町へ潜入させるのかガバディアはアレクシアに尋ねる。アレクシアは広げられている地図を確認した。そして、正門の反対側に下水の入口を指差した。


「此処から別動隊を潜入させます。正門とは全く反対側にあるので例え敵に潜入がバレたとしても増援が来るまでにはかなり時間が掛かります。その隙に指揮官を捕らえれば敵も投降するはずです」

「うむ、確かにその作戦なら成功する確率も高いでしょうな……分かりました、その作戦で行きましょう」


 ガバディアがアレクシアの作戦を了承し、アレクシアも小さく笑って頭を下げる。

 すると、話を聞いてたジージル達がガバディアに意見して来た。


「ちょっと、待ってください、団長。そんな簡単に決めちゃっていいんですか?」

「そうですよ。もう少し検討してから作戦を決めた方がいいです」

「それに、敵がこちらの潜入を予想して一部の戦力を正門側に向かわせないとも限りませんよ?」


 ジージルや隊長達の言う事も一理あった。敵にはブラッド・レクイエム社の部隊がついているのだ。彼等も町に駐留している以上は下水道の事も当然知っているはず。そこから敵が潜入してくる事も予想して町へ続く入口を封鎖したり見張りをつけている可能性だって十分ある。ブラッド・レクイエム社にそんな単純な陽動が通用するはずがない、ジージル達はそう考えていたのだ。

 ガバディアはジージル達の意見を聞くと真面目な顔で彼女達を見てゆっくりと口を開く。


「勿論、儂もそれぐらいは気付いておる。そしてアレクシア殿もな。じゃが、儂はその事に気付いているアレクシア殿が何の策もないに作戦を上げるとは思っておらん……アレクシア殿、敵がこちらの陽動を予想していた場合の策も何かあるのだろう?」

「ええ、勿論です」


 アレクシアはガバディアの質問に頷いて答える。ジージル達は陽動を呼んでいる敵に対する作戦も既に練ってあるアレクシアを見て驚きの表情を浮かべていた。


「陽動を予想している敵に対して確実に陽動を成功させる方法があります」

「え? それってどんな作戦なの?」


 ジージルが驚きながら方法を尋ねるとアレクシアは真面目な顔でガバディアやジージル達を見る。


「その方法というのは……」


 アレクシアはその方法をガバディア達に細かく、そして分かりやすく説明した。方法を聞いたガバディア達は意外そうな顔でアレクシアを見る。アレクシアの後ろではヴリトラ達が黙ってアレクシア達の作戦会議を聞いていた。


――――――


 その日の夜。月は雲に隠れて暗い夜は更に暗くなっており、辺りはハッキリと見えない状態になっていた。

 そんな月明かりの無い暗い中にドリュフスの町があった。町は高い城壁に囲まれており、城壁の上には弓矢を持つ帝国兵、そしてブラッド・レクイエム社が用意した対空用の高射砲である「M51」が設置されていた。恐らく斥候が確認した見た事の無い物はこれの事だろう。

 M51の近くにはBL兵が二人立っており、離れた所から帝国兵が気に入らなそうな顔でBL兵達を見ていた。


「……チッ! ブラッド・レクイエムの連中め、ほんの少ししか戦力を送らないくせにデカい態度を取りやがって。まったく腹が立つぜ!」

「よせよ、聞こえたら何されるか分からないぞ?」

「フンッ! 構わねぇよ。俺は元々あんな得体のしれない傭兵組織と手を組みなんて気に入らなかったんだからな」

「まぁ、気持ちは分かるけどさぁ……ん?」


 仲間の愚痴を聞いていた帝国兵が何かに気付き、町の遠くを見つめた。


「どうした?」

「今、向こうで何かが光った様な……」

「ああ? ……何も見えねぇぞ?」

「せめて月が出てれば少しは見えるようになるんだけどなぁ……」


 月が雲に隠れているせいで月明りも無く、遠くが確認できない帝国兵達は目を凝らした。すると、400mほど離れた所でポツポツと小さな光が現れ、帝国兵達は目を見開く。

 そして次の瞬間、その光の小隊に気付いた帝国兵達は驚愕の表情を浮かべた。


「……敵襲ぅ!!」


 帝国兵の叫び声に他の帝国兵やBL兵は一斉に叫んだ帝国兵の方を向いた。

 正門から400m離れた所にある小さな林の中には松明を持った大勢の同盟軍の兵士達やTR兵達の姿がある。その中にはガバディアやジージル、そしてアレクシアの姿もあり、彼女達は全員正門を鋭い目で見つめていた。


「これより、ドリュフスの町、攻略作戦を開始する……総員、攻撃開始!」


 ガバディアの合図で同盟軍の兵士達は一斉に正門に向かって走り出し、タイカベル・リーベルトの部隊もそれに続く。

 月明かりが無い為に同盟軍の接近に気付くのに遅れてしまった帝国軍は慌てて戦闘態勢に入る。だが、戦場では一瞬の遅れが勝敗を分ける事になり、帝国軍は完全に先手を打たれたのだった。

 ガバディア達と合流した七竜将とアレクシア。帝都を攻撃する前にドリュフスの町を攻略する事になり、その作戦に参加する事になった。果たして同盟軍はどうドリュフスの町を光リュクしていくのだろうか。そして、アレクシアが考えた作戦とは何なのだろうか?


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