第百五十四話 空から来た救いの竜 リンドブルムとオロチ!
カイネリア達とセメリト王国の首都レイグリーザに向かうヴリトラ達は途中にある荒野でしばしの休息を取っていた。そんな中、荒野の中を馬に乗って走る騎士隊とそれを追うブラッド・レクイエム社のジープを発見する。七竜将は騎士達を助ける為に自動車を走らせて高台を下りて行き、ラピュス達もそれに続くのだった。
荒野のど真ん中で馬を全力で走らせながらブラッド・レクイエム社から逃げているセメリト王国の騎士隊。人数は隊長と思われる茶色い短髪をした二十代後半の青年の騎士と二人の男性騎士に一人の女性騎士の計四人だった。馬が走る度に砂煙が上がり、荒野を猛スピードで真っ直ぐ走っている。
「もっと早く走れ!追いつかれるぞ!?」
「隊長、これ以上は無理です!」
「諦めるな!」
先頭を走る隊長が自分の後ろを走る男性騎士と大声で会話をしながら馬を走らせる。その二人の後ろをもう一人の男性騎士と女性騎士が走っており、二人は馬を走らせながら振り返った。約10m後ろを黒いジープが二台走り騎士達を追いかける。一台のジープにBL兵が四人ずつ乗り、合計八人のBL兵達が逃げる騎士達の背中をジッと見ていた。
「い、一体何なんだよアイツ等!?突然現れたと思ったらいきなり襲い掛かって来て、隊の兵士達を全員殺しやがった!」
「きっと、最近国中で騎士隊を襲って騎士達を連れ去っているっていう連中よ!」
男性騎士と女性騎士が追いかけて来るBL兵達を見ながら最近セメリトで仲間達を襲撃している犯人だと気付く。そんな騎士達を見てジープの後部座席に座っていたBL兵の一人がゆっくりと立ち上がり、ジープに取り付けられているミニミを構え逃げる騎士達に狙いを付けた。
「おい、アイツ等またあの見た事のない武器で俺達を狙ってるぞ!」
「そんな!・・・隊長!」
BL兵がミニミで自分達を狙っている事に気付いた男性騎士は声を上げ、女性騎士は先頭にいる隊長に知らせた。隊長ともう一人の男性騎士も振り返りBL兵達を見て緊張を走らせる。
「クッ!マズイ、固まったら全員やられる!皆、散り散りになれぇ!」
隊長は仲間達に指示を出し、四人は一斉にバラバラに散らばる。これで全員が一斉に攻撃を受ける事もない、隊長である青年はそう確信していた。だが、彼等はブラッド・レクイエム社を甘く見過ぎていたのだ。ミニミを構えたBL兵が男性騎士に狙いをつけ、助手席に座っていたBL兵がMP7で別の方角に逃げたもう一人の男性騎士と女性騎士を狙った。そして彼等は騎士達を狙い引き金を引く。ミニミとMP7の銃口から吐き出された弾丸は真っ直ぐ騎士達の乗る馬に命中、撃たれた馬達はその場に倒れてしまい騎士達は馬が倒れた拍子に落ちて地面に叩きつけられる。
「皆!」
部下の騎士達が倒れた姿を見て思わず声を上げる隊長。そんな隊長の馬にもミニミが火を吹き、弾丸が馬の体に銃創を作る。馬が痛みに鳴き声を上げて倒れてしまう。
「ぐわあぁ!」
馬が倒れて地面に落ちる隊長。騎士達が全員倒れたのを確認したBL兵達は騎士達の近くにジープを止める。BL兵は全員武器を手に取りジープから降りた。MP7を構えながら倒れている騎士達に近づいて銃口を騎士達に向けて動きを完全に封じる。銃口を向けられた騎士達は銃器の恐ろしさに何もできずにただ自分達を見下ろしているBL兵達を見た。
BL兵の一人が隊長の近づき、MP7を隊長に向けながら片手でフルフェイスマスクの側面に付いている小さなボタンを押す。
「こちら第七班。隊長、逃走した騎士四名を確保しました」
BL兵が誰かと話す様に喋りだし、それを見た隊長や騎士達は警戒しながら不思議に思う。どうやらさっきの小さなボタンは通信機のスイッチの様だ。BL兵が喋った直後、フルフェイスマスクの中から低い男性の声が聞こえてくる。
「ご苦労、そのまま例の場所へ迎え。騎士達は全員連れて来い」
「分かりました」
「あまり抵抗するようなら殺しても構わん。あくまでも必要なのはソイツ等の『体』なのだからな」
「了解」
隊長と思われる男との通信を終えたBL兵は通信を切り騎士達を見る。八人のBL兵がそれぞれ自分達の前で倒れている騎士を立たせて乗せようとする。BL兵に立たされた女性騎士が抵抗しようと体を動かすとBL兵が女性騎士の背中を腕で叩く。女性騎士はその場に俯せに倒れた。
「やめろ!部下に手を出すな!」
女性騎士に暴力を振るBL兵に向かって声を上げる隊長。そんな隊長の近くにいたBL兵がMP7を向ける。BL兵が倒れている女性騎士の腕を掴み、起き上がらせようとし、周りでも他のBL兵達が男性騎士達を無理矢理立たせ、隊長も同じように立たされた。
「・・・お前達は何者だ?なぜ我々を攻撃する!?」
「・・・・・・」
隊長の質問に答えようとしないBL兵は他のBL兵達に合図を送り、騎士達をジープへ乗せようとする。抵抗もできず、覚悟を決めた騎士達。すると、何処からか銃声が聞こえ、それと同時に女性騎士の腕を掴んでいるBL兵が頭を撃たれて倒れる。
「な、何だ!?」
突然の銃撃にBL兵達は驚いて周囲を警戒する。するとBL兵の一人が空から自分達の方に向かって飛んで来るオロチと背中に乗っているリンドブルムを見つけた。リンドブルムはライトソドムを片手で持ち、BL兵達を狙っている。
「奴等のど真ん中で降りるぞ・・・」
「分かった」
オロチとリンドブルムはBL兵達を見ながら徐々に高度を下げて行く。そしてオロチはBL兵達の真ん中に着地し、リンドブルムもオロチの背中から飛び下りた。BL兵達は突如空から下りて来たリンドブルムとオロチに驚きながらMP7を構え、騎士達も空からやって来た二人を目を丸くしながら見ている。
「・・・ブラッド・レクイエムがこの国にまで来るとはね」
「何処から現れるのかも分からん、まさに神出鬼没な連中だ・・・」
自分達と取り囲むBL兵達をチラチラと視線を動かして見回すリンドブルムとオロチはライトソドムとダークゴモラ、斬月を構えた。
武器を構えた二人を見てBL兵達はMP7や超振動マチェットを握りながら更に警戒心を強くする。すると、BL兵の一人が二人の顔を見てふと反応した。
「おい、コイツ等七竜将だぞ!」
「何?コイツ等が?」
「ああ、間違いない。七竜将のリンドブルムとオロチだ!」
仲間の口から出た七竜将という言葉に他のBL兵達は驚く。ブラッド・レクイエム社にとって七竜将は危険人物としてリストアップされている。幹部以外の一般兵士でも知ってて当然だった。オロチは無表情だが、リンドブルムは自分が意外と知られている事に少し驚いている。
「おい、どうする?」
「決まってるだろう、始末するんだよ!コイツ等を消さないとこの騎士達を連れて行けないんだしな!」
BL兵達はリンドブルムとオロチの目的た自分達の邪魔をする事だとすぐに気付いて二人にMP7を向ける。リンドブルムとオロチは互いに背中を向けて自分達を取り囲むBL兵達を視界に入れた。これで背後から攻撃を受けるような事は無くなる。
「七人かぁ・・・どう思う?」
「・・・問題ない・・・」
リンドブルムの問いかけにオロチは静かに答え、そのまま勢いよくジャンプする。高く跳び上がったオロチを追う様にBL兵達は見上げMP7の銃口を向けた。だがそこへリンドブルムがライトソドムとダークゴモラで攻撃する。リンドブルムの前にいた二人のBL兵は額を撃ち抜かれて仰向けに倒れ、仲間がやられたのを見た他のBL兵達はリンドブルムの方を向きMP7を発砲。リンドブルムは咄嗟に横へ跳んで銃撃を回避した。
「おっとっと!」
驚いたかのように声を出すリンドブルムはBL兵達の方を向きライトソドムで反撃する。だがBL兵達もリンドブルムの銃撃をかわして走りながらリンドブルムにMP7を撃ち返した。荒野の地を走るリンドブルムの足元に弾丸は当たり小さな砂煙を上げる。リンドブルムは銃撃に怯む事なく走り続けた。
「チッ!ちょこまかしやがって!」
走り回りリンドブルムにイライラするBL兵。その頭上では跳び上がったオロチがBL兵を見下ろしている姿があった。BL兵は足元に写るオロチの影に気付いてフッと上を向いた。
「私を忘れるな・・・」
そう呟いたオロチはBL兵に向かって下りて行き、斬月を振り下ろした。それを見たBL兵は驚き咄嗟に後ろへ跳んでオロチの斬撃を回避した。
「チッ・・・」
攻撃をかわされて舌打ちをするオロチ。そんなオロチの背後数m離れた位置では二人のBL兵がMP7でオロチを狙っている。BL兵達が引き金を引こうとした瞬間、オロチは180度回転し、背後から自分を狙っているBL兵達に斬月を投げた。回転する斬月はBL兵達の方へ飛んで行き、二人のBL兵の体を切り裂いた。BL兵達は何もできずにその場に倒れて動かなくなる。そして斬月はオロチの手の中に戻り、オロチもゆっくりと立ち上がった。
「私を背後から撃とうなど十年早い・・・」
鋭う目で倒れているBL兵にささやくオロチ。これで残りのBL兵は三人となった。
オロチが二人のBL兵を倒したのを見たリンドブルムは走りながら小さく笑う。
「これならヴリトラ達が来る前に片付いちゃいそう」
そんな余裕の表情を見せるリンドブルムにBL兵が走りながら追いかけ、背後からMP7を撃ってくる。リンドブルムはジグザグに走り銃撃を回避し、隙があれば二丁の愛銃で反撃した。しかしBL兵もリンドブルムの銃撃を左右に動いて回避する。
「やっぱり走った状態で後ろを撃っても当たる確率は低いかぁ・・・」
リンドブルムは命中率の低さを考えて後ろにいるBL兵を撃つのをやめると走る速度を上げてBL兵から距離を作る。それを見てBL兵も走る速度を上げて追いかけた。リンドブルムはBL兵が追いかけて来るのを確認すると、前を向いて大きな岩を見つける。そしてその岩目掛けて真っ直ぐ走り出す。
「・・・よし、やってみようか!」
何か作戦を思いついたのかリンドブルムは微笑んで岩に向かって走り続ける。そんなリンドブルムを追い掛けながらBL兵はMP7を撃ち続ける。銃撃を回避しながら岩へと走って行くリンドブルム。やがて岩の2m前まで近づいたリンドブルムは地を蹴り岩に向かって跳んだ。すると今度は岩を蹴り、その反動で更に高くジャンプしBL兵を見下ろす形になった。
BL兵はさっきまで逃げていたリンドブルムが高く跳び上がって自分を見下ろす態勢に入った事に驚きを見せて思わず立ち止まる。そんな驚いているBL兵にリンドブルムはライトソドムを向けた。
「一瞬の動揺が生死を分けるんだよ?」
真面目な表情でそう言ったリンドブルムは引き金を引く。弾丸はBL兵の体に命中しBL兵は仰向けに倒れた。跳び上がったリンドブルムはゆっくりと降下して倒れているBL兵の足元に着地する。
「これで後は二人」
リンドブルムは残りのBL兵の方を向くと、オロチがMP7と超振動マチェットを構えている二人のBL兵と向かい合っている姿を見つけた。
斬月を構えるオロチと向き合うBL兵の中一人はMP7、もう一人は超振動マチェットを構えている。そんなBL兵達をオロチは無表情で見つめていた。
「・・・どうした、来ないのか・・・?」
オロチは目の前で構えているだけのBL兵達を見て静かに口を動かす。BL兵達はオロチを警戒しているのか武器を構えたまま動こうとしない。そんなBL兵達に痺れを切らしたのか、オロチは小さく溜め息をつき、BL兵達に向かって走り出した。MP7を持つBL兵は走って来るオロチに驚きMP7を発砲する。オロチは飛んで来る弾丸を華麗にかわして距離を縮めて行く。そんなオロチに超振動マチェットを持つBL兵が向かって行きオロチに袈裟切りを放った。オロチは迫って来る刃を斬月で軽々と弾き反撃する。斬月の刃はBL兵の体に大きな切傷を作り、BL兵はその場に崩れ落ちた。
仲間を倒されて動揺を見せる最後のBL兵は思わずMP7を下ろす。そんなBL兵にオロチは視線を向けて走り出した。BL兵は今度は自分に向かって来るオロチに向かって再びMP7を発砲する。オロチは身長と同じくらいの大きさの斬月を軽々と操り全ての弾丸を弾いていく。そしてオロチはBL兵の目の前まで来ると斬月を勢いよく真上から振り下ろした。BL兵は素早く逃げの態勢に入り後ろへ跳んで振り下ろしを回避する。
「甘い・・・」
冷たく鋭い言葉をBL兵に言い放つオロチはBL兵に向かって斬月を投げつけた。回転しながら飛んで行く斬月はBL兵の体を切り裂き、MP7も粉々に砕く。斬月はオロチの手の中に戻り、オロチは目を閉じてゆっくりと深呼吸をする。荒野にはオロチとリンドブルム、そして四人の騎士だけが残り、ヴリトラ達が来る前に戦いは終わってしまった。
「終わっちゃった。いくら機械鎧兵士と言えど、雑魚八人なら僕とオロチの二人だけで十分だったか・・・」
戦いが終わるのと同時にリンドブルムはライトソドムとダークゴモラをホルスターにしまい、座り込んでいる騎士の隊長の下へ歩いて行く。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・誰だか知らないが、心から感謝する・・・」
目の前で礼儀正しくする少年を見て隊長は目を丸くしたまま礼を言いゆっくりと立ち上がった。リンドブルムも隊長の体を見てどこも怪我をしていない事を確認すると微笑みを見せる。他の騎士達も立ち上がったリンドブルムと彼の方に歩いて行くオロチを見つめていた。
「リンドブルム、ヴリトラ達が来たぞ」
「ん?」
リンドブルムはオロチの方を見た後に遠くからこちらに向かって来るジープを見つける。ジープには運転するジャバウォックと後部座席に移って取り付けられているミニミを構えるヴリトラの姿があった。ジープはリンドブルム達の近くで停車し、騎士達はジープに乗ったヴリトラとジャバウォックを見て警戒する。色違いとは言え、自分達を襲った連中が使っていた物と同じジープに乗っているのだから、警戒するのは当然だった。
「大丈夫か?」
「うん、見ての通り」
ジープから降りたヴリトラがリンドブルムとオロチの前までやって来て周囲を見回し、倒れているBL兵達の遺体を目にし頭をボリボリと掻く。
「何だ、終わっちまったのか。折角急いで来たのに・・・」
「ハハハ、俺達の出番は無かったな」
運転席で笑いながらヴリトラに言うジャバウォック。リンドブルムも笑っており、オロチは目を閉じて黙っていた。そんな二人の後ろで騎士達はヴリトラ達を警戒している。
「お?・・・どうやら騎士の人達も無事だったようだな?」
「うん、皆掠り傷程度の怪我をしてるだけで、大きな傷は無いよ」
「そっか・・・ところで、何だかすっごく警戒している様に見えるんだけど」
自分達をジッと見つめる騎士達を見てヴリトラとリンドブルムは不思議そうな顔を見える。ジャバウォックもジープから降りて騎士達を見つめ、オロチは目を閉じた無表情のままだった。
「・・・貴方達は何者なのですか?なぜあの連中と同じ鉄の馬に乗っているのです」
隊長がヴリトラ達を警戒しながら尋ね、ヴリトラがそれに答えようとした時、遠くからニーズヘッグ達の乗るバンとラピュス達が走って来た。
「ラピュス達が来たぞ・・・」
片目を開いてラピュス達の方を見るオロチが教えるとヴリトラ達はラピュス達の方を向く。バンとラピュス達が乗る馬がヴリトラ達のジープの前で止まり一斉に馬やバンから降りてヴりオラ達の下へ駆け寄った。
「ヴリトラ、無事か?」
「ああ。と言うか、俺とジャバウォックが着いた時にもう戦いは終わってた」
「何?二人だけで倒してしまったのか?」
ラピュスの質問にヴリトラは苦笑いをしながら頷く。ニーズヘッグ、ジルニトラ、ファフニールは小さく笑ってヴリトラ達を見ていたが、ラピュス達懲罰遊撃隊は「流石は七竜将」と言いたそうに驚いている。
「ところで、追われたいた騎士の人達は無事ですか?」
「・・・皆いるの?」
アリサとラランがヴリトラ達の後ろにいる騎士達を覗き込むながら訊ねた。追われたいた騎士達はヴリトラ達に続いて大勢の騎士達が来た事でまた驚いたのかポカーンとラピュス達を見ていた。
騎士達が驚いていると遠くからカイネリア達セメリト騎士隊が遅れて到着しヴリトラ達の近くで馬を止める。
「な、何という速さだ・・・追いつく事もできなかったとは・・・」
「カイネリア殿、大丈夫ですか?」
「ああ、問題ありません・・・・・・ところで、騎士達を追っていた敵は・・・」
カイネリアが馬に乗りながら周囲を見回すと、あちこちで倒れているBL兵達の遺体を見つけて目を見張って驚く。
「な、何だ、あの倒れている連中は・・・?」
「あれが最近この国で騎士達を襲っている者達ですよ」
「あ、あの者達が・・・」
ラピュスから騎士達を襲った者達だと聞かされてカイネリアは更に驚く。そんな時、襲われていた騎士達の隊長がカイネリアの姿を見て目を見張る。
「カイネリア!どうしてお前が此処にいる?」
「ん?・・・・・・ッ!『ハーパー』、どうしてお前が!?」
隊長の青年をハーパーと呼び、カイネリアは馬から飛び下りると、ハーパーの下へ駆け寄る。
「・・・あれ?もしかして、お二人は知り合いですか?」
ヴリトラがカイネリアとハーパーを見て訊ねるとカイネリアとハーパーはヴリトラ達の方ゆっくりと向いた。
「ああ、彼はハーパー・アリーヤス・・・私の夫だ」
「ええぇ!?」
ハーパーがカイネリアの夫だと聞かされヴリトラは驚き声を上げる。勿論ラピュス達も驚いて二人の方を向いて目を見張るのだった。
追われていたセメリト王国の騎士隊をブラッド・レクイエム社から守ったリンドブルムとオロチ。ヴリトラ達も遅れて合流し、一緒に来たカイネリアも夫であるハーパーとバッタリと会う。しかしこの時、ヴリトラは達はまだセメリト王国を襲撃したブラッド・レクイエム社の本隊がいる事に気付いていなかった。