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機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第八章~消えていく隣国の剣~
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第百六十三話  幹部戦開始! 悪魔を迎え撃つ四本の剣


 デーモン隊のBL兵を全員倒し、残るはデーモン一人となる。ヴリトラ達は無慈悲なデーモンの冷酷さに怒りを抱いて剣を強く握り、遂にデーモンとの直接対決が始まろうとしていた。

 火焔剣を片手に持ち、羽織っているフード付きマントを脱ぎ捨てるデーモン。マントの下からは黒と赤の特殊スーツと機械鎧化している両腕と両足が現れ、ヴリトラ達は警戒を強くする。


「さて、さっさと始めるぞ。まずはお前達四人を血祭りに上げてから残りの連中を消す事にする」

「一人で俺等四人を一度に相手にするつもりか?」


 ジャバウォックはデーモンを見て低い声を出しながら訊ねる。一人で四人を相手にし勝つ気でいるデーモンにジャバウォックは腹を立てているのだ。


「ああ、俺はめんどくさがり屋なのでな。それにお前等程度なら四対一でも簡単に始末できる。七竜将の主戦力とも言えるお前等を倒せば後は楽なものだ・・・まぁ、約一名例外の奴もいるがな?」


 デーモンはヴリトラ達の中で騎士剣を握りながら自分を見ているラピュスを小馬鹿に擦るように言った。


「ムッ・・・!」

「完全に俺達をナメてやがるな」

「・・・二人とも、落ち着け。怒りに飲まれると冷静な判断ができなくなる」


 ラピュスとヴリトラは自分達を小物として見ているデーモンを睨み付け、ニーズヘッグは怒りを露わにする二人を宥める。


「・・・あまり相手を見くびっていると後で後悔する事になるぞ?それに今お前が例外と言った姫騎士はお前の仲間であるメリュジーヌを一人で倒した実力者だ」

「ほほぉ?メリュジーヌを倒したのはその小娘だったのか。この世界に生身で機械鎧兵士に勝つ奴がいるとは驚いた・・・しかしメリュジーヌは所詮小物。俺はアイツやドリアードとは格が違うのだ」

「・・・どこまでも相手を軽く見る野郎だな」


 あくまでも七竜将やラピュスは自分より弱いと考えてるデーモンを見てニーズヘッグは呆れる様な声を出す。


「待ってくれ!」


 ヴリトラ達が会話をしていると、四人の背後からカイネリアの声が聞こえてヴリトラ達は振り返る。カイネリアは騎士剣を握りヴリトラ達に近づいて行く。その右大腿部には包帯が巻かれており、銃創の手当てが施されている。


「カイネリア・・・」

「・・・私も共に戦う」


 ヴリトラ達と共にデーモンと戦うと言い出したカイネリア。その後ろからジルニトラが走って来る姿が見えた。


「ちょっと、あまり動いちゃダメよ!手当てしたばかりなんだから」

「私は大丈夫だ。それよりも部下達の手当てをしてくれ」

「そっちはもう終わったわ。いいから大人しくしてなさい」

「できるか!部下が傷つけられ、同志が殺されたのだぞ?それを黙って見過ごすなど・・・」


 ジルニトラの制止を振り切り、部下やマービング達の仇を討とうとデーモンに戦いを挑もうとするカイネリアをヴリトラ達はジッと見つめている。すると、ジャバウォックがデーモンの方を向いてデュランダルを構えた。


「コイツは俺達が倒す。ジルニトラの言うとおり、アンタは休んでろ」

「私はセメリト王国の姫騎士だ。仲間を殺されて何もせずに指を咥えて見ているなどできん!」

「その足じゃ戦うどころかまともに動く事もできないだろう?そんな状態で戦っても自ら殺してもらう様なものだ」

「へ、平気だ!こんなの痛みの内にも入らない・・・」


 そう言いながらも足から伝わる痛みに表情を歪ませるカイネリア。それを見たジルニトラは呆れ顔を見せる。


「ほら見なさい。ここはヴリトラ達に任せてアンタは兵士の人達と休んでいなさいよ」

「できん!敵の一人でも倒さないと死んだ者達が浮かばれぬ!」


 意地でも戦おうとするカイネリアにジャバウォックはイライラしだしたのか少し力の入った声を出した。


「いい加減にしろ、怪我をした状態で自分よりも強い相手に戦いを挑むのはバカのやる事だ!」

「な、何を・・・」

「それに、もしアンタが死んだらハーパーはどうなる?妻を失ったアイツがどんな思いをするかお前は考えたのか?」

「・・・!」


 ジャバウォックの口から出た夫の名前にカイネリアは思わず言葉を止める。周りのヴリトラ達もジャバウォックの方を向いて意外そうな顔で驚いていた。


「自分の知らない間に愛する者が死んだと聞かされた時、アイツはどんな思いをすると思う?自分が死ねば周りの人間がどれだけ悲しむのか考えたのか?」

「・・・私もアイツも騎士だ。ハーパーも私が何時かは戦場で命を落とす事を覚悟している。だから・・・」

「だから迷わず自分を危険な目に遭わせて死ねるって言うのか?」


 更に声に力を入れるジャバウォック。カイネリアはそんなジャバウォックの事なに何も言えず目を逸らした。周りでヴリトラ達がジャバウォックに注目している中、彼は話を続ける。


「アンタ達騎士の誇りや生き方とかは俺は知らん。だがこれだけは言える・・・自ら命を落とす様な行為をする奴はただの大バカだって事だ。自分が死ねば残された家族や恋人がどう思うかなど考えず、ただ自分の生き方を貫き通すだけのバカ。ただそれだけだ」

「な、何だと!?貴方は傭兵だ、騎士の生き方に文句をつける資格などないだろう!それにハーパーだって私が騎士として命を落とす可能性があると理解している!」

「口では理解していると言ってたかもしれないが、心の中ではどう思ってるのか知っているのか?」

「え?」

「アンタは、旦那の本心を知っているのかと聞いているんだ?」

「ハーパーの、本心・・・?」


 ハーパーが本当はどう思っているのか、本当の騎士としての誇りを貫いてほしいと願っているのか、カイネリアは俯き考え込んだ。カイネリアは過去に自分が命を落とすかもしれない危険な任務に出発する日、ハーパーに見送られた時の事を思い出す。その時、ハーパーは自分の手を握り笑って送り届けてくれた。だが、その手には力が入っており、まるで「行かないでくれ」と伝える様な感じがしたのだ。それを思い出したカイネリアはフッと顔を上げて驚きの表情を浮かべ、本当はハーパーは自分の事を心の底から心配し、死んでほしくないと願っている事に気付く。

 ジャバウォックは振り返り、カイネリアの表情を見て彼女が大切な事に気付いたと確信し、小さく笑いながらデーモンの方を向く。それを見ていたヴリトラ達はジャバウォックがハーパーに自分と同じように家族を失う悲しみを味あわせたくないと考えてカイネリアを止めたのだと気付いた。


「・・・分かった、今回は貴方の言うとおりにしよう」


 折れたカイネリアはジルニトラに連れられてリンドブルム達の下へ戻って行く。二人が去ったのを確認したヴリトラ達もジャバウォックと同じようにデーモンの方を向いて武器を構える。ヴリトラ達のやり取りを見ていたデーモンは四人を見ながら嘲笑いをした。


「フフフフフ、やっと茶番は終わったか?」

「茶番なんかじゃねぇ!・・・まぁ、話している最中に攻撃をせずに黙って見ていた事は褒めてやる」

「フン、お前等など不意打ちをする事無く倒す事ができる力を俺は持っているのだ」


 火焔剣を片手で持ったまま構えたデーモンを見て四人も武器を構え直す。そのまま睨み合う双方を遠くからリンドブルム達は見つめていた。


「・・・大丈夫なんですか?隊長達」

「心配ないですよ。いくら幹部クラスと言えどあの四人なら大丈夫、僕はそう信じてるから」

「・・・隊長は機械鎧兵士じゃない」

「うん、でも今のラピュスの実力は一般のブラッド・レクイエムの幹部クラスに負けない位だから・・・それに、ヴリトラがついてるしね」


 心配するアリサとラランをリンドブルムが笑いながら安心させる。そんな風に見守れている中、ヴリトラ達の方にも動きが見えた。

 武器を構えているヴリトラ達にデーモンは左手で何かを投げつけた。四人は自分達の剣で投げつけられた物を弾き落とす。そして足元に小さなナイフが四本落ちているを見つける。


「投げナイフ?こんな物が俺達に・・・」


 ヴリトラが落ちているナイフを見ていると、ナイフの柄の部分に小さなランプが付いており、それが赤く点滅している事に気付いた。それを見たヴリトラ、ジャバウォック、ニーズヘッグは殺気を感じ取り、顔の緊張を走らせる。


「マズイ!」


 咄嗟にジャバウォックは声を上げてその場から大きく横へ跳び、ニーズヘッグも素早く跳んだ。ヴリトラはラピュスを抱き寄せて二人より少し遅れた後に跳んでその場から移動する。その直後、落ちていた四本のナイフが一斉に爆発した。


「な、何だ!?」


 ラピュスは突然爆発したナイフに驚き声を上げる。回避に成功したヴリトラはゆっくりとラピュスから離れて爆発した方向を見た。ジャバウォックとニーズヘッグも離れた所で同じように爆発を見ている。


「爆薬を仕込んだ投げナイフだ。しかも時限爆破式の・・・」

「まずは相手の陣形を崩す事が重要だ!」

「「!」」


 頭上から聞こえてくるデーモンの声にヴリトラとラピュスは反応して上を見る。そこには炎を纏った火焔剣を振り上げて降りて来るデーモンの姿があった。


「チッ!」


 真上から攻撃して来るデーモンを見てヴリトラは素早く森羅を構える。デーモンは落下しながら火焔剣をヴリトラに向かって振りおろし攻撃する。ヴリトラはデーモンの斬撃を森羅を横にし、左手で森羅の峰を押さえて頭上からのデーモンの攻撃を止めた。


「ぐうぅ!」

「ほぉ?機械鎧の腕による重い振り下ろしを止めても折れんとは、なかなかの業物だな、その刀は?」


 笑いながら森羅を褒めるデーモンと彼の一撃を止めて両腕から全身に衝撃と重さが伝わり歯を食いしばるヴリトラ。そんな二人の真横にいたラピュスは騎士剣でデーモンに攻撃を仕掛ける。それを見たデーモンは両足が地面に付くと素早く地を蹴り、大きく跳んでラピュスの斬撃をかわした。


「ヴリトラ、大丈夫か?」

「ああ。しっかし、重い一撃だった。右手が少し痺れる・・・」


 ヴリトラは森羅を左手に持ち替えて右手の手首を振りながら痺れを取ろうとする。デーモンは二人から数m離れた所に着地してヴリトラとラピュスをジッと見つめた。


「チッ、いいところで邪魔をしおって。まずはあの小娘から始末するか・・・」

「そんな事させねぇよ!」


 ラピュスは先に殺そうと考えたデーモンの背後からデュランダルを両手で持ち攻撃を仕掛けるジャバウォック。デーモンは後ろを向くと軽く後ろに跳んでジャバウォックの斬撃をギリギリでかわす。


「俺の背後に回り込むとは、図体の割には素早いな?」

「テメェなんかに褒められても嬉しかねぇよ!」


 距離を取ろうとするデーモンにデュランダルで突きを放ち追撃するジャバウォック。デーモンはデュランダルの切っ先を火焔剣で払い、左腕をジャバウォックに向けて突き出した。すると左腕の機械鎧の後前腕部の装甲が開き、中から機銃が姿を見せる。

 機銃を見たジャバウォックは驚き、咄嗟に左へ走り出す。そんなジャバウォックにデーモンは機銃を連射し攻撃する。無数の弾丸はジャバウォックの足元に当たったり、体の近くを通過するなどして襲い掛かる。


「フフフフ、何時まで持つかな?足を止めた瞬間に蜂の巣だぞ?」

「ヘッ!お前こそ、あんまり調子に乗らない方がいいぜ?」

「何?」


 笑いながら言うジャバウォックにデーモンは低い声を出す。すると突如デーモンの左側面からニーズヘッグは現れ、アスカロンを鞭状にして攻撃を仕掛けてきた。デーモンはそれに気づいてアスカロンの刀身を火焔剣で弾いて防ぐ。攻撃を防がれたニーズヘッグは舌打ちをしながらアスカロンの刀身を元に戻す。そんなニーズヘッグにデーモンは内蔵機銃を向けて発砲する。ニーズヘッグは弾丸をアスカロンで全て弾き銃撃を防ぐ。

 デーモンがニーズヘッグに攻撃をしていると、今度はヴリトラとラピュスがデーモンの左右に回り込んで挟み撃ちにする。ヴリトラは左から、ラピュスは右から同時にデーモンに斬撃を放つがデーモンは銃撃をやめると素早く右手に持っている火焔剣を左手持ち替え、火焔剣で森羅を止め、騎士剣を機械鎧の腕で止める。


「バカな!あの状態で私達の攻撃を防ぐだと!?」

「大した反応速度だ・・・!」


 自分達の斬撃をアッサリと止めたデーモンに驚くラピュスとヴリトラ。デーモンはそんな二人を交互に見ながら笑う。


「俺が戦っている最中に目の前の敵だけしか見ていないと思ったか?一人で戦っていても常に全ての敵の事を頭に入れて俺は戦っている!」

「成る程、偉そうな事を言うだけに事はあるって訳だ」

「・・・さて、今度はこちらが仕掛けさせてもらうぞ!」


 デーモンは火焔剣と腕を押して二人を突き飛ばし態勢を崩した。そのまま火焔剣を横にして勢いよく体を回転させる。二人は自分の剣を縦に持ちデーモンの回転切りを防ぐが、体勢を崩した状態で防いだ為に力を抑えきれず、ヴリトラは片膝を付き、ラピュスは仰向けに倒れてしまう。デーモンはヴリトラに内蔵機銃を向け、ラピュスに爆薬仕込みの投げナイフを投げつけようとした。すると二人の前にそれぞれジャバウォックとニーズヘッグが入り、今度は二人がデーモンを挟む形になる。


「・・・チッ!」


 ジャバウォックとニーズヘッグの登場にデーモンは鬱陶しそうな顔で舌打ちをして大きく後ろへ跳び、体勢を立て直す為に四人から距離を取った。離れたデーモンを見ながらデュランダルとアスカロンを構えるジャバウォックとニーズヘッグ。ヴリトラとラピュスも二人の隣で立ち上がって態勢を直す。


「大丈夫か?二人とも」

「ああ、助かったよ」

「すまない」

「にしてもアイツ、予想以上にやりやがるな・・・」


 ジャバウォックは火焔剣を右手に持ち直して余裕の態度を見せるデーモンを睨み、ヴリトラ達も武器を構えながらデーモンを見つめた。


「アイツは俺達の行動パターンを完全に把握してやがるな」

「だとしたら厄介だな。俺達の戦いを知ってるんなら、こっちがどう攻撃しても奴等は簡単にかわしたり反撃してくるって事になる」

「それじゃあ、私達には打つ手がないって事なのか?」

「そんな事はねぇよ」


 危機感を感じたラピュスが汗を垂らしながら訊ねるとジャバウォックがデュランダルの柄を強く握って口を動かす。


「奴等は俺七竜将の行動パターンを把握しているだけだ。ラピュス、お前のパターンまでは把握していない」

「え?」

「つまり、行動の分からないお前と一緒に戦えば俺達の動きにも僅かな違いが生まれる。奴もそこまでは把握できていないはずだ」

「と言う事は、奴を倒す鍵はラピュスになるって事だな」

「わ、私に?」


 ラピュスがヴリトラから自分が勝利の鍵だと聞かされて戸惑いを見せる。ヴリトラはニッと笑いながらラピュスの方を見た。


「あまり深く考えるな。いつも通りに戦えばいいんだよ。チャンスは俺達が見つける、お前は奴を倒す事だけを考えていればいい」

「あ、ああ・・・」


 ヴリトラ達を見ながら若干不安の残った表情で頷くラピュス。四人の会話を眺めていたデーモンは火焔剣をクルクルと回しながら話に割り込んだ。


「おい、何時まで作戦を立てている気だ?俺は気が短い、あまり待たせるとお前達より先に遠くで戦いを眺めている連中を先に消すぞ」


 デーモンはリンドブルム達を先に始末すると言ってヴリトラ達の注意を引く。四人も仲間が襲われると言われ、話し合いをやめるとデーモンを見て鋭う視線を向けた。


「とにかく、今はアイツと戦いながらアイツの隙を見つけるんだ。そこから逆転の手を考える、それで行くぞ!?」

「分かった!」

「おう!」

「了解だ」


 ヴリトラの言葉にラピュス、ジャバウォック、ニーズヘッグがそれぞれ返事をする。そして四人が一斉にデーモンへ向かって走り出した。

 四人が横に並んで走っている中、ニーズヘッグが右腕の機械鎧から内蔵機銃を出してデーモンに向かって発砲する。デーモンは火焔剣に再び炎を纏わせて弾丸を弾いて行く。ニーズヘッグがデーモンの動きを封じている間にヴリトラ達は徐々に距離を縮めて行き、ヴリトラとジャバウォックがデーモンの左右に回り込んだ。


「また左右からの攻撃か・・・」


 さっきと同じパターンで攻撃を仕掛けて来るヴリトラ達に呆れるデーモンは銃撃を防ぎながら右から迫って来るヴリトラと左から迫って来るジャバウォックを警戒する。二人が一定の距離まで近づくと、デーモンは左足の膝関節の装甲を動かしてロケット弾をニーズヘッグに向けて発射した。向かって来るロケット弾を見たニーズヘッグは驚き、内蔵機銃を撃つのをやめて高くジャンプしロケット弾を回避する。そしてニーズヘッグの銃撃が止み動けるようになったデーモンは再び後ろに跳んでヴリトラとジャバウォックから離れた。


「しまった!」

「アイツまた!」


 また自分達から離れたデーモンに悔しさを感じるヴリトラとジャバウォック。そんな二人にデーモンは後ろに跳んだまま笑って自分の内蔵機銃を二人に向けて発砲しようとしたその時、突然デーモンの背後からラピュスが現れた。


「何?」

「ハアアアァッ!」


 いきなり背後から現れたラピュスに驚くデーモン。ラピュスはそんなデーモンに袈裟切りを放った攻撃を仕掛けようとするが、デーモンは跳んだ状態で強引に体の向きを変え、火焔剣でラピュスの騎士剣を止める。


「小娘、何時の間に俺の後ろに・・・!?」

「ヴリトラ達がお前の注意を引くつけてくれた時にだ!」

「クウゥ、おのれぇ!」

「お前は戦っている最中は常に全ての敵の事を頭に入れているのではなかったのか?」

「グゥ~~!」


 ラピュスの挑発にデーモンは歯を食いしばる。ラピュスの騎士剣とデーモンの火焔剣がぶつかり合い、周囲に熱気を広げ、その中で二人は睨む合った。

 四対一という有利な状態で戦っているにも関わらずデーモンに押されているヴリトラ達。デーモンはどれ程の実力を持っているのか、そして四人はどうやってデーモンに反撃するのか、ヴリトラ達の戦いはこれからだった。


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