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機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第十一章~新たな同志を求めて~
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第二百三話  ブラッド・レクイエム奇襲! 戦場と化した町

 ジャンヌの宣戦布告と同時にワズロの町の北側で爆発が起きた。その爆発の原因がブラッド・レクイエム社の仕業であると確信した七竜将は急ぎ現場へ向かう。そして彼等より少し遅れてパリーエのとレレットもそれぞれの部隊と共に現場へ急ぐのだった。

 街道をジープで走っているヴリトラ達は途中で北側から走って避難する大勢の町の住民達とすれ違い、北側がとても酷い状態になっている事を悟る。


「凄い人ね・・・」

「それだけ北側で派手な事が起こってるって事だろうよ」


 逃げる住民達を見てジルニトラとジャバウォックは北側の状態が自分達の予想していた以上に悲惨な状態になっている事を知り、表情を鋭くした。


「とにかく、急いで来た側へ行くぞ。白薔薇戦士隊だけじゃブラッド・レクイエム社に対抗するのは難しい」

「ああ、分かってるぜ!」

「行きましょう!」


 ヴリトラは白薔薇戦士隊の援護に急ぐために更にアクセルを深く踏んで速度を上げる。ジープのもの凄い速さにヴリトラ達の体は風にうたれて、冷たさと僅かな痛みが彼等を襲う。だが、ヴリトラ達はそんな事を気にもせずに現場へ急いだ。

 しばらくジープを走らせるとヴリトラ達は北側に正門がある広場から少し離れた位置に出た。そしてヴリトラ達は正門前の広場の光景を見て目を見張って驚く。先に来ていた白薔薇戦士隊の姫騎士達が剣や槍、弓矢などを使って侵入して来た大勢のBL兵達と戦闘を繰り広げていた。正門は爆破されて大きな穴が開き、広場にある小屋や民家からは火が上がっており、その周りでは逃げ遅れた町の住民やBL兵達によって倒された姫騎士やワズロの町の警備兵達の遺体が転がっている。その遺体の殆どが銃で撃たれて死んだのか、無数の銃創が付いていた。


「な、何なんだあの連中は!?」

「見た事の無い武器を使ってるぞ!?」


 白薔薇戦士隊の姫騎士達は未知の武器を使うBL兵達に驚き、武器を構えながらゆっくりと後退していく。しかし、BL兵達はそれを見逃さずに後退していく姫騎士達に向かってMP7を発砲する。姫騎士達は抵抗する事も逃げる事もできずに蜂の巣となり射殺されてしまった。


「ヒイィッ!」


 目の前で姫騎士が倒されるのを見て怯えた表情を見せる女性騎士。自分よりも強く優秀な姫騎士が殺された事で恐怖を感じた女性騎士は騎士剣を捨ててその場から逃げ出そうとする。だがそこをBL兵が追撃し、女性騎士を背中から超振動マチェットで斬り捨てた。女性騎士を殺害したBL兵は次の敵を倒す為にすぐにその場から移動する。

 別の所でも女性騎士が槍を持ってBL兵と睨み合っており、槍先をBL兵に向けながら構えている。


「ク、クソッ!何なのよ、アンタ達は!?」

「・・・・・・」


 女性騎士の問いにBL兵は答える事無く無言で女性騎士を見つめている。見た事の無い格好で未知の武器を使い、フルフェイスマスクで顔を隠している得体の知れない敵に女性騎士は不気味さを感じていた。


「クゥ!化け物めぇ!」


 目の前のBL兵に向けて槍を突く女性騎士。しかし、BL兵は女性騎士の槍を左手で簡単に掴んで止めてしまう。槍を止められた事で驚く女性騎士は槍を引こうとするが、予想以上にBL兵の力が強く、槍がピクリとも動かなかった。


「・・・そ、そんな、どうして!?」


 槍が動かない事に動揺を見せる女性騎士。そんな女性騎士にBL兵は右手に持っているMP7を向けて引き金を引いた。銃口から吐き出された弾丸は女性の体に全弾命中し、女性騎士は血を吐きながらガクッと膝を付きその場に俯せに倒れる。BL兵は左手に持っている槍を捨てて静かに次の敵を探しに移動した。

 次々と倒されていく仲間を見て姫騎士達は自分達の目を疑う。ストラスタ公国の中でもエリート揃いの白薔薇戦士隊が手も足も出ない事は騎士達に絶望を与えていた。


「わ、我々白薔薇戦士隊が全く歯が立たないなんて・・・何者なのコイツ等は・・・?」

「あ、悪魔、悪魔の使いだわ・・・」

「神様、私達をお守りください・・・」


 絶望のあまりBL兵達を悪魔と言い、神に助けを乞う者も出てきた。BL兵達は周囲の騎士や警備兵達を粗方片付けると遠くで自分達を見て固まっている姫騎士達を見つけてMP7を構える。それを見た一人の姫騎士が周りにいる仲間達に大きな声で呼びかけた。


「皆、隠れて!あの武器の正面にいたら殺されるわ!」


 姫騎士は銃器がどんな風に攻撃を仕掛けて来るのか分かって来たのか、正面から移動する様に仲間達に指示を出す。他の姫騎士や兵士達も走ってBL兵達の正面から移動する。だがBL兵達は勢いよく跳んで姫騎士達が逃げた先に回り込み逃げ道を塞ぐ。三方向から取り囲まれた姫騎士達は驚き後ろに下がる。そしてBL兵達はMP7を再び構えて引き金を引こうとした。もうダメだと姫騎士達が覚悟を決めた時、 BL兵達の頭上から三つの影が降りて来た。気付いたBL兵達は咄嗟にその場を移動する。するとBL兵達の立っていた所にヴリトラ、ジャバウォック、オロチの三人の姿があった。


「これ以上、この町で暴れさせないぜ?」

「今度は俺等が相手してやるよ」

「覚悟しろ、外道ども・・・」


 ヴリトラ達はそれぞれ目の前で自分達を見つめているBL兵達にそう告げると一斉に構えを取る。ジャバウォックはデュランダルを構えているが、ヴリトラとオロチは丸腰の為、両手を顔の前に持って来て格闘と構えを取った。BL兵達は突如現れた七竜将に一瞬驚くも、自分達が有利だと考え、すぐにMP7を構え直す。だが、BL兵達が構えた時には既に三人は動いていた。ジャバウォックはその体に似合わない速さでBL兵の前まで移動し、デュランダルで袈裟切りを放つ。BL兵は前から斬られて攻撃する事無く絶命した。


「銃を持ってるからって、必ずしも有利とは限らねぇぜ?」


 ジャバウォックは倒れたBL兵に笑いながらそう告げる。ヴリトラとオロチも素早くBL兵の懐に入り込んで顔や体にパンチやキックを連続で撃ちこみ、攻撃する隙を与えずにBL兵達を気絶させた。


「武器がなくても、お前達程度なら余裕で勝てるぜ?」

「私達は武器を持たない状態でも最低限の戦闘が行えるように訓練されているからな・・・」


 倒れたBL兵達を見下しながら呟くヴリトラとオロチ。ジャバウォックもデュランダルを構えながらまだ遠くにいる大勢のBL兵達を見ている。


「ここは俺達が何とかする。アンタ達は下がってろ」

「え・・・あ、ああ・・・すまない」


 突如現れて自分達を助けてくれたヴリトラ達に呆然としている姫騎士達だったが、すぐに正気に戻りゆっくりと後退する。そこへラピュス、ジルニトラ、アリサの三人もやって来てヴリトラ達と合流し、遠くにいるBL兵達を見つめた。


「大丈夫か?」

「ああ、何とかね。だけど、流石に丸腰じゃ長くは持たない。早くリンドブルム達が来てくれる事を祈るしかないな・・・」


 ラピュスの言葉に武器を持たない状態ではすぐに不利になってしまうとヴリトラはBL兵達を睨みながら呟く。ラピュスも騎士剣を持たない自分ではどうする事もできない表情を曇らせていた。


「おーい!大丈夫ーっ!?」


 何処からか聞こえて来たリンドブルムの声。ヴリトラ達がふと声のした方を向くと、馬に乗って走って来るリンドブルム達と懲罰遊撃隊の騎士達の姿が見えた。リンドブルム達の手には預かっていたヴリトラ達の武器が握られている。


「お前達!」

「・・・よいしょっ!」


 リンドブルムは持っていた森羅をヴリトラに向かって投げる。宙をクルクルと回る森羅はゆっくりとヴリトラの方へ落ちて行き、ヴリトラは飛んできた森羅を左手でキャッチした。リンドブルム達はヴリトラ達の前までやって来て馬から降りる。


「遅くなってゴメン」

「いや、グッドタイミングだったぜ」


 ヴリトラは左手に持つ森羅を見せながら笑い、それを見たリンドブルムも笑顔を見せた。ラピュス達もニーズヘッグ達から自分の武器を受け取り装備する。それから一同は一斉に正門前の広場に集まっているBL兵達を見て自分達の武器を強く握った。


「さて、これからどうするの?ヴリトラ」


 今後の動きについてヴリトラに訊ねるリンドブルム。ヴリトラは森羅を抜き、刀身を光らせながらBL兵達をジッと見つめる。


「奴等はきっと町に侵入した直後に一斉に散らばったはずだ。あの広場以外にも町のあちこちで暴れているに違いない」

「それじゃあ・・・」

「・・・分かれて町中にいるブラッド・レクイエムの連中を叩く!」


 ヴリトラの指示を聞いて一同は真剣な顔でヴリトラの方を見つめた。


「この広場にいる連中は俺とリンドブルムが引き受ける」

「OK!」

「ヴリトラ、私も手伝う!」

「・・・私も」


 広場のBL兵の相手をするヴリトラとリンドブルムに手を貸すとラピュスとラランが進言し、ヴリトラとリンドブルムは二人の顔を見て頷く。


「なら、残った俺達は町の方へ行くぜ?逃げ遅れた奴や敵を見つけて対処する」


 残ったジャバウォック達は住民と救助と町に移動した敵の排除に当たる事をヴリトラに話し、ニーズヘッグ達は一斉に武器を構える。


「よし、皆、油断するなよ?奴等が何の考えも無しに町を襲撃したとは考え難い」

「奴等が何か切り札を隠しているかもしれないって事?」


 ファフニールがギガントパレードを両手で握りながらヴリトラに訊ねた。周りにいるラピュス達もブラッド・レクイエム社が切り札を持っている可能性がある事に緊張を走らせる。


「あくまで可能性だ。だけど、絶対に油断するなよ?」

「へへっ、言われなくても分かってるって」

「そう言うお前も油断するな?」


 ジャバウォックとニーズヘッグが笑いながらヴリトラに言うと、ヴリトラも前を向いたまま小さく笑う。

 ヴリトラは森羅を両手で握り、遠くにいるBL兵を見ながら口を動かした。


「さてと・・・・・・それじゃあ、行動開始だ!」


 その言葉を合図にヴリトラ達は町を守る為に一斉に走り出す。ヴリトラ、ラピュス、リンドブルム、ラランは目の前の広場。ジャバウォック、ファフニール、アリサは町の西側。ニーズヘッグ、ジルニトラ、オロチの三人は町の東側へと走り出す。そして懲罰遊撃隊の騎士達もそれぞれ三つのチームの後をついて行った。

 森羅を握るヴリトラは広場に向かって全力で走り、リンドブルムもそれに続く。ラピュス達は少し遅れて二人の後を追い広場へ向かって走った。広場にいるBL兵達は自分達に向かって走って来るヴリトラ達に気付いてMP7を向ける。


「チッ!隠れろ、撃って来るぞ!」


 BL兵達を見たヴリトラは後ろを走っているラピュス達の方を向いて叫ぶ。ラピュス達は素早く近くの木箱や建物の陰に隠れ、ヴリトラとリンドブルムはそのまま走り続けた。そしてBL兵達は一斉にMP7を発砲する。ヴリトラとリンドブルムは大きく跳んでその銃撃を回避し少しずつ距離を詰めていった。BL兵達はMP7を撃ち続けて応戦するがリンドブルムは銃撃をかわし、ヴリトラは飛んで来る弾丸は森羅で弾き落として行く。


「正面から俺達を撃つなんて、ナメられたもんだぜ」

「まったくだね」


 簡単な言葉を交わしながら二人はBL兵達に近づいて行き、攻撃範囲に入った瞬間に二人は攻撃を開始する。ヴリトラは森羅で目の前にいるBL兵の持っているMP7を切り武器を奪うとそのままBL兵を斬った。仲間がやられたのを見て周りにいるBL兵はヴリトラに銃口を向けて攻撃しようとするが、そこを高くジャンプしているリンドブルムがライトソドムとダークゴモラで攻撃する。BL兵達は頭部を撃ち抜かれてその場に倒れた。


「!」


 また仲間が倒された事に驚くBL兵は跳び上がっているリンドブルムを撃ち落とそうとMP7を向ける。すると突然銃声が聞こえ、BL兵の二人が撃たれてその場に倒れる。一同が銃声のした方を向くと視線の先にはMP7を構えている懲罰遊撃隊の騎士の姿がある。そして、自分達に向かって走って来るラピュスとラランの姿がもあった。

 BL兵達はラピュスとラランを先に片づけようとするがヴリトラが攻撃してそれを阻止する。一度態勢を立て直そうとBL兵達は散開し、バラバラになったBL兵達を騎士達が銃撃した。BL兵達は騎士達の銃撃をかわしながら近くの物陰などに隠れる。その間にラピュスとラランは距離を詰めてヴリトラとリンドブルムの二人と合流した。


「大丈夫か?」

「あったりまえだろう?お前達こそ油断するなよ?」

「分かっている」


 笑いながらそう言うヴリトラにラピュスは小さく笑い返した。その時、体勢を立て直したBL兵達が物陰から姿を見せてMP7やベレッタ90で攻撃して来る。ヴリトラは素早くラピュスとラランの前に移動して弾丸を森羅で弾き落とす。突然の銃撃から自分達を守ってくれたヴリトラにラピュスとラランは一瞬驚きの顔を見せる。


「言っただろう?油断するなって?」


 二人の方を見ながらヴリトラがそう言うと、ラピュスはハイパワーを抜いて二時の方向を撃った。ラピュスの撃った弾丸は遠くにある木箱に命中し、その陰に隠れていたBL兵は驚いて奥へ引っ込む。どうやらBL兵はヴリトラを狙っていたらしく、ラピュスの銃撃でヴリトラは撃たれずに済んだのだ。

 自分がBL兵に狙われていた事とラピュスに助けられた事に今度はヴリトラが驚きの顔を見せる。


「そう言うお前もな?」

「・・・フッ」

「何だ?」

「いや、お前も最初の頃と比べたら随分頼もしくなったなってな?最初はBL兵を見てかなり動揺していたのに・・・」

「お前達と何度も奴等と遭遇して戦っていれば慣れるのは当然だ。それに、私達だって奴等との戦い方のコツは掴んだ」

「・・・足手まといにはならない」


 ラピュスとラランが自分達の成長をヴリトラに話すとヴリトラと会話を聞いていたリンドブルムはどこか嬉しそうに笑う。


「そうだな、悪かった」

「でも、慣れたからって調子に乗っていると足元をすくわれるよ?」

「・・・大丈夫」


 リンドブルムの忠告を聞いたラランは無表情で答え自分と突撃槍を構えた。ヴリトラ達が会話を終わらせると物陰からBL兵達が飛び出して来てMP7を撃つ。ヴリトラ達は素早くその場を走って銃撃をギリギリでかわす。銃撃をかわしたヴリトラとラピュスの前に二人のBL兵が立ち塞がる。その手には超振動マチェットとベレッタ90が握られており、ヴリトラとラピュスは森羅と騎士剣を構えてBL兵達を睨んだ。


「まったく、次から次へと、何人いるんだよ?」

「何人いようと関係ないだろう?」

「確かに、何人倒せば奴等が退却してくれるって訳でもねぇしな」


 全員倒さなければこの戦いは終わらない。ヴリトラとラピュスは自分達の武器を握りBL兵に向かって走り出す。BL兵達も超振動マチェットを握って二人に向かって行き、双方は刃を交える。刃が触れ合い火花と金属が削れる音が響き、激しい攻防が始まった。


「相変わらず凄い力だな、コイツ等は・・・」


 ラピュスはBL兵の超振動マチェットを騎士剣で止めながら呟く。騎士剣から腕に伝わって来る重さにラピュスは微量の汗を垂らす。そこへBL兵は更に腕に力を咥えてラピュスを押して行く。しかし、ラピュスも負けずと両腕に力を入れて持ち堪えていた。


「普通の人間だからと言って、機械鎧兵士には勝てないと思うのは大間違いだぞ!」


 叫ぶ様に言ったラピュスは素早くBL兵の腹部に蹴りを入れて態勢を崩した。そして左手でハイパワーを抜いてBL兵に向かって連続で撃つ。BL兵は態勢を崩しながらも超振動マチェットで弾丸を何とか弾くが、全てを弾く事はできずに数発を体に受けてしまう。しかもその殆どが急所に当たっていた。仰向けに倒れたBL兵は痛みに耐えながら持っていたベレッタ90をラピュスに向けて引き金を引こうとする。しかし、ラピュスはそうさせまいと騎士剣でベレッタ90を弾きBL兵の手から払い落とす。BL兵の最後の抵抗も虚しく、BL兵は動かなくなった。


「・・・この世界で自分達に対抗できるのはヴリトラ達だけだと思ったその甘さがお前の敗因だ。この世界にだって、お前達に勝つ事のできる戦士達がいる!」


 息絶えたBL兵にそう告げて騎士剣とハイパワーを下ろすラピュス。彼女は七竜将と戦った時と比べて確実に強くなっていた。

 ラピュスがBL兵を倒した光景をヴリトラは小さく微笑んで見ている。


「フフ、最初は必死で戦ってようやく一般兵を倒せたアイツが今では簡単に勝ちやがった。幹部クラスを倒した事で自信が付き、俺達との特訓で戦い方を学んだおかげかな?」


 まるで師の様にラピュスの成長を喜ぶヴリトラ。そんなヴリトラにBL兵が超振動マチェットで斬りかかって来た。しかしヴリトラは慌てる事無くBL兵の斬撃を森羅で防ぎ、素早く側面に回り込んでBL兵を斬り捨てる。BL兵を倒したヴリトラはラピュスの方を向いて左手の親指を立てて笑う。それを見たラピュスも小さく笑って頷いた。すると、二人の前にまた新たなBL兵が四人姿を現し超振動マチェットを構える。


「チッ!また来やがったか!」

「これは少し骨が折れそうだな・・・」


 自分達を囲むBL兵達を見てヴリトラとラピュスは互いに背中を向けて背後を守り合う。


「まだ行けるか?」

「当然だ。私だってレヴァート王国の姫騎士、簡単にへばる様な鍛え方はしていない」

「そんな事が言えるなら、まだ余裕だな」


 ラピュスの状態を見て笑うヴリトラは森羅を脇構えに持ち、ラピュスは騎士剣の柄を強く握る。すると近くで燃えている炎が集まり刀身を包み込む。ラピュスは騎士剣が気の力で炎の刃と化し力が格段に上がったのだ。


「さて、第二ラウンドと行きますか!」


 ヴリトラはラピュスの準備が整ったのを確認すると目の前で構えているBL兵達を見て戦闘再開を口にする。ラピュスも真剣な表情で騎士剣を握り、BL兵を見つめた。

 奇襲して来たブラッド・レクイエム社との戦いを始めるヴリトラ達。それぞれ分かれて町中に散ったBL兵達の対処に当たる七竜将と懲罰遊撃隊。果たしてワズロの町を守れるのだろうか。


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