表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第八章~消えていく隣国の剣~
153/333

第百五十二話  国境を越えた出会い 姫騎士カイネリア

 アローブへ向かう途中でラランが熱中症で倒れると言うハプニングが起きるも、ジルニトラのおかげですぐに回復した。それから暑い中進んで行き、途中にある村に立ち寄るとしばしの休息を取り、再び国境に向かって出発する。

 村で休息を取り、再出発をしてから三時間が経ち、ヴリトラ達は一本道をひたすら真っ直ぐ進んで行く。途中で何度か林の中や坂道などを通ったり、町や村に立ち寄って休息を取っていたがこれと言って大きな問題は起こらなかった。気温もラランが熱中症になった時と比べると随分低くなっており、ヴリトラ達が掻く汗の量も少なくなっている。


「ラピュス、今どの辺りなんだ?」


 森の中にある一本道を進みながらヴリトラがジープの助手席で隣にいるラピュスに現在の場所を訊ねる。ラピュスは馬に乗りながら地図を開いて自分達の居場所を確認した。


「最後に立ち寄った町を出て二十分経っているから・・・今はこの森だな。この分だとあと一時間程でセメリト王国の国境に辿り着く」

「一時間かぁ・・・皆は大丈夫か?」


 ヴリトラとラピュスが振り返り自分達の後ろをついて来ているバンや懲罰遊撃隊を確認した。バンはゆっくりと徐行でジープの後をついて来ており、その中ではリンドブルム達が風に当たりながら自分達の方を見ている。バンの隣を歩いている馬の上では騎士達が暑さに耐えている姿があった。


「少しは暑さが引いたとはいえ、それでもまだしんどいみたいだな・・・」

「そうだな」

「どうする?あと一度くらいは休憩を入れておくか?」


 ヴリトラがラピュスの方を向いて訊ねるとラピュスはもう一度地図を見て道のりを確認する。


「・・・そうしよう。まだ4、5Kはあるし、国境までは町も村も無い。無理をしてまた熱中症にでもなったら大変だからな」

「決まりだな。それで、何処で休む?」

「この森を抜けると少し行った所に川がある。そこで休もう」

「OK」


 休憩する場所が決まり、ヴリトラ達は森の中を進んで行った。それから無事に森を抜けた一同はラピュスの言った川に辿り着いてしばしの休息を取る。川の水で顔を洗う騎士達や水を飲む馬達、七竜将もペットボトルの水を飲んで水分補給をした。

 川の近くにある大きな木の下で木に寄り掛かりながら地図を眺めているラピュス。木陰に入っている為、汗を掻く事もなく無表情で地図をジッと見ていた。


「お前も少しは休憩しておけよ」


 ラピュスが地図を眺めているとヴリトラが水の入ったペットボトルを持って近づいて来た。ラピュスも地図を見るのを止めて静かにヴリトラの方を向く。


「ホラよ」

「すまない」


 地図を折り畳んでヴリトラから水とを受け取ったラピュスはペットボトルを口に付けて水を少しずつ飲んで行く。ヴリトラはラピュスの隣で木に寄り掛かりながら風に当たって体を休める。


「そう言えば、俺達が向かっているアローブってどんな町なんだ?」

「ん?」


 水を飲むのをやめたラピュスはペットボトルを口から離してヴリトラの方を向く。


「アローブは河の近くにあり、レヴァートからセメリトに入る為には必ず通る事になる町だ」

「必ず通る?」

「ああ、レヴァートとセメリトの間には『サザリバ大河』と言う河があり、そこに掛けられている大きな橋を通って行き来するんだ。二つの国を行き来する為の橋はそれしかなく、その橋はアローブの町が管理している」

「成る程、セメリト領内に入るには必ずアローブを通らなくちゃいけないから、誰が何時国境を越えたかはすぐに分かるし、不法に国境を超える事もできない。警備は万全か」


 ラピュスのアローブとサザリバ大河の話を聞いてヴリトラは腕を組みながら納得する。ラピュスは水を飲み終えるとキャップを閉めてペットボトルをヴリトラに返し、再び地図を広げてヴリトラに見せた。


「セメリトは国全体を河で囲まれている為、他の国に対しても同じ様になっているんだ。セメリトからその国に繋がる橋は一つだけ、船で河を渡る事もできない。サザリバ大河こそがセメリトを外敵から守る為の防御壁という訳だ」

「確かに、もし他国との戦争になっても敵がセメリトに入る為の道は橋だけだからそこに守りを集中すれば敵を押さえる事ができるもんな」


 セメリト王国を囲む河が不法な侵入を防ぐ為だけでなく、戦争で国を守る役割もあると知ってヴリトラは更に驚く。ラピュスは地図をしまい、休んでいる仲間達を確認するとゆっくりと自分の銀色の髪を直した。


「さぁ、そろそろ行こう。時間も限られているからな」

「ああ、そうするか」


 ヴリトラとラピュスは出発する為に休憩の終わりをリンドブルム達に伝え、それを聞いたリンドブルム達も出発の準備に取り掛かる。準備は僅か数分で済み、一同は再び国境に向かって出発した。

 一時間後、日が沈み、空はオレンジ色に染まりだす。ヴリトラ達は予定通り国境であるサザリバ大河に辿り着く。ヴリトラ達の前には大きな河と対岸に続く長い橋が掛けられている。その近くには小さな小屋があり、そこには数人のレヴァート兵の姿があった。


「これがサザリバ大河か・・・」

「そうだ。この橋を渡れば私達は国境を越えてセメリト王国に足を踏み入れる事になる」


 橋の数十m手前で止まり、ヴリトラ達は河と橋を見つめている。リンドブルムやファフニールは窓から顔を出して驚きの顔を見せていた。


「それにしても長い橋だなぁ。一体何mあるんだ?」

「・・・640m」


 運転席のジャバウォックが橋を見てまばたきをしながら訊ねると、ラピュスの後ろにいたラランが質問に答えた。予想していたよりも長い事にジャバウォックとヴリトラが意外そうな顔でラランの方を向く。


「まずは見張りの兵士に許可証を見せて、その後に橋を渡り向こうの兵士にも許可証を見せる事になっているんだ」

「許可証を見せないといけないのか?」

「ああ、お前達も見せないと通れないぞ?」

「な~んだ、許可証って町に入る時にだけ使うじゃないのかよ?面倒だなぁ」

「文句を言うな。何かあった時の為にも必要な事だ」


 ラピュスに注意されてめんどくさそうな顔で頭を掻くヴリトラ。一同は馬と自動車を動かし橋へ近づいて行く。兵士達は近づいて来るヴリトラ達に気付いて彼等の前に立ち止める。止まるとラピュスが馬から降りて兵士の方に歩いて行き、自分達がセメリト王国に行く理由を話して許可証を見せた。ラピュスの話を聞いた兵士は頷き、ラピュスは離れた所にいるヴリトラ達に手を振る。


「どうやら、OKみたいだな」

「なら、俺達も行くか」

「ああ・・・」


 ジャバウォックがジープをゆっくりと走らせてラピュス達の方へ近づいて行き、ララン達もそれに続く。一人ずつ自分の許可証を見せて許可を取り、ようやく全員が渡れるようになる。全員の許可が下りるまで十分も掛かってしまった。


「ようやく全員か」

「思ったよりも時間が掛かったな」

「急ごうぜ?アローブではセメリトの姫騎士さんが待ってるんだろう?」

「ああ、恐らく陛下がセメリト王家に救援を送るという親書を届けた日から既に待っているはずだ」

「だったら尚更だ。行こう」


 アローブで待っていると思われるセメリト王国の姫騎士の「カイネリア」を待たせる訳にはいかないとヴリトラはラピュスに急ぐことを伝える。ラピュスもヴリトラを見て頷いた。


「皆、後は橋を渡ってアローブに入るだけだ。ここからは走って一気に橋を渡るぞ!」

「ハイ!」

「・・・了解」


 ラピュスの言葉にアリサとラランは返事をする。ヴリトラも小型通信機を使ってバンにいるリンドブルム達に連絡を入れていた。


「・・・と言う訳だ。ニーズヘッグ、一気に橋を渡り切るからスピードだせよ?」

「了解だ」

「あぁ、それから、対岸に着いたらセメリト王国の兵士達にも許可証を見せるから、その時はもう一度止まるぞ。ブレーキを掛けずに追突しないようにな?」

「分かってる。俺はお前みたいにそんなバカなミスはしない」

「うわぁ、ひでぇ言い方・・・」


 そんな軽い通信をするヴリトラとニーズヘッグは通信終えて前を向く。ヴリトラはジャバウォックの方を向いて頷くと、ジャバウォックは頷き返してハンドルを握りアプセルを踏む。ジープが動き出すのと同時にラピュス達の馬とバンも一斉に走り出す。大きなエンジン音と馬が駆ける音が広がり、七竜将と懲罰遊撃隊は全員橋を渡って行く。その光景を見ていた兵士達はただただ目を丸くしていヴリトラ達を見ているのだった。今までとは違い、自動車も馬も走っているので僅か一分で橋の真ん中まで来てしまい、遠くにはアローブの町と橋の見張り小屋が見えて来た。それを見たヴリトラは隣を走るラピュスの方を向いて町を指差す。それを見たラピュスは頷き、二人は前を向き直した。

 対岸では見張り小屋の近くでセメリト王国の兵士達が槍を持って町と橋を交互に見ている姿があった。その姿はとても退屈そうに見える。


「今日の仕事もあと少しで終わりだな」

「ああ、そうだな・・・」

「どうだ?仕事が終ったら一杯?」

「悪いな、今日は子供の誕生日なんだ、仕事が終ったらすぐに帰らねぇと」


 仕事が終わったとの事を楽しそうに話しているセメリト兵達。すると、一人の兵士が目を細くしてと橋の方を見ており、話をしている二人の兵士に声を掛けた。


「おい、こっちに何か来るぞ?」

「ん?レヴァート王国からの観光客じゃないのか?」

「いや・・・見たところ騎士の様だ。それに、何か変な物が一緒に近づいて来るぞ?」

「変な物?」

「ああ・・・見た事の無い物だ。一体何なんだあれは・・・?」


 兵士達は橋を渡って来るラピュス達を一斉に見つめ、その隣を走って近づいて来る自動車に驚きの表情を見せる。そしてラピュス達が対岸に辿り着き兵士達の前で止まると、目の前で停車したジープを見て思わず槍を構えた。


「な、なな、何だこりゃあ・・・?」

「て、鉄の馬か?」

「いや、どう見ても馬じゃねぇだろう?」


 驚く兵士達を見てヴリトラ達は複雑な表情を見せる。レヴァート王国ではすでに七竜将の事や彼等が使う武器や自動車の事が知れ渡っている為、驚く人は殆どいなかった。だが、他国には七竜将の事は全く伝わっておらず、自動車の存在を知らないセメリト王国の人々は当然驚いてしまうのだ。

 ラピュスは驚く兵士達を見て一度咳をし、兵士達の意識を自分に向ける。兵士達もラピュスの存在に気付いて全員が彼女を見た。


「私はレヴァート王国のラピュス・フォーネと申す。セメリト王国で騎士隊が何者かの襲撃を受け、騎士が姿を消したという事件で救援に駆け付けた」


 兵士達はラピュスの話を聞いて表情を急変させて仲間同士見つめ合う。彼等もセメリト王国の兵士であるから当然自分達の国で起きている騎士隊襲撃事件の事は知っている。

 小声で話し合っている兵士達を見てラピュスは馬から降りて兵士達の方へ歩いて行く。


「このアローブの町にカイネリア殿と言う姫騎士がおられるはずだ。彼女を呼んで来てもらえないだろうか?」


 ラピュスの口から出たカイネリアの名を聞いた兵士達は少し驚き、再び小声で話し合う。その様子をジープから見ていたヴリトラ達や馬に乗っているラランは「まだか?」と言いたそうな顔をしている。


「・・・しばし待たれよ」


 話を終えた兵士の一人がラピュスに待つように伝えて町の方へ走って行く。遠くに見える町の入口では既に十数人の町の住民達がヴリトラ達の存在に気付いて集まりだしヴリトラ達を見ている。国境を越えてやって来た隣国の騎士達とそれに同行している見た事のない物体と見た事の無い姿をしている人物、驚きと興味を抱きながら住民達は遠くでざわついていた。


「・・・・・・ちぇ、退屈だなぁ」


 ヴリトラはジープの中にいる事に飽きたのかジープを下りてラピュスの方へ歩いて行く。バンに乗っていたリンドブルムもヴリトラと同じ気分だったのか、助手席を下りてヴリトラの後をついて行き、それを馬の上から見ていたラランも馬から降りて後をついて行った。

 兵士達は近づいてい来るヴリトラ達を警戒して槍を構える。ラピュスもヴリトラ達に気付いて彼等の方を向く。


「どうだ、ラピュス?」

「今兵士の一人がカイネリア殿を呼びに行ったところだ」

「そっか・・・それにしても、町の方では随分騒がしくなってるなぁ?俺達の事は知られていないのか?」

「だろうな、レヴァートとセメリトは互いの情報を交換し合う事になっているが、それは政治や物資の様な重要な事についてだ。傭兵や騎士団の内情ついては知らせる必要もないと知らせていなかったのだろう」


 セメリト王国に七竜将の噂が広がっていない事を聞いたヴリトラは少し残念そうな顔を見せる。すると、彼の隣になっているリンドブルムがヴリトラの腰をツンツンと指で突いた。


「いいんじゃないの?あまり噂が広がらなくてさ」

「リブル?」

「僕達に事が他の国に広がったら僕達の事を知っている国にブラッド・レクイエムの連中が攻めて来たりして大変な事になるかもしれない。それに僕達の事が原因でレヴァートと他国との間に何か問題が起きたりするのも嫌じゃない?」

「俺達の事を知らなければブラッド・レクイエムの連中に狙われる事も無くなって、自分達の身を守れるって事か・・・」

「そういう事」


 リンドブルムの言いた事を察したヴリトラを見てニコッと笑うリンドブルム。するとラランがリンドブルのも肩を軽く叩いた。


「・・・でも、もうセメリト王国はブラッド・レクイエムに襲われてるんでしょう?それじゃあ、例えリブル達の事を知らなくても他の国が狙われる可能性がある」

「・・・・・・あっ」


 ラランの話を聞いたリンドブルムは「そうだった」と言いたそうに目を丸くする。それを見たラランは小さく溜め息をつく。ヴリトラもリンドブルムと同じように忘れていたのか複雑そうな顔で空を見上げる。ラピュスはそんなヴリトラを見て呆れ顔を見せた。


「・・・お前達は戦場に出ると頼れるが、どうしてそれ以外の時ではこうも抜けているところがあるんだ?」

「そ、そんなハッキリと言わなくてもいいじゃねぇか?」

「そうだよぉ~!」

「・・・でも事実」


 鋭いラランの言葉がヴリトラとリンドブルムの背中にグサリと刺さる。二人はガクッと首を落して落ち込んだ。そんなヴリトラ達の会話を兵士達はただポカーンと見ていたのだった。

 ヴリトラ達が話を終えた頃、町の方から兵士と一人の姫騎士が歩いて来る姿が見え、ヴリトラ達はふと町の方を向く。


「来たみたいだぜ?」

「あの人がセメリト王国の姫騎士さん?」


 ヴリトラとリンドブルムは自分達の方へ歩いて来る姫騎士を真面目な顔で見つめる。その姫騎士は二十代半ば程の女性で赤い長髪を後ろで三つ編みにし、濃いオレンジの鎧とクリーム色のスカートを身に纏い、セメリト王国の紋章が描かれたシャモア色のマントを羽織っている。そして腰には騎士剣が納められ、左手には銀色のカイトシールドが握られていた。

 赤髪の姫騎士はヴリトラとラピュスの前までやって来るとしばらく二人の姿を見つめ、二人の顔を見ると静かに口を動かす。


「貴方がたがレヴァート王国から救援に来たという者達か?私がセメリト王国第十二小隊のカイネリア・アリーヤスです」

「レヴァート王国のラピュス・フォーネです。こっちは傭兵隊七竜将の隊長でヴリトラと言います」

「傭兵?我が国はレヴァート王家に救援を求めたはずだ。なのになぜ傭兵を送って来られたのだ」


 カイネリアは王家に救援を求めたのに傭兵が救援に来ている事が理解できずに少し表情を鋭くしてラピュスに訊ねる。周りの兵士達も不満な様子でヴリトラ達を見ていた。


「彼等は我が国でも最強と言っていい程の実力を持った傭兵です。恐らく、我が国の精鋭騎士隊よりもずっと役に立つかと・・・」

「彼等が?」

「ハイ、そして彼等を救援に行かせる事を推薦したのは我が国の王族の方々です」


 ラピュスはカイネリアに七竜将が来たのは王家の推薦だという事を伝え、それを聞いたカイネリア達は信じられない様な表情でヴリトラとリンドブルムを見ている。だが、彼等が乗っていた自動車と服装を見て彼等も七竜将が只者ではない事は薄々感じ取っていたのかジッとヴリトラと自動車を見つめた。


「・・・彼等は一体何者なのです?見た事の無い服装に見た事の無い鉄の馬車、どれもこの国では見た事の無い者のようだが・・・」

「彼等はこのヴァルトレイズ大陸とは別に大陸から海を渡ってやって来た者達です。彼等は私達の知らない技術と力を持っています」


 ラピュスは七竜将が別世界から来たという事を秘密にし、ヴリトラ達が考えた彼等の仮の情報を話してカイネリア達を説得する。カイネリア達はラピュスの説明を聞いて一応納得したらしく、数回頷いてヴリトラの方を見た。


「カイネリアだ、よろしく頼む」

「ヴリトラです、よろしく」

「別の大陸から来たという傭兵の力、どれ程のものかお手並み拝見といこう」

「ハハハ、役に立てるよう努力します」


 真面目な表情のカイネリアとニヤニヤとしているヴリトラは互いに握手を交わし合う。


「貴公等にはまず首都で我が騎士団の団長に会ってもらう。そこで今までに起きた襲撃事件の情報を聞いてもらいたい」

「分かりました」

「だが、今日はもう日が沈みかけている。明日の朝に首都に向けて出発するので今日は休んでください。宿を用意してありますのでそちらへ」

「すんませんね」

「いや、では案内しよう・・・」


 挨拶を一通り終えたカイネリアは町の方を向いてヴリトラ達を宿へ案内する。笑っているヴリトラ達を背に、カイネリアは疑いの表情を見せた。


(・・・本当にあの傭兵達は信用できるのか?見た事の無い物を使って戦うなど、いまいち信用できん)


 心の中で七竜将達に対する本音を呟きながら歩いて行くカイネリア。ヴリトラ達は馬や自動車を動かして町へと入って行きカイネリアが用意した宿で一夜を過ごすのだった。

 国境を越えてアローブの町にやって来たヴリトラ達はセメリト王国の姫騎士であるカイネリアと出会う。複雑な関係のまま、ヴリトラ達はセメリト王国の首都へ向かう為にアローブの宿で体を休めるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ