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機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第十六章~静かな森の妖精達~
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第二百七十九話  相性最悪 人間VSライトエルフ

 ダークエルフを説得する為に集落へ向かったヴリトラ達は集落の入口前でギルダルネ達と口論するライトエルフの達を見かける。そしてライトエルフの長であるゾックスはレーユを妻にしようとダークエルフ達を脅迫し始めた。それを見たヴリトラ達はライトエルフ達を止めようと動いた。

 突如現れたヴリトラ達は驚くダークエルフ達。ライトエルフ達も突然現れた人間に一瞬驚くがすぐにヴリトラ達の方を向いて彼等を睨み付けた。


「何だ、アイツ等は・・・人間?」

「何でこの森に人間が?」

「しかも奴等の後ろにいるのは竜だぞ」


 ライトエルフ達はヴリトラとジーニアスの姿を見てなぜダベルトの森にいるのか不思議に思う。そんな彼等を気にする事無くヴリトラはゾックスをジッと見つめている。そしてゾックスもヴリトラ達を鋭い目で睨み付けていた。


「なぜ下等種族の人間がこんな所にいる?」

「下等種族ねぇ、それじゃあアンタ達ライトエルフは自分達以外を見下す哀れな猿ってところか?」

「何ぃ!?」


 笑いながら挑発するヴリトラに目くじらを立てるゾックス。そんな彼の反応を見たヴリトラは心の中でゾックスが単純な挑発にも乗るほど単純な性格だという事に気付た。

 一方、レーユ達はいきなり現れてライトエルフを挑発するヴリトラ達を驚きの表情のまま見ている。


「あ、貴方がた、どうしてい此処に?」

「ん?・・・どうしても同盟を結んでもらいたくてもう一度会いに来たんですよ。でも、今はそれどころじゃなさそうですね?」


 ヴリトラはゾックス達を見ながら小さく笑い、そんなヴリトラをゾックスは睨み続けていた。ヴリトラの後ろではリーユが隠れながら顔を出してライトエルフとレーユ達の様子を伺っている。そんなリーユにリーニョが気付いてハッと表情を変えた。


「リーユ、お前、そこで何をしている?」

「・・・ッ!」


 リーニョに気付かれたリーユはビクッと驚きヴリトラの背後に隠れた。どうやら怒られると思ったのだろう。そんな怖がるリーユをリンドブルムが落ち着かせる。リーニョ以外にもギルダルネとレーユ、他のダークエルフ達もリーユに気付き一斉に彼女を見た。


「朝から何処にもいないと思ったら、その者達と一緒にいたのか」

「・・・・・・」

「どうして人間である彼等と一緒にいる?」

「・・・・・・」


 リーニョの質問に答えず黙り込むリーユ。彼女の様子からリーユは相当リーニョを恐れているようだ。そんな怖がるリーユの頭を優しくなでたヴリトラは彼女をラピュスの所に行かせる。ラピュスも駆け寄って来たリーユの頭を優しく撫でた。


「・・・どうやら、同盟の話をする前にまずこっちを片付けなきゃいけないみたいだ」


 ヴリトラは目の前に立つライトエルフ達を見つめながら小さく笑い、そんな彼の隣に真面目な顔をするリンドブルムとジャバウォックが寄り、ライトエルフ達をジッと見つめる。


「ライトエルフさんよ、アンタ達さっきこう言ったよな?強い仲間がいてソイツ等がいればダークエルフを一夜で滅ぼせるって?」

「それがどうした?」


 ゾックスはヴリトラの問いかけに不機嫌そうな声で答える。

 この時のヴリトラはライトエルフが言っている強い仲間が何者なのかとても気になっていた。なぜならそれがダークエルフだけではなく自分達人間にとっても非常に危険な存在になるかもしれないと感じていたからだ。勿論、ヴリトラだけでなくラピュス達も同じように考えていた。


「・・・その強い仲間って言うのは見た事の無い武器を使う連中なんじゃないのか?例えば、遠くにいる敵を一瞬で倒してしまうような武器を使う・・・」

「・・・なっ、なぜそれを!?」

「おっ?どうやら図星みたいだな?」

「・・・ッ!」


 ゾックスの反応を見てヴリトラは思わず笑みを浮かべる。今まで多くの敵と言葉で戦った事があるが、こんな簡単にボロを出す相手は見た事が無かった為、ヴリトラもつい笑ってしまったのだ。リンドブルムとジャバウォックも単純な相手に意外そうな顔をする。


「ソイツ等、ブラッド・レクイエムという連中だろう?」

「どうして貴様らが奴等の名前を!?」

「・・・今の言葉で確信したよ。お前らのバックにブラッド・レクイエムがついているって事をな」

「しかし、まさかここまで口の軽い奴だとはな・・・」


 次々とボロを出すゾックスにヴリトラとラピュスは次第に呆れを感じ出した。これだけ秘密を簡単にバラす者に今まで会った事が無かったからだ。

 ゾックスは自分を小馬鹿にする様な口調のヴリトラ達を見て更に表情が鋭くなる。ライトエルフのプライドを傷つけられたと感じ怒りが込み上がってきているようだ。


「貴様らぁ~、さっきから聞いていればデカい口を叩きやがってぇ!僕を誰だと思ってるんだぁ!?」

「・・・口の軽い間抜けエルフ」

「プッ・・・アハハハハッ!ヴリトラ、そこまでハッキリ言っちゃ可哀想だよぉ!」


 ヴリトラの悪口を聞いたリンドブルムは爆笑し、ラピュスやジャバウォックも笑いを堪える。ラランは相変わらず無表情でライトエルフ達を見つめており、エリスは緊張状態で笑うヴリトラ達を見て呆然としている。そんなヴリトラ達にゾックスの怒りも限界に来たのか歯ぎしりをしながら腰に納めてある剣を抜いた。


「黙れぁーーっ!下等種族が僕を侮辱してただで済むと思うなよぉ!」


 怒涛の声を上げるデックスにヴリトラ達は笑うのをやめてジッと真剣な表情でゾックス達ライトエルフを見つめる。

 ゾックスが剣を抜くと彼の部下であるライトエルフ達も一斉に剣を抜いてヴリトラ達を睨む。ヴリトラ達はライトエルフに睨まれていても眉一つ動かさずに彼等を見ていた。


「魔法も使えない下等種族が魔法を使う事のできる完璧な種族である僕等ライトエルフを侮辱したんだ、死んでも文句は言えないぞぉ!?」

「・・・誰にだって自分を傷つけようとする奴に文句を言う資格はある」

「黙れぇ!」

「まぁ、そんなくだらない事は置いておいて・・・アンタ等、ブラッド・レクイエムの事を詳しく説明してもらおうか?あと、ダークエルフの集落に何をしに来たのかもね」

「そんな事を貴様らに話す必要は無い!貴様らは此処で死ぬんだからなぁ!」


 そう言ってゾックスは自分の持っている剣に何やら力を送り始める。するとゾックスの剣が緑色に光り出し、剣がひとりでに宙に浮き始めた。他のライトエルフ達の剣も同じように浮き上がり、四本の剣は宙に浮いたまま切っ先をヴリトラ達に向ける。

 ヴリトラ達はいきなり宙に浮いた剣を見て少し意外そうな顔を見せていた。そしてエリスとジーニアスは目を見開いて驚いている。


「これは・・・」

「浮遊魔法だ!気を付けて!」


 ヴリトラが浮いている剣を見て声を漏らすとラピュスのそばにいたリーユが浮いている剣を見て魔法の仕業であることを伝えた。それを聞いたヴリトラ達は一斉にリーユの方を向く。


「浮遊魔法?」

「生き物以外の物を自由に宙に浮かせて動かす事ができる魔法なの」

「物を宙に浮かせる・・・成る程、念力サイコキネシスみたいなものか」


 ヴリトラは浮遊魔法を見て自分達の世界に存在する念力、つまり超能力と似た様な物を感じていたので浮遊魔法を見てもあまり驚かなかった。それと同時に念力に似ている浮遊魔法にどう対処すればいいのかも分かっていたのだ。


「あの程度の力ならそれほど恐れる事は無いな」

「うん、大した事ないね」

「何だとぉ!?」


 余裕の態度を取るヴリトラとリンドブルムにゾックスの怒りは更に上昇、もはや彼の頭の中にはヴリトラ達に対する殺意しかなかった。


「此処まで僕達を馬鹿にして、楽に死ねると思うなよ!?捕まえた後にたっぷり拷問にかけてなぶり殺してやるからなぁ!!」

「・・・弱くて傲慢な人が言う典型的な台詞」


 ゾックスの言葉を聞き、聞こえないくらい小さな声で呟くララン。

 ライトエルフ達が操る剣はヴリトラ達の周囲を飛び回りヴリトラ達の動きを封じようとする。ライトエルフ達はヴリトラ達が動けなくなったと感じて笑みを浮かべていた。だが、実際ヴリトラ達は動けなくなった訳ではなく剣の動きを観察していただけだったのだ。エリスとリーユはヴリトラ達に囲まれる形で守られており、ジーニアスはその大きな体を低くしている。


「リーユ!」


 ヴリトラ達と一緒にライトエルフの操る剣に囲まれているリーユを見てレーユは助けに行こうとする。だがリーニョがレーユの肩を掴みそれを止められた。


「行くな、レーユ!」

「離して、リーユが!」

「今行けばお前もあの剣で切り裂かれるぞ?」

「でもっ!」


 レーユがリーユを助けようとする姿を見たヴリトラはさっさとライトエルフ達を倒してしまおうと考え、ゆっくりと森羅を抜く。ラピュス達も自分達の武器を構えて飛び回るライトエルフ達の剣に意識を集中させる。

 ヴリトラ達が剣を抜く姿を見たゾックスは剣を操ったままヴリトラ達を鼻で笑う。


「ハッ!剣などで僕達が操る空飛ぶ剣を防げるものか!その剣は大きさとは裏腹に矢と同じくらいの速さで飛ぶ事ができるんだ、よほど集中しない限り剣を防ぐ事などできやしない!だが、四本の剣に囲まれた状態でそんなふうに集中する事もできない。つまり、お前達はもう死ぬしかないんだよぉ!アハハハハハハッ!」


 狂った様な笑い声を出すゾックスを見てリーユは寒気を感じる。エリスも目の前にいる男がエルフなのか疑うような顔でゾックスを見つめていた。

 二人がゾックスの不気味さに寒気を感じている中、ヴリトラはゾックスの笑う姿を見てめんどくさそうな顔をし、右手に森羅を持ったまま左手の小指で耳の穴をほじくり出す。


「あ~もぉ~、分かったから早く攻撃して来い。アンタのその馬鹿面見ているのも疲れるんだよ」


 ヴリトラのその言葉で遂にゾックスの堪忍袋の緒が切れた。ゾックスは自分の操る剣の切っ先をヴリトラに向けると物凄い速さで飛ばす。剣の切っ先がヴリトラに迫っていく中、ヴリトラは正面から飛んで来るゾックスの剣をジーっと見つめてる。そして切っ先が顔の十数cm前まで来た瞬間、持っていた森羅で剣を勢いよく払い飛ばした。払われた剣はクルクルと宙を回り、ヴリトラ達から少し離れた所で地面に突き刺さる。


「・・・え?」


 剣を弾かれた光景を目にゾックスは思わず声を漏らした。浮遊魔法で宙に浮いているとは言え、剣の重さは変わっておらず、かなりの重量の物だ。そんな剣は見た事の無い細い剣、しかも片手で払い飛ばした事が信じられなかった。ゾックスや他のライトエルフはヴリトラを見て呆然をする。勿論、レーユ達も同じように驚いていた。


「い、今、あの人、浮いている剣を払い飛ばしたわよね?」

「あ、ああ、それもあんな細長い剣で・・・」

「一体どうなっておるのだ・・・」


 ヴリトラが剣を日本刀で払った光景を見て呆然としながら呟くレーユ達。ヴリトラはそんなレーユ達の視線や呟きを気にせずに黙って森羅を構え直す。


「き、貴様、一体何をしたんだ?」


 ゾックスが僅かに震えた声でヴリトラに尋ねる。するとヴリトラは不思議そうな顔でゾックスを見て口を開いた。


「何って、普通に飛んで来た剣を払っただけだけど?」

「嘘をつくな!僕達の使う剣をかなりの重量なのだぞ!?そんな細い剣で払い落とす事ができるはずがない!ましてや貴様らの様な普通の人間にっ!」

「・・・生憎だけど、俺達は普通の人間じゃないんだよ」


 そう言ってヴリトラは自分の機械鎧と化した左腕を見せる。

 ゾックス達はヴリトラの左腕をジッと見つめる。この時の彼等にはヴリトラは左腕だけに鎧を付けているようにした見えておらず、別に変だと思っていなかった。


「・・・何だ、その鎧は?」

「これは鎧じゃなくて義手だよ」

「義手?あの無くなった体の一部を補う為の道具か・・・」

「そう、コイツのおかげで俺達は普通の人間ではあり得ない力を持つ事ができるって事だよ」

「馬鹿馬鹿しい、そんな都合のいい物がこの世界にあるはずがないだろう!」

(まぁ・・・確かにこの世界には無いな)


 ヴリトラゾックスの意見はもっとのだと考え心の中で呟く。そんな中、ゾックスはヴリトラが払って地面に刺さった剣を再び浮遊魔法で動かし地面から引き抜くと切っ先をヴリトラ達に向けた。


「貴様がどんな手品を使って僕の剣を防いだかは知らないが、今度はそうはいかないぞ!」

「ハァ、まだやるのぉ?」


 めんどくさそうな顔と声でヴリトラはゾックスに尋ねる。そんなヴリトラの顔を見たゾックスは歯ぎしりをしながら鋭い視線をヴリトラに向けた。


「僕達と戦う事が面倒だと言いたそうな顔だな?だが、その余裕の態度がいつまで続くと思うなよぉ!」


 ゾックスは叫びながら浮遊魔法で剣を操りヴリトラの顔めがけて剣を飛ばした。だが今度はゾックス以外のエルフ達もヴリトラに向かって剣を飛ばし一斉に襲い掛かる。

 ヴリトラは自分に向かって飛んで来る四本の剣をジーっと見つめながらもう一度剣を払い落とそうと森羅を構えた。すると突然ヴリトラの前にジャバウォックが立ち、飛んで来る剣を全てデュランダルで弾く。ジャバウォックが剣を一瞬で弾いた光景を見たゾックス達は更なる驚きで言葉を失う。


「ま、また僕らの剣を・・・」

「な、何者なんだ、アイツ等は・・・」


 ゾックスと彼の後ろにいるライトエルフがヴリトラ達の常識はずれな身体能力に目を丸くした。ゾックスは更に自分の誇りを傷つけられたように感じたのか握り拳を作りそれを震わせている。


「に、人間の分際でここまで僕達を侮辱するとは・・・」

「いや、俺達は別にお前等を侮辱しているつもりはねぇんだけどなぁ・・・」


 一人で勝手に怒っているゾックスにジャバウォックは困り顔で呟く。そんなジャバウォックの言葉が聞こえていないのかゾックスは剣に掛けている浮遊魔法を解くと両手を空に向かって高く伸ばした。すると周りの木の枝に付いている無数の葉が緑色に光り出し、独りでに枝から離れてゾックスの周りに集まった。どうやら今度は木の葉に浮遊魔法を掛けて操っているようだ。

 木の葉を操るゾックスを見てヴリトラ達はまばたきをする。剣から今度は木の葉に浮遊魔法を掛けた理由が分からずに黙ってゾックスの周りに浮いている木の葉に注目した。


「・・・今度は何をするつもりだ?ただの木の葉を魔法で動かして・・・」

「フッ、ただの、か・・・これの意味が分からないようじゃ、貴様らはやはり下等生物だな?」


 ゾックスが笑いながらヴリトラを挑発するだ、ヴリトラはそんな挑発に乗ることなく黙ってゾックスの周りに浮いている木の葉を見続けている。ラピュス達もゾックスが何かしてくると感じて自分達の武器を構えながら警戒していた。

 自分の周りに浮いている無数の木の葉を見たゾックスは更に別の魔法を木の葉に掛け始めた。すると木の葉は突然緑から銀色の変わり光り出す。それを見たヴリトラ達は流石に何かあると感じて警戒心を強くする。


「何あれ?葉っぱが銀色のなった・・・」

「あれは、硬化魔法!」


 色の変わった木の葉を見て不思議に思っているリンドブルムの後ろでラピュスの後ろに隠れているリーユが銀色の変わった葉を見つめながら硬化魔法という言葉を口にする。リーユの言葉を聞いたリンドブルム達はフッと彼女の方を向く。


「硬化魔法?」

「生き物以外を鉄みたいに硬くする魔法。あれは木の葉っぱに硬化魔法を掛けて刃物みたいに鋭くしたんだと思う・・・」

「へぇ~、そんな魔法もあるんだ・・・」


 物を浮かせる魔法以外にも物を硬くする魔法がある事を知って驚くリンドブルム。

 ゾックスは硬化させた木の葉を自分の周りに浮かせながらヴリトラ達に狙いを付ける。木の葉は銀色の光っており、あらゆる物を切り裂く剣の様だった。


「フハハハハッ!喜べ、人間如きがエルフの浮遊魔法と硬化魔法の両方を使った攻撃で死ねるんだからなぁ!」

「いや、死ぬんだから喜べって、それはちょっと無理があるでしょう・・・」

「黙れ!ここまで僕を馬鹿にしたんだ、決して楽に死ねると思うなよぉ!」

「いや、だから俺達は死ぬ気はねぇし・・・」


 自分の話を聞かずに一人で怒り、一人で物事を決めるゾックスに困り果てるヴリトラ。彼の後ろにいるラピュス達も同じような反応を見せている。

 硬化した木の葉を操ってヴリトラ達に向けるゾックス。刃物と化した葉っぱをいつでも投げられる状態にあるゾックスはどうやって攻撃しようか頭の中で考えていた。


(このまま切り裂くだけじゃつまらない。手足から順番に切り裂いて最後に首をはねてやる。この僕を馬鹿にした報いだ。死んで償え、下等種族どもがぁ!)


 ヴリトラ達に対する怒りと殺意を胸にゾックスは硬化した木の葉を操り出しヴリトラ達を四方から囲んだ。自分達を囲み動きを封じた無数の木の葉を見てヴリトラ達は武器を構え直す。ヴリトラ達の表情にも鋭さが現れ、いつ襲い掛かって来ても対応できるように意識を集中させる。

 

「おいおい、こりゃあちょっとマズいんじゃないのか、ヴリトラ?」

「ああ、コイツは本気を出さないと怪我するかもな・・・」


 ヴリトラとジャバウォックは流石に今の状況を危険と感じ、両手でしっかりと得物を握りながら木の葉に集中する。ラピュス達もさっきまでとは違い鋭い目で浮いている木の葉を見つめていた。

 ライトエルフがブラッド・レクイエム社の事を知っている。詳しい事を聞く為にライトエルフ達に話を聞こうとするヴリトラ達だったが、ライトエルフ達は人間であるヴリトラ達の話を聞かずに襲い掛かって来た。ヴリトラ達は無事に窮地を脱する事ができるのだろうか。


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