第二百十一話 変わった戦士達 過去の振り返りと近づく戦い
冷たい風が吹くティムタームの町の市場。寒さを感じながら買い物をする多くの住民達。秋の終わりが近づきティムタームの住む人々は皆厚着をしていた。しかし、騎士や兵士達は決められた服装をしないといけない為、寒さに耐えながら必死に職務を果たしている。彼等と比べたら町の住民達は幸せと言えるだろう。
賑やかな街道の真ん中をヴリトラは一人歩いていた。服装は長袖長ズボンになっており、その上からはコートを羽織って完全な防寒対策をしている。そしてその手には食材の入った袋が持たれていた。
「う~寒い。この前秋だと思ったらもうすぐ冬だからな、冬物の服も用意しないといけないか・・・」
寒さを身に感じながらヴリトラは冬服の準備を考える。ストラスタ公国との同盟会談の日から今日で二週間が経った。ブラッド・レクイエム社はこれといって大きな動きを見せずに平和な日々が続いている。だが、ヴリトラにはそれが却って不自然だったのだ。
「・・・奴等はギルギムの砦にあるデガルベル鉱石を奪ってから大きな騒ぎを起こしていない。デガルベル鉱石をストラスタ公国に送る時も襲撃してこなかったみたいだし・・・奴等は何を考えているんだ?」
ブラッド・レクイエム社が残りのデガルベル鉱石を奪いに襲撃してこなかった事がヴリトラは不思議で仕方がなかった。もしブラッド・レクイエム社がデガルベル鉱石を何かに理由する為に奪ったのならサンプルは多い方がいい。にもかかわらず彼等はギルギム砦のデガルベル鉱石を奪ってからは他の二つのデガルベル鉱石を奪おうともせず、襲撃もしてこなかったのだ。ブラッド・レクイエム社が何を考えているのか全く分からずヴリトラや他の七竜将も頭を悩ませている。そんな難しい事を考えていたヴリトラは自然と足を止めて街道のど真ん中で立ち止まっていた。
「ヴリトラ、そこで何をしているんだ?」
背後から声を掛けられてヴリトラはフッと反応し振り返る。そこにはラピュスとラランが並んで自分の方を見ている姿があった。
「ああぁ、二人とも。どうしたんだ、こんな所で?」
「それはこっちの台詞だ。お前こそ、こんな所に突っ立って何をしている?」
「ちょっと考え事をな」
苦笑いをするヴリトラを見て不思議そうな顔になるラピュス。ラランは相変わらず無表情でヴリトラを見上げていた。
「今日はお前達だけか?アリサは?」
「休暇だ。久しぶりの休みだと言って喜んでいた」
「ハハハ、そっか。アイツも姫騎士である以前に年頃の女だからな。休暇を楽しく過ごしたいんだろう」
「フッ、そうだな・・・」
部下であるアリサが楽しく休暇を過ごす事にラピュスも少し嬉しさを感じているのか小さく笑っている。
「そう言えば、その後はどうなんだ?」
「その後とは?」
「お前達、会談の護衛任務を終えて例の懲罰も終わったんだろう?どうなんだよ、正式な遊撃隊に戻った気分は?」
「ああぁ、その事か。別に変らない、いつも通りだ。以前と同じ、王国の第三遊撃隊として・・・」
「・・・違う」
ラピュスが話をしていると今まで黙っていたラランが話に参加して来た。二人は突然話に加わって来たラランの方を向いて彼女を見下ろす。
「・・・第三遊撃隊じゃない。『白竜遊撃隊』になった」
「・・・そうだったな」
ラランの言葉にラピュスは小さく微笑んで頷いた。
白竜遊撃隊、同盟会談の護衛任務を無事に終えた懲罰遊撃隊に恩賞としてヴァルボルトが与えたラピュス達の新しい部隊名。町の警護や他の部隊の後方支援などの任務を受ける一般の遊撃隊とは違い、青銅戦士隊や白銀剣士隊と同等に扱いをされ、王族から与えられた任務を任され、七竜将と行動を共にする場合はそちらを優先する事ができる特別騎士隊だ。七竜将の正体やブラッド・レクイエム社の事を知っているラピュス達にとっては都合のいい物だった。
「俺達との仕事を優先する事ができる騎士隊ねぇ・・・懲罰を受けていた遊撃隊がいきなりそんなエリート部隊になって、他の隊からの風当たりは大丈夫なのか?」
「まぁ、幾つかの部隊は私達を妬んだりしているみたいだが、私達を高く評価している者達も少なくない」
「・・・どんな風に見られても、平気」
「それに、姫様や団長、そしてビビット殿も私達の味方をしてくれているからな」
「へぇ、パティーラム様やガバディア団長をともかく、レレットまでお前達の味方をするとは少し意外だなぁ・・・」
黄金近衛隊の姫騎士であるレレットまでもがラピュス達の味方をしている事を聞いて意外に思うヴリトラ。レレットもワズロの町の戦いの後に七竜将が別世界から来た存在であるという真実を知った者の一人。パティーラムのおかげで彼女もヴリトラ達の協力者の一人になってくれたのだ。
「それでレレットはその後はどうしてるんだ?」
「ブラッド・レクイエムの事や銃器の使い方をお前達から学んだ後は姫様とブラッド・レクイエムの情報を集めているらしい」
「成る程、王族とその近衛兵なら国中の情報を得たり他国の状況を知る事もできるからな」
「・・・お二人はお二人にしかできない事をやって皆を助けてる」
ラランの呟きを聞いてヴリトラとラピュスは真面目な顔で頷く。それから三人は何時までも立ち止まって話をする訳にもいかないと考えたのは街道を歩きながら話をする事にした。
「そう言えば、あれからもう二週間経ったけどストラスタ公国の方は大丈夫なのか?」
「団長の話ではこれといって大きな事件は起きていないらしい・・・」
「そうか・・・レヴァート王国でもブラッド・レクイエムは大きな動きを見せていないし、何だか嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
「ああ、しばらく目立った動きを見せず、俺達を油断させたところを一気に動いて隙を突くとか、そんな事をしそうな気がするんだ・・・」
「もし、国が油断しているところを奴等が襲撃してきたら・・・」
「そうだ。レヴァート王国は七竜将がいるから何とかなるかもしれないが、ストラスタ公国やセメリト王国の様な同盟国は対処できない。ブラッド・レクイエムが襲撃をして来たら大変な事になる」
「だが、そうならないようにする為にパリーエ王女達に銃器の使い方を教えたのだろう?」
ラピュスは七竜将がストラスタ公国の王女であるパリーエとその部下の姫騎士達に銃器の使い方を教えた事を確認する様に話した。ヴリトラはラピュスの方を向いて頷く。
同盟会談が終った日、ヴリトラ達は銃器の使い方を教える為にパリーエ王女と彼女が指揮を執る白薔薇戦士隊の隊員数人をレヴァート王国に招待し、ティムタームで数日間銃器の使い方を叩き込んだ。最初は驚いてなかなか覚えなかったが少しずつ使い方を覚えて行き、ティムタームに来てから僅か四日で完全に使い方をマスターした。その後、無事に使い方を覚えたパリーエ達に整備方法などの書かれた羊皮紙と銃器、弾薬を渡しストラスタ公国に帰したのだ。
「パリーエ王女達も最初は随分と戸惑っていたな・・・フフフッ」
ヴリトラはパリーエ達が銃器を始めて手に取り、使った時の事を思い出して笑い出す。ラピュスもその時の事を思い出して必死に笑い堪える。実際、パリーエ達は銃器を撃った時には驚いてその場に座り込んだり、素っ頓狂な声を上げたりした者もいた。特に白薔薇戦士隊の姫騎士であるポーリーは銃器を撃つたびにその反動で体勢を崩したりなどして、白薔薇戦士隊の中では最も覚えが悪かったのだ。その為、彼女に銃の使い方を教えるのにヴリトラ達も苦労していた。
「ポーリー殿は銃を撃つたびに銃声に驚いていたとリブルから聞いている。相当苦労したんじゃないのか?」
「まぁな。だけど、リブルやジルが細かく丁寧に教えたり、励ましたりしていたから何とかマスターしたよ。あれならきっと大丈夫だ」
ポーリーが無事に銃器の使い方を覚えた事を聞いてラピュスは小さく微笑み安心する。
「・・・そう言えば、そっちはどうなの?」
ずっと黙っていたラランがまた突然話に加わって来てヴリトラに声を掛けて来た。
「どうって?」
「・・・仕事や傭兵組合の方」
「ああぁ、そっちか・・・ほれ」
ラランの質問の意味を理解したヴリトラはコートのポケットに手を入れて傭兵組合の目だろう取り出して見せた。メダルには大きくワイバーンの絵が彫られてある。
「・・・ワイバーンのメダル」
「と言う事はゴブリンクラスから一気にワイバーンクラスになったのか?」
「ああ、ガバディア団長が傭兵組合にヴァルボルト陛下の護衛以来の件を説明してくれてな、一気に七竜将はワイバーンクラスの傭兵隊になっちまったよ」
メダルをしまいながらヴリトラはニッと笑った。
「陛下の警護をして一気にワイバーンになったのだから、お前達こそ他の傭兵達から妬まれているんじゃないのか?」
「多分な。だけど、俺達はそんな事は気にしない。もし言い掛かりをつけて来たら返り討ちにしてやるしな」
「乱暴なやり方だな・・・」
「俺達は傭兵だからな」
自由なやり方をするヴリトラにラピュスは「やれやれ」と言いたそうな顔を見せる。ラランは興味が無いのか無表情のままヴリトラを見ている。
三人はズィーベン・ドラゴンに続く道を並んで歩いて行く。すると何時の間にな周りに人がいなくなり、三人だけになっていた。ヴリトラ達は静かな道を歩き続ける。すると冷たい風が吹いて三人は足を止めた。
「ううぅ!冷たい風だな・・・お前達は寒くないのか?そんなスカートなんか履いて」
ヴリトラは隣を歩くラピュスとラランをの格好を見て訊ねる。二人は上は長袖を着ているが下はスカートを履いている為、下半身は誰が見ても寒そうな状態だった。しかし二人は寒さを感じていないのか表情を変えずに自分の下半身をジッと見つめている。
「・・・私達は別に寒くないぞ?なぁ?」
「・・・うん、平気」
「マジかよ?ジルやファウも時々スカートを履いてるけど、秋とかになるとすぐに長ズボンに履き替えるぜ?」
「機械鎧兵士なのに寒さに弱いのか?」
「・・・変なの」
「前にも言っただろう?俺達はナノマシンで身体能力や感覚は強化されてるけど体温調節まではできないって」
「ああぁ、そう言えばそんな事を言ってたな」
以前ヴリトラが言っていたナノマシンの事を思い出すラピュス。ラランも「あっ」と言う顔を見せて手を叩いた。
「ハァ・・・・・・そう言えば、もうすぐ秋も終わって冬になるよなぁ・・・」
「そうだな・・・」
「冬と言えばクリスマスだけど、ファムステミリアにはクリスマスみたいなものはないのか?」
「クリスマス?」
「・・・何それ?」
聞いた事の無い言葉にラピュスとラランはまばたきをしながらヴリトラを見て聞き返す。ヴリトラはファムステミリアにクリスマスの様な冬の行事が無い事を意外に思った。
「何だ、こっちには無いのか・・・クリスマスって言うのは俺達の世界の冬の行事の一つで、まぁ夜にパーティとかを開いてプレゼント交換とかをしたりする日の事だな」
「パーティ・・・ああぁ、『雪の精霊祭』みたいなものか」
「雪の精霊祭?こっちではそう言うのか?」
一応クリスマスに似た行事がある事にヴリトラは「へぇ~」という様な顔でラピュスの話を聞く。
「雪の精霊祭は冬の終わりに冬を無事に過ごす事ができた事を雪の精霊に感謝するという事から皆で食事会を開く祭りだ。あと大きな木に飾りを付けて祈りを捧げたりもするな」
「・・・あと、子供達は大人から沢山のプレゼントを貰える」
「それ、殆どクリスマスと同じじゃねぇか」
ラピュスとラランの説明を聞いてやっている事はクリスマスと同じだと知ったヴリトラは目を細くしながら二人を見て言う。するとヴリトラはふと空を見上げて何処か懐かしそうな顔を見せる。
「・・・そう言えば、俺達がこっちの世界に来てもうすぐ一年になるな。俺達がこっちに来たのは確か春の半ば頃であの時は色々大変だった・・・」
「そう言えば、もうそんなに経つんだな・・・」
「ああ、あの頃のお前は俺達の事をおかしな傭兵だって言って疑っていたっけ?」
「確かに怪しいとは思っていたが、クレイジーファングを壊滅させたのを見てお前達が悪い奴ではないという事は確信した。あと、別の世界から来たという事もな」
ヴリトラが出会った時の事を話し、それを聞いたラピュスも懐かしそうな顔で空を眺める。ラランも無表情ではあるが、空を見上げながら歩いた。
「しかし不思議なものだ。いつも通り仕事をしていた時に酒場でバッタリと不思議な傭兵隊と出会い、共に過ごしている内にこんな風になっていたのだからな・・・」
「・・・出会っていなかったらいつも通りの生活だった」
「ああ、王国騎士団の一遊撃隊員として普通に生きていただろうな。それが今では陛下や姫様からも注目される様なエリート騎士隊にまで出世した・・・お前達のおかげだな」
ラピュスはチラッと隣を歩くヴリトラを見て微笑む。そんなラピュスを見てヴリトラもニッと笑う。
「・・・まぁ、俺と出会っちまったおかげで大切なもんも無くしちまったけどな?」
「大切なもの?・・・・・・あぁ!」
ヴリトラの言葉の意味が理解できずにしばらく考えていたラピュスはフッと何かに気付いて表情が変わり、ラピュスの頭の中に謝ってヴリトラとキスをしてしまった時の事を思い出す。嫌な事を思い出したのかラピュスは目を閉じて右手を強く握り震わせる。
「・・・確かに大切なものも無くした。あれが無ければ本当にいい出会いだと思えるのに・・・」
「あら?もしかして機嫌悪くした?」
「・・・思い出したらまたイライラして来た」
「ア、アハハハ・・・」
「やっちまったなぁ」と言いたそうにヴリトラは苦笑いを見せる。ラランは目を細くしてそんな苦笑いをするヴリトラを見上げていた。
しばらく歩いて行くとズィーベン・ドラゴンの前までやって来た三人。庭の隅にはジープとバンが停まっており、長袖長ズボンのニーズヘッグとジャバウォックが点検をしている姿があった。
「ただいまぁ」
「おう、お疲れ」
戻って来たヴリトラを見てジャバウォックは簡単に返事をする。ニーズヘッグもヴリトラの方を向いて軽く手を振った。
「お?ラピュスとラランも一緒だったのか」
「ああ、途中でバッタリ会ってな」
「そうか」
「・・・二人とも、折角だから寄って行けよ?温かい飲み物でも出すからさ?」
ヴリトラはラピュスとラランに寄るように話し、ラピュスは小さく笑って「それじゃあ遠慮無く」と言う様に頷く。ラランもヴリトラの方を向いて数回頷いた。
「ジャバウォックとニーズヘッグも休憩したらどうだ?冷えて来たし、コーヒーでも飲もうぜ?」
「そうだな。そうするか?」
「ああ」
ジャバウォックとニーズヘッグも体を温める為に点検を中断してズィーベン・ドラゴンへ戻り、ヴリトラ達もそれに続いて入って行く。
中に入るとヴリトラ達は奥のリビングへ入って行き席に付いた。既にリビングではリンドブルム達が寛いでおり、やって来たラピュスとラランを歓迎した。席に付いてヴリトラ達にジルニトラは静かにコーヒーの入ったカップを出す。
「ハイ、どうぞ」
「すまない」
コーヒーを出したジルニトラにラピュスは微笑みながら礼を言う。
「お砂糖はどうする?」
「いや、私はいい」
「そう、ラランは?」
「・・・入れて。お砂糖とミルク」
「ハイハイ」
幼い故に苦いのは苦手なのか砂糖とミルクを求めるラランにジルニトラは笑いながら砂糖とミルクの入った容器を置いてラランのカップの中に入れる。かなりの量の砂糖とミルクを入れさせるラランにヴリトラとリンドブルムは苦笑いをしながら彼女を見つめた。
「随分沢山入れるね?」
「あれじゃあ、熱いコーヒー牛乳だな・・・」
「・・・私は苦いのが苦手」
「それでも入れ過ぎでしょう・・・」
「・・・私の自由」
「それはそうだけど・・・」
「リブルもブラックは無理だけど砂糖一杯でコーヒーを飲んでるぜ?」
歳の近いリンドブルムも砂糖一杯でコーヒーを飲むと言う事を聞かされたラランは飲むのをやめてチラッとリンドブルムの方を向いて。子供なのに大人な雰囲気を出しているリンドブルムに少し悔しさを感じているのだろう。ラランはカップの中のコーヒーを再び飲みだした。しかしさっきよりも飲むスピードが速く、ヴリトラ達は目を丸くしてそれを見ている。
「どうしたの、ララン?」
ファフニールが訊ねるとラランはカップを口から話しれファフニールの方を見る。
「・・・これを飲んだら今度は砂糖一杯で飲む」
「えぇ?リブルと同じように飲むの?」
「・・・うん」
「何だ、その意味の分からない対抗意識は・・・」
オロチはラランの行動を興味の無さそうな顔で見ながら呟いた。ヴリトラ達はただそれを苦笑いで見ているだけだった。
「・・・それにしても、弾薬とかの数が減って来たな・・・とくに機械鎧の内蔵兵器の方が底を突きそうだ・・・」
ジャバウォックが今自分達の手元のある弾薬類の数が減って来ている事を呟き、それを聞いたヴリトラ達は一斉にジャバウォックの方を向く。
「確かに、MP7とかベレッタ90の弾薬はブラッド・レクイエムとの戦いで戦利品として手に入れられるけど、ジルのサクリファイスは5.56mmのライフル弾を使ってるからな・・・」
「あたしのはライフル弾が撃てるようにキャリコM100を改造した物だからね」
「他にも内蔵兵器の弾薬やマイクロ弾とかも限界がある。なんとかしねぇとブラッド・レクイエムに対抗できなくなるぞ」
自分達の持ち合わせている武器の弾薬はブラッド・レクイエム社と違って限りがある。どうやって今後戦うのか一同は難しい顔をして考え込む。そんな時、玄関の方からノック音が聞こえてヴリトラ達は玄関の方を向く。
「失礼します、パティーラムです」
「パティーラム様?どうしたんだろう?」
突然訪ねて来たパティーラムにリンドブルムは不思議そうな顔をして席を立ち、玄関の方へ向かって行く。ヴリトラ達も不思議そうな顔で玄関の方へ歩いて行った。
少しずつ寒くなる季節。そんな中、パティーラムがズィーベン・ドラゴンを訪ねてくる。この時のヴリトラ達はまだ知らなかった、パティーラムが新たな仕事を依頼しに訪ねて、その仕事がヴリトラ達にとって最も過酷な仕事になると言う事を・・・。




