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機械鎧(マシンメイル)は戦場を駆ける  作者: 黒沢 竜
第七章~裏切りと言う名の正義~
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第百三十話  傭兵と騎士 二組の臨戦態勢

 しばらく身を潜める為にグリンピスの森に住んでいたガズンに匿ってもらう事にしたヴリトラ達。だが次の日の早朝、森の入口前に王国騎士団が集まっており、ヴリトラ達はいきなり窮地に追い込まれてしまうのだった。

 丸太小屋の前に集まったヴリトラ達は戦闘準備をしながら騎士団の姿を確認したオロチから詳しい情報を聞く。それと同時に全力で戦えるよう食事の準備も一緒に進めていた。


「それで、お前が確認した時の騎士団はどれ位の戦力だったんだ?」


 丸太小屋の前の広場で木製のテーブルを置き、その上に森全体の地図を広げながらヴリトラはオロチの方を向いて訊ねる。広場ではヴリトラ、ニーズヘッグ、オロチ、アリサ、ガズンがテーブルを囲んで状況確認。リンドブルム、ジャバウォック、ラランは武器のチャック。ジルニトラとファフニールは簡単な食事の準備をしていつ起こるか分からない戦闘に備えて動いていた。


「詳しい戦力を確認する為に気付かれないギリギリの所まで近づいた・・・」

「見つからなかったか?」

「そんなミスはしない・・・」


 ヴリトラの質問にオロチは無表情で答えた。オロチの冷静な態度を見てヴリトラ達は大丈夫だと安心する。


「敵は見た目から百人はいた。騎馬隊に一般兵が大勢、しかも騎馬隊の騎士達は全員銀色の鎧を装備していた・・・」

「白銀剣士隊か・・・」


 騎士達が全員白銀剣士隊だと知ってヴリトラは腕を組んで「厄介だなぁ」と言いたそうな表情を見せる。


「恐らく元老院直属でしょう・・・」

「間違いない。騎馬隊の中にナギカ村で私達を反逆者と言い放った男の騎士の姿もあった・・・」


 オロチはナギカ村であった男性騎士の姿があった事を伝え、アリサは「やっぱり」と言う様な表情でオロチの方を向く。ヴリトラ達はアリサと同じ表情でオロチの方を向いた。だがニーズヘッグだけは地図を見下したまま腕を組んで何か考え込んでいる。


「しかし妙だな・・・」

「何がですか?」

「どうして奴等は俺達がこの森にいる事が分かったんだ?昨日俺達がこの森に入るところは誰にも見られていなかったはずだ」

「確かにそうですね。どうして彼等はどうやって私達の情報を得たのでしょう?」


 なぜ元老院の白銀剣士隊が自分達の居場所を突き止める事ができたのか、その理由が分からないニーズヘッグとアリサ。ヴリトラとガズンもなぜか分からずに考え込む。


「まさかとは思うがガズン、私達を売った訳ではあるまいな・・・?」

「バカを言え!そんな事をしたら俺もお前達と接触した者として消されちまう可能性だったあるんだぞ?」

「確かにそうだな・・・」


 ガズンが自分達の事を騎士団に知らせても何のメリットも無い事に納得するオロチ。


「恐らく敵の中に俺達の考えを先読みした奴がいて、この森に隠れているって事を調べ上げたんだろう」

「前に俺達が食料を調達した時に立ち寄った町からこの森までの距離は約6K。方角と身を隠しやすそうな場所の情報を町の人に聞けば俺達が隠れているかのしれないって想像がつく訳だ・・・」


 ヴリトラとニーズヘッグは騎士団の洞察力に表情を鋭くする。リンドブルム達も手を動かしながらヴリトラ達の話を聞いていた。


「だけど、今はそんな事よりも、どうやってこの状況を凌ぐかが重要だ」

「確かにそうだな。それにしても俺達を相手に僅か百人程度で挑んで来るとは、随分と見くびられたものだな?」

「俺もそれが気になってたんだ。奴等は俺達がどれほどの実力を持っているのかはよく知ってるはずだ。なのに僅か一個中隊ほどの戦力しかぶつけて来ない。俺達を本当に倒す気なら少なくともあと百人は連れて来てもいいはずなのによぉ?」

「しかも奴等はこの森の入口付近にだけ戦力を集中させている。私達が別の道から森を脱出して逃げるとは考えていないのか・・・?」


 七竜将の三人は騎士団の愚行に半分呆れる様な口調で言った。だがそこへガズンがテーブルの上で広げられている地図を太い指でゆっくりと指した。


「わざわざこの森を包囲する必要はねぇよ。このグリンピスの森は別名『自然の檻』と言われ、森自体が複雑な上に棲みついている猛獣達に見つかれば襲われて逃げ惑う事になれば方向感覚が狂い方向が分からなくなっちまう。つまり、森を出ようにも直ぐに迷って出られなくなっちまうって事だ」

「木や猛獣達に囲まれて出たくても出られない、まさに自然の中に作られた檻って訳だ。確かにそれなら唯一安全に出られる出入口だけに戦力を集中するれが済むな」


 ガズンからグリンピスの森の隠された秘密を聞かされ、ニーズヘッグは騎士団の包囲が中途半端なのに納得した。


「それじゃあ、騎士団が百人ほどしかいないのは?」

「大方、俺達を百人程度でも片付けられると思っているのか、あるいはその百人が俺達に勝てるほどの実力者ばかりなのか・・・」

「どっちなんですか?」

「さぁな?だが、相手が俺達を百人でも勝てる様な小物だと思っている事は確かなようだ」

「完全に私達を見くびっているという事か・・・」


 オロチは騎士団の自分達に対する評価が低い事に苛立っているのか低い声を出す。ヴリトラとニーズヘッグも少し機嫌の悪そうか顔をしていた。

 三人が不機嫌な表情をしていると、リンドブルム達がヴリトラ達の下へ集まって来た。


「武器弾薬のチェックは終わったよ?」

「何時でも戦えるぜ」


 武器や弾薬のチェックを終えたリンドブルムとジャバウォックはヴリトラ達に報告する。ジープとバンの近くに積まれている弾薬や多数の銃器を見てヴリトラは頷く。そこへ今度はジルニトラとファフニールが話し掛けてくる。


「こっちもOKよ。簡単な料理を作ったからさっさと食べ終えて戦闘準備をしましょう」

「腹が減っては戦はできぬ、だよね?」


 笑顔のファフニールを見てヴリトラ達も全員微笑んだ。


「確かにそうだな。よっしゃあ!皆、さっさと朝飯を済ませるぞ?何時騎士団の連中が来るか分からないからな」

「それは心配ねぇよ。少しぐらいはゆっくりしても平気だ」


 ヴリトラが早く食事を済ませようと周りにいる皆に話していると、ガズンが両手を腰に当てながらヴリトラに声を掛けてきた。


「どういう意味だよ?おっさん」

「此処は猛獣達が棲みついてる森だぜ?この森の猛獣どもは森に入ってきた人間を全てエサや敵だと思ってる。だから騎士団の連中が入ってきたら猛獣達は真っ先に襲い掛かるんだ。猛獣達が騎士の連中を相手にしてくれれば少しぐらいは時間が稼げるはずだ」

「確かにそうですね?この森の猛獣達は僕等にとって危険な存在ですけど、裏を返せば騎士団の人達にとっても危険って事ですし」

「そういう事なら、少しはゆっくり食事を取っても大丈夫だな」


 リンドブルムはガズンの話を聞いて少しだけ余裕の表情を見せる。ヴリトラもガズンの言うとおりだと納得して頷く。そしてヴリトラ達は騎士団に追い詰められているにもかかわらず全く慌てた様子を見せずに食事を取るのだった。

 その頃、森の入口前では元老院直属の白銀剣士隊と指揮下の一般のレヴァート兵達が突入の準備を進めていた。獰猛な猛獣が棲みつく森という訳あって、一般兵は勿論、優秀な騎士達も念入りに準備を行っていた。


「・・・本当にこの森なのだろうな?」


 森の出入口を見上げながら紺色の短髪をした二十代後半くらいの若い男性騎士が脇に控えているレヴァート兵に訊ねた。その男性騎士こそ、ナギカ村でヴリトラ達に処刑宣告をした白銀剣士隊の男性騎士であった。


「ハイ、顔を隠した妙な一団がこの森の方角へ去って行ったのを見たと前の町の住民が言っておりました」


 槍を持つレヴァート兵が男性騎士に町の住民から聞いた内容を伝える。町というのは恐らくヴリトラ達が最後に立ち寄った町に違いないだろう。

 男性騎士は振り返りレヴァート兵の方を向いて腕を組む。


「その情報、信頼できるのだろうな?」

「ハ、ハイ。直接見た者の話ですので・・・」

「・・・フン。まあよい、下がれ」

「ハッ!」


 レヴァート兵は敬礼をして自分の持ち場に戻って行く。男性騎士はもう一度森の出入口の方を向いて鋭い視線を森に向ける。


「七竜将め、今度こそ逃がさんぞ・・・」

「そう言ってまた逃げられては端の上乗りだぞ?」


 背後から聞こえてくる若い女性の声に男性騎士は振り返る。そこにはクリーム色の長髪に竜の翼をモチーフにしたティアラを頭に付け、銀色の鎧を着た若い女性騎士が立っていた。どうやら白銀剣士隊の姫騎士のようだ。


「『シャーリア』か、そっちの準備は整ったのか?」

「ああ、何時でも突入できる。そう言う貴公はどうなのだ?『トーマス』」


 シャーリアと呼ばれた姫騎士は男性騎士をトーマスと呼んで訊ねた。するとトーマスは腕組みを止めて腰の騎士剣の抜き刀身を見つめる。


「私は今すぐにでも突入して奴等を始末したい。前回逃げられた時、私は考えられない様な屈辱を受けた。その屈辱を晴らす為にも奴等を抹殺する!」

「敵の討伐に燃えるのはいいが、あまり感情的になって冷静さを失うと足元をすくわれるぞ?」

「分かっている」


 シャーリアの忠告にトーマスは低い声で返事をした。そんな二人の下に一人の男性騎士が駆け寄って来た。


「隊長、副隊長、突入準備が整いました」

「そうか、ではまず一番隊から三番隊を突入させろ。その五分後に四番隊と五番隊を行かせる」

「ハッ!」

「くれぐれも油断しない様に各隊の隊長に伝えておけ。この森には無数の猛獣が棲みついている上に今は七竜将達が潜伏している、少しでも気を抜けば一瞬で消されるぞ?」

「ハイ!」


 トーマスの忠告を聞いて男性騎士は気を引き締めながら返事をする。その姿を見たシャーリアはゆっくりと自分の腰に納めてある二本の細剣さいけんに視線を向けた。


「四番隊と五番隊が突入した後に私とトーマスの部隊が『特務隊』を連れて森に入る。残りの六番隊と七番隊は残り出入口を固めておけ」

「分かりました。・・・ところで、その特務隊とは?」


 男性騎士がシャーリアの口にした特務隊の事を訊ねると、トーマスが男性騎士の後ろを指差した。男性騎士が振り返ると、大勢の騎士やレヴァート兵達から少し離れた所にいるフード付きマントを纏った十数人の騎士達が姿があった。顔はフードで隠れていて見えないが明らかに他の騎士達とは雰囲気が違う。


「あの連中は・・・」

「あれが特務隊だ。今回の七竜将討伐作戦の為に元老院の方々が用意して下さった者達らしい。何でも七竜将を倒すのに打ってつけの者達だとか」

「何者なのですか?」

「分からん。まぁ、奴等の出番はないだろうな?何しろ七竜将は私達が始末するのだから・・・」


 トーマスは興味の無い顔で森の方を向くと騎士剣を抜いて、空に向かって掲げながら大きな声を出した。


「これより、このグリンピスの森の潜伏している七竜将の討伐作戦を開始する!この森には多くの猛獣が棲みついている、決して油断するな?もし猛獣どもが襲って来れば迷わず殺せ。七竜将討伐の邪魔をする者は皆敵と見なし切り捨てよ!」

「「「「「おおぉーーっ!!」」」」」


 トーマスの号令に騎士やレヴァート兵達は持っている剣や槍を掲げで声を上げる。シャーリアや離れた所にいる特務隊の騎士達は黙ってトーマスの姿を見ていた。


「一番隊から三番隊、突入せよ!その五分後に四番達と五番隊も続け!」


 命令を受けた各部隊の者達が一斉に出入口から森に入って行く。馬に乗った騎士や剣、槍、弓を持つレヴァート兵が次々に森へ入って行き、その様子をトーマスとシャーリアはジッと見つめている。


「・・・貴公も人が悪い、一番隊から五番隊の者達を森の内部と敵の戦力確認の為に先に行かせるとは・・・」

「フン、彼等も元老院の方々に仕える白銀剣士隊の者達だ。元老院の為なら喜んでその身を投げ出そう」

「貴公もか?」

「当然だ。私は元老院の為ならばこの命、迷う事なく捨てる覚悟だ」

「フッ、そうか。・・・では、彼等には元老院の為に全力で戦ってもらおう。勿論、貴公にもな?」

「そう言うお前もな?」

「フフフフフ」


 お互いに黒い本性を露わしながら不敵な笑みで話し合うトーマスとシャーリア。離れた所ではそんな二人の会話を黙って見つめている特務隊の姿があった。

 一番隊から三番隊は森に突入してすぐに三つに分かれて三方向に散らばり森の奥へ入って行く。それから五分後、予定通り四番隊と五番隊も森の突入する。一番隊はゆっくりではあるが奥へ進んで行き、何時襲い掛かって来ても不思議ではない猛獣を警戒していた。


「いいか、猛獣を警戒するのは当然だが、今この森には猛獣よりも恐ろしい七竜将がいるという事も忘れるな!?」

「「「「「ハッ!」」」」」


 部隊の隊長と思われる騎士は馬に乗りながら先頭を歩き、後ろをついてくる騎士やレヴァート兵達に忠告をする。力強く返事をした騎士やレヴァート兵達も警戒心をより強くして先へ進む。


「あら~、いきなり騎士を入れた部隊を突入させてきたよ~」


 一番隊が進む先、約300m離れた位置に生えている大きな木の枝の上に座り込み、狙撃銃(スナイパ―ライフル)のM24のスコープを覗いて敵の様子を窺っているリンドブルム。彼は食事を終えた後にM24を持ち、出入口の方へ移動して敵の様子を探りに向かい、一番隊を見つけたのだ。


「これは、今まで以上にハードな戦いになるかもねぇ・・・」

「リンドブルム、そっちの様子はどうだ?」


 リンドブルムの小型無線機から聞こえてくるジャバウォックの声。リンドブルムはスコープを覗き込みながら小型無線機に指を当てて応答する。


「敵の部隊を確認、騎士が三人に一般の兵士が十七人の合計二十人。多分敵の斥候隊だろうね」

「斥候だけで二十人の部隊を使うとは、やっぱ百人近くの部隊ならそれぐらいはするか」


 小型無線機から聞こえてくるジャバウォックの面倒そうな声を聞いてリンドブルムはM24を構え直して一番隊をジッと見つめる。


「でも、この広い森をあの一部隊だけで調べるっていうのは変だよ。きっと他にも斥候隊がいるだろうね?」

「リンドブルムの言うとおりだ・・・」


 今度はオロチの声が小型無線機から聞こえて、リンドブルムは耳に付いている小型無線機の方に視線だけを動かす。

 オロチはリンドブルムのいる位置から南西に200m離れた所にある大木の枝の上に立ち、斬月を担ぎながら一番隊と別行動を取っている二番隊を発見していた。オロチと二番隊との距離は約150m、見つかるか見つからないかギリギリの位置にいる。


「こっちも斥候と思われる部隊を発見した。人数と編成はリンドブルムが見つけた部隊と同じだ・・・」

「オロチは僕から南西の位置にいるんだよね?つまり敵は森に入ってから北と北西の方に進んでいるって事になるね」

「だが、そうなると北東の方角にも斥候隊が進んでいる事になるな」


 小型無線機からリンドブルムとジャバウォックの声が聞こえ、オロチはそれを黙って聞いている。


「こちらファフニール!皆、聞こえる?」


 突然小型無線機から聞こえて来たファフニールの声にリンドブルム達は反応する。


「ファフニールか、どうした・・・?」

「今ミーちゃんと一緒に森の東側にいるんだけど、白銀剣士隊の部隊を見つけたよ!」

「何?今何処にいる?詳しい位置を教えろ・・・」


 オロチがファフニールに正確な位置を訊ねた。リンドブルムも近づいて来る一番隊を警戒しながら小型無線機に耳を傾けた。

 森の出入口から北北東に400m進んだ位置にギガントパレードを担ぎ、ミルバにまたがっているファフニールの姿があった。ミルバはファフニールを乗せて高い土手の上におり、200mほど離れた位置にいる三番隊を見つめていた。ファフニールも三番隊の姿を確認し、小型無線機を使いリンドブルム達に知らせている。


「今は森の出入口から北北東の位置にいる。こっちの部隊も同じ様な編成になってる」

「全部で三つの斥候隊か。まだ敵の本隊もいるだろうし、今回は今までと違って機械鎧の内蔵兵器とかも使わないといけないだろうな」


 ジャバウォックは今までの戦いとは違い機械鎧の性能をフルに使わないといけないと考え、そんな彼の言葉を聞いたリンドブルム達も真剣な顔を見せる。


「・・・ヴリトラ、どうする?」


 ジャバウォックが小型無線機を通してヴリトラにこの後をどうするかを意見を聞いた。

 ガズンの丸が小屋から東に100mほど進んだ場所にある大きな道、その真ん中にヴリトラがラランとニーズヘッグを連れて立っていた。


「奴等は俺達の戦力を図る為に斥候隊を送ったんだろう。だったらわざわざアイツ等の思惑通りに動いてやる必要も無いさ。しばらく様子見だな」

「分かった。じゃあ僕達はこのまま様子を見ているね?」

「ああ、そうしてくれ。ジャバウォックはジルニトラとガズンのおっさん、アリサと一緒に丸太小屋の前で待機しててくれ」

「了解だ」


 ヴリトラはゆっくりと小型通信機のスイッチを切り、ラランとニーズヘッグを連れて道の隅にある茂みの中へ身を隠した。


「奴等はこの道を見つければ移動し難い獣道よりもこっちを通るはずだ。奴等が来たら奇襲を仕掛けるぜ」

「分かった。でも間違って部隊の隊長まで倒すなよ?ソイツからは色々元老院の事を聞かないといけないんだからな」

「わぁ~ってるって」

「・・・うん」


 ニーズヘッグに注意されて笑いながら軽く返事をするヴリトラと無表情で頷くララン。三人は息を殺して静かに茂みの中へ隠れた。

 元老院の白銀剣士隊に居場所を知られたヴリトラ達は戦闘態勢に入り騎士団を迎え撃つ。果たして騎士団はどれ程の力を持っているのか、そして彼等が連れてきた特務隊とは一体何者なのか?


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