第二百十九話 理想の扉の情報 近くに潜む脅威
基地内に潜入し破壊工作の為の小型爆弾をセットしていくヴリトラ達。だがこの時の彼等はジークフリートとジャンヌが基地の視察に来ている事を知らなかった。少しずつ近づいて来る脅威に気付かないヴリトラ達は破壊工作を続ける。
ヴリトラ達のチームは発電機に小型爆弾をセットした後に移動して次の小型爆弾をセットしていた。小さな倉庫の前に山積みにされているドラム缶の隙間に小型爆弾をセットし、姿勢を低くして倉庫から離れる。倉庫から数m離れた所に積まれている木箱の陰に身を隠しているラピュスとジルニトラは戻って来たヴリトラを見ながら周りに敵がいないかを警戒した。
「ヴリトラ、急いで。敵に見つかるわよ」
「大丈夫だよ。まったく、心配性だな」
急いで戻るように手を振りながら呼ぶジルニトラを見てヴリトラは小さな声で言った。ヴリトラもラピュスとジルニトラも所へ戻る間、姿勢を低くしながら周囲を警戒して歩く。そしてヴリトラは無事に二人の下へ戻った。
「ヴリトラ、爆弾は設置したのか?」
「ああ、ドラム缶とドラム缶の間にな」
「あれは一体何なんだ?」
ラピュスが山積みになっているドラム缶を見ながら訊ね、ヴリトラは振り返って小型爆弾をセットしたドラム缶を見る。
「近づいた時にドラム缶から鼻を刺す様な臭いがした。多分中身はガソリンだろう」
「ガソリン?」
「自動車とかを動かす燃料だ。火を付けると爆発的に燃え上がり、扱い方を間違えればその場で大爆発を引き起こす危険な物だ」
「多分あそこは燃料の保管庫でしょうね。あそこを破壊すれば基地にも大きなダメージを与える事ができるわ。脱出の時にも敵の注意を逸らす事ができるしね」
ラピュスの隣で同じようにドラム缶の山を見ていたジルニトラは言った。ラピュスは二人の話を聞いてガソリンが危険な物である事を知り緊張を走らせる。
三人がドラム缶を見ていると左斜め前の方向からジャバウォックが姿勢を低くして歩いて来る姿が見えた。ジャバウォックの姿を確認したヴリトラ達は周囲を警戒して手を振り急ぐよう伝える。
「よぉ、今戻ったぜ」
ジャバウォックはヴリトラ達の下へ戻り小さく笑いながら言う。ヴリトラはジャバウォックが歩いて来た方を見た後に再びジャバウォックの方を向く。
「そっちは終わったのか?」
「ああ、向こうに武器庫があってな。そこに小型爆弾を少し多めに仕掛けて来てやったぜ」
「武器庫か・・・それなら使えそうな物を少し持って来ればよかったんじゃねぇか?」
「フッ、ちゃんと持って来たぜ」
そう言ってジャバウォックはバックパックから長方形の粘土の様な物を手に取りヴリトラ達に見せる。それを目にしたヴリトラ達は驚いて目を見張りながらそれを見た。
「・・・C4か」
「ああ、まだ結構有ったんだけど、これだけしか持ち出せなかった。それにあまり沢山持って行くと敵に感づかれちまうからな」
ジャバウォックは笑いながらそう言ってC4をバックパックに戻した。
「それで、そのC4は何時使うつもりなの?」
「そうだなぁ・・・これくらいの量なら戦車やアパッチを軽く吹き飛ばせる。コイツで厄介な兵器を・・・」
「いや、待ってくれ」
ヴリトラがジャバウォックを止め、三人は一斉にヴリトラの方を見る。ヴリトラは顎に手を付けてながら難しい顔で俯く。
「・・・M1戦車やアパッチなら小型爆弾でも十分破壊できる。そいつは本棟の重要なポイントを破壊する時に使った方がいい」
「重要なポイント?」
ラピュスが小首を傾げながら訊き返すとヴリトラはラピュス達を見て頷く。
「俺達の役目は爆弾のセットと敵司令官を倒す事だ。本棟には司令室があるはずだからな。そこへ行って司令官を倒した後にC4で司令室をふっ飛ばすんだよ」
「成る程、それなら敵も混乱して作戦がより上手くいくと言う事だな」
「そう言う事だ」
ヴリトラはラピュスの方を向いてニッと笑う。ジャバウォックとジルニトラもその方がいいと思ったのかヴリトラの考えに納得の顔を浮かべる。
「それじゃあ、そのプランで行きましょう」
「だが、まずは爆弾を全部仕掛け終えてからだな」
「ああ、残るはあと五つだ。急ごう」
急いで残りの小型爆弾を仕掛ける為にヴリトラ達は次の場所へ移動した。その間もヴリトラ達は敵を警戒し続けながら注意して先へ進む。そのおかげか彼等は敵に見つかる事無く小型爆弾を仕掛けていった。
その頃、ニーズヘッグのチームも順調に小型爆弾をセットしていき、残る小型爆弾も一つとなった。彼等は今一件のユニットハウスに中に入り情報を集めている。ニーズヘッグはパソコンを操作し、ファフニールとラランは書類などを調べていた。
「こっちの書類はあまり重要そうじゃないなぁ・・・」
「・・・字が読めない」
書類の内容が重要でない事につまらなそうな顔をするファフニールと書類が全て英語で書かれてあり、内容が分からずに無表情で呟くララン。ユニットハウスの中にあるの書類やファイルの内容の殆どが英語で書かれてあった為、ファムステミリアの住人であるラランには全く読めなかったのだ。書類が読めずにいるラランを見てファフニールは苦笑いを浮かべていた。
二人が書類の内容を調べているとニーズヘッグはパイプ椅子に座りながらパソコンのキーを叩いてパソコンの中の情報を集めようとしている。しかしセキュリティによってなかなかパソコンの中を調べられないでいた。だがニーズヘッグは余裕の表情でパソコンを操作している。
「おいおい随分と甘いセキュリティだな?こっちの世界ならハッキングされないと思って油断してないか?」
セキュリティの甘さに呆れながらニーズヘッグは作業を続ける。一通り書類をチェックしたファフニールとラランは書類をテーブルに置いてニーズヘッグの方を向き作業の進み具合をチェックした。
「どう?まだ掛かりそう?」
「いや、大したセキュリティじゃないからもう終わる」
ニーズヘッグの隣で画面を覗き込むファフニール。反対側ではラランは無表情のままパソコンを見ていた。しばらくするとハッキングが終りパソコン内部への潜入に成功する。
「よし、潜入成功だ」
「ここから情報を手に入れる事ができるの?」
「調べてみたらこのパソコンはこの基地にある全てのコンピューターと繋がっている。此処からでも本棟や他の棟にあるコンピューターに潜入できるはずだ」
「そうなんだ、少し意外」
「ああ、普通はハッキングされる事を考えてメインコンピューターとは繋げておかないんだが、この世界でハッキングができる奴なんかいないと考えたのか全てのコンピューターと繋げておいたんだろうな」
ニーズヘッグとファフニールが基地のコンピューター管理について話をしている姿を見てラランはまばたきをしながら二人を見ている。もはや彼女には二人の会話の内容について行けなかった。
「さて、早速調べてみるか。まずはこの基地が何なのかを調べてみないとな・・・」
この基地が一体何なのかを調べる為にニーズヘッグはキーを叩いてパソコンを操作する。隣ではファフニールとラランがジッと画面を見つめており、画面の中ではファイルが開かれたり文字が入力されたりといった作業が繰り返されていく。
しばらくするとニーズヘッグが目的の情報の入ったファイルを見つけてそれを開いた。そこには英文がビッシリと書かれてありニーズヘッグはそれを見て表情を変える。
「あったぞ、コイツだ」
「本当?どんな内容なの?」
画面に映し出された英文をニーズヘッグは目で追いながらチェックしていく。そこには今自分達がいる基地が何なのかが細かく書かれてあった。
「そう言う事か・・・つまり、この基地は俺達のいた世界から必要な物資や武器をこのファムステミリアに運び、他のブラッド・レクイエムの基地にその物資を送る為の補給基地だったんだ」
「補給基地?」
「そして補給が一通り完了した後にはセメリト王国へ攻め込む為の前線基地になる予定だと・・・」
「・・・とても危険!」
基地がセメリト王国や他の国にとって大きな脅威となる事を知り三人の表情を鋭くなる。するとファフニールが何かに気付いて鋭かった表情を元に戻す。
「ちょっと待って、私達のいた世界からファムステミリアに物資を運ぶって事は・・・この基地には元の世界に戻る為の手段があるって事?」
「そう言う事になるな。此処にはファムステミリアと俺達の世界を繋ぐ扉、ユートピアゲートがあるって事だ」
「それって、元の世界に戻れるって事だよね?そのユートピアゲートは何処にあるの?」
「まぁ待て、今調べているところだ。この基地の何処かにあるのは間違いない、すぐに分かるはずだ」
元の世界へ戻る装置がある、それを確かめるためにニーズヘッグは急いで指を動かしパソコンを操作した。すると、何かを見つけたニーズヘッグはキーを叩く手を止める。
「こ、これは・・・!」
「どうしたの?見つけたの?」
「ファフニール、これを見てみろ・・・」
「ん?」
意味が分からずにファフニールはパソコンの画面を覗き込む。ラランも一緒に画面を見てみた。そこには何かの設計図の様な物が描かれてある。その装置の詳しい情報が書かれた部分は何かの手が加えられているせいかぼやけてて確認する事ができなかった。
「何かの設計図みたいだけど・・・何なの?」
「・・・もしかしたら、ユートピアゲートの設計図かもしれないな」
「ええぇ!?本当?どうしてそんな物が?」
「この基地にあるユートピアゲートに異常が起きた時、修理する為に使うつもりだったんだろう・・・設計図の情報や構造とかはかなり文字がぼやけてて確認する事はできないな」
「何とかできる?」
「このパソコンと状況じゃ無理だ。ズィーベン・ドラゴンにある俺のパソコンを使わないとな・・・」
「でも、これがユートピアゲートの設計図である可能性は高いんだよね?」
「ああ」
ユートピアゲートの設計図を見つけた、ニーズヘッグ達は予想以上に重要な物を手に入れた事でテンションが上がる。これでブラッド・レクイエム社に対抗する為の新たな希望が生まれた。ニーズヘッグは再びパソコンを操作してユートピアゲートに関係する情報を片っ端から集め始める。
「ファフニール、フラッシュメモリーを探してくれ。コイツを持ち帰る」
「分かった!ララン、手伝って!」
「・・・分かった」
保存用のフラッシュメモリーを探し出すファフニールと上手く状況が理解できずに言うとおりにするララン。ニーズヘッグは二人がフラッシュメモリーを探している間に使えそうな情報を少しずつ集めて行く。すると、ユニットハウスの外から二人の男の声が聞こえて来た。それを聞いたニーズヘッグは作業をやめてフッと窓を見た。
「二人とも、姿勢を低くしろ!」
「「!」」
ニーズヘッグの突然の言葉にファフニールとラランは驚き、咄嗟にその場で姿勢を引くくした。ニーズヘッグは鞘に収まっているアスカロンを握りながら姿勢を低くして窓に近づき外の様子を探る。ユニットハウスの外では二人のBL兵が会話をしている姿があった。幸いニーズヘッグ達には気付いていないようだ。
「交代だ、少し休んで来い」
「悪いな、助かる」
「ところで聞いたか?例の視察のヴェノム?」
「ん?・・・ああぁ、聞いた。何でも女王とジークフリート司令が来ているそうだな?」
「!?」
BL兵の会話を聞いたニーズヘッグは驚きのあまり表情を急変させる。ファフニールとラランも目を火張って驚いた。
「この基地はセメリト王国を攻撃する為の重要拠点にするから基地の状態とユートピアゲートの調子を見に来たらしい」
(やっぱりこの基地にはユートピアゲートがあるのか・・・)
BL兵の話を聞いたニーズヘッグは鋭い表情に変わり心の中で呟く。
「どおりで基地内が緊迫した空気に包まれているはずだ・・・それでジャンヌ様と司令はどちらにいるんだ?」
「今は司令室で司令官と話をされている。基地全体のチェックをされからユートピアゲートの様子を見に行くらしい」
「そうか・・・おい、お二人に会ったらちゃんと挨拶しろよ?」
「お前もな」
そう言ってBL兵の一人はその場から去って行き、もう一人のBL兵も反対方向へ歩いて行く。BL兵達がいなくなるとニーズヘッグはゆっくりと窓から顔を出して周囲を確認する。そこへファフニールとラランが姿勢を低くしながらニーズヘッグに近づいて来た。
「ニーズヘッグ、さっきの話・・・」
「ああ、どうやら俺達の気付かないうちに状況はかなり厄介な事になってるみたいだ・・・」
「・・・どうするの?」
「・・・・・・とりあえずは例のデータをコピーする。お前達はフラッシュメモリーを探し続けろ。俺はヴリトラ達に連絡を入れる」
状況の悪さを認識したニーズヘッグ達は急いで作業に戻る。フラッシュメモリーの探索に戻ったファフニールとララン、そしてパソコンを操作しながら小型通信機のスイッチを入れるニーズヘッグ。事態はヴリトラ達が考えていた以上に悪い方向へ進んでいた。
ニーズヘッグ達がBL兵達の会話を聞き終えていた頃、ヴリトラ達は残りの小型爆弾をセットしていた。あれから残り五個の内、四個をセットし終え、残る最後の一個をセットしていた。
「よし、これで全部だ」
本棟の近くに停めてある輸送トラックの荷台に最後の小型爆弾をセットしたヴリトラは輸送トラックから離れ、本当の右隣の棟の近くにある木箱の陰に隠れているラピュス達の下へ戻る。
「終わったか?」
「ああ、あとは脱出の時に起爆させるだけだ」
「で、この後はどうする?」
ラピュスが次の段取りを訊ねるとヴリトラは静かに本棟を指差す。
「勿論、本当にある司令室へ向かってC4を仕掛ける。司令官を叩く時に敵に見つかっちまうがそれは仕方ない。基地全体に知られる前に片づける!」
ヴリトラが司令室へ向かうと力の入った声で話すと突然小型通信機からコール音が鳴り、ヴリトラ、ジャバウォック、ジルニトラはふと反応しスイッチを入れる。
「こちらニーズヘッグ!緊急通達、全員応答せよ!」
「ニーズヘッグか、いきなりどうした?」
慌てた様子で通信をしてきたニーズヘッグにヴリトラは小首を傾げる。ジャバウォックとジルニトラも同じような顔をしていた。
――――――
基地の本棟にある司令室では基地の視察に来ていたジークフリートとジャンヌが司令室で基地の司令官と思われる軍服を着た中年と男性と話をしていた。司令室にいるオペレーター達はブラッド・レクイエム社のトップ2の存在感に緊張しており、チラチラとジークフリートとジャンヌを見ている。
「・・・以上がこの数日間に基地の周辺で起きた事です」
「そう、分かったわ」
ジャンヌは司令官から報告を聞き手元の書類に目を通した。彼女の隣ではジークフリートが司令室のモニターに映っている監視カメラの映像を眺めている。司令官は二人を前に落ち着きの無い様子でかしこまっていた。
「ク、女王・・・今日はどの様な御用でこの基地に?」
「言ったでしょう?この基地に視察よ。連絡を入れずに来たのは悪かったけど・・・」
「い、いえいえ!悪いだなんてそんな・・・」
司令官は慌てた様な態度で首を横に振る。どうやら相当ジャンヌと言う存在に緊張しているようだ。あるいは彼女を恐れているのか、とにかく司令室にいる者全員が緊張していた。
ジークフリートはゆっくりと歩き出して監視カメラの映像が映し出されているモニターの前にやって来た。そして近くに座っている女性オペレーターを見下ろす。
「異常は無いか?」
「ハ、ハイ!問題ありません!」
「油断するな?この世界に我々の基地を襲撃する程の力を持った者はいないだろうが、この世界にはまだ私達には理解できない事が多くある。油断していると痛い目に・・・ん?」
オペレーターに話していたジークフリートがモニターを見た瞬間に口を止める。そして一つの監視カメラの映像に注目した。
「どうされましたか?」
「・・・おい、あの映像は何処の監視カメラだ?」
「え?」
オペレーターがジークフリートの指差し監視カメラの映像を見て位置を確認する。
「あそこはこの基地の発電機とその周辺をチェックするカメラです」
「・・・・・・映像を動かせるか?」
「え?あ、ハイ。此処からカメラを操作すれば・・・」
「ならカメラで発電機を映せ」
「ハ、ハイ・・・」
ジークフリートに指示されてオペレーターはコンピューターを動かしてカメラを操作する。映像は発電機を映し、その映像を見たジークフリートはしばらく黙り込んで映像を見つめていた。オペレーターもそんなジークフリートを不思議そうな顔で見つめてる。
「・・・発電機をアップしろ」
「ハ、ハイ」
言われたとおりにアップにして発電機を拡大したオペレーター。画面に発電機が大きく映るとジークフリートは発電機の隅で赤く点滅している物を見つけた。それはヴリトラがセットした小型爆弾だったのだ。それを見たジークフリートのアーメットの隙間から赤い目がギラリと光る。
「女王・・・」
「何?」
ジークフリートに呼ばれたジャンヌは彼の方を向いて返事をする。ジークフリートはモニターを見つめたまま低い声で言った。
「・・・どうやらこの基地に侵入者が入り込んだようだ」
「何ですって?」
ジャンヌを始め、司令室にいる者全員がジークフリートの方を見つめる。ジークフリートは画面に映っている発電機を見ながら小型爆弾を指差した。
「あの赤く点滅している物は爆弾だ。何者かの破壊工作だろう」
「誰がそんな事を・・・」
「思い当たるは一つしかない・・・」
「・・・成る程」
誰の仕業なのか気付いたジャンヌは鋭い表情で納得する。司令室の者達は誰かを侵入させたというミスをしてしまった事に動揺の顔を浮かべていた。だがジークフリートとジャンヌはそんな事を気にもしていない態度を見せている。
「警報!」
「ハ、ハイ!」
ジークフリートは別の席に座っている男性オペレーターに指示を出す。オペレーターは言われたとおり近くにある警報スイッチを押した。
――――――
その頃、ヴリトラ達はニーズヘッグからの緊急通信に応答し、その内容を聞いて驚きの表情を浮かべていた。
「・・・マジかよ?」
「ああ、間違いない。敵兵士が話しているのを聞いた」
「ジークフリートとジャンヌが今、この基地にいる?」
「最悪だな・・・」
小型通信機から聞こえてくるニーズヘッグの声を聞き、ヴリトラとジャバウォックは汗を流す。ラピュスとジルニトラも汗を流しながら鋭い表情を浮かべている。
「だが、悪い情報だけじゃない。実はさっき・・・」
ニーズヘッグがユートピアゲートの情報をヴリトラ達に伝えようとした時、突如基地内に警報音が鳴り響く。それを聞いたヴリトラ達はフッと顔を上げた。
「当基地内に侵入者あり。警備班はただちに侵入者の捜索を開始し、発見次第侵入者を捕縛せよ!抵抗する場合を射殺も可能とする!繰り返す、当基地内に侵入者あり・・・」
「しまった、バレたか!」
基地内に流れる放送にヴリトラを始め、ラピュス達全員に緊張が走る。順調と思われていた潜入作戦は一変して、最悪の状態になってしまった。
小型爆弾を仕掛けてくヴリトラ達だったが、ジークフリートによって侵入が気付かれ基地内に警報が流れる。敵に自分達の存在が気付かれてしまい、ヴリトラ達は窮地に追い込まれてしまう。一体この先どうなるのだろうか?




