第百話 訓練の終わり 刻々と迫る戦いの時
海賊達と互角に戦う為に始まった七竜将による第三遊撃隊の特訓。浜辺で特訓をするという事で水着を着てくる事になった騎士達は七竜将の着ている水着を見て目を丸くする。そんな中で特訓は始まり、銃火器の使い方を覚えていくのだった。
朝から始まった特訓は順調に進んで行き、昼になった頃には騎士達は一通りの使い方を覚えた。銃の構え方や撃ち方を練習し、実際に撃ったり手榴弾を投げたりなどをする。幸い弾も手榴弾も大量にあるので練習で使っても問題は無い。そして今、浜辺の真ん中で遠くにある的を狙い、三人ずつヴリトラとリンドブルムの目の前でMP7の射撃訓練を行っている最中であった。少し離れた所ではジルニトラが訓練中に怪我をした騎士達の手当てをしている。
「よし、次!」
目の前の騎士達の射撃訓練が終るとヴリトラはその後ろに控えている別の騎士三人に声を掛ける。最初に射撃訓練をしていた騎士達は次の騎士達にMP7を渡し、自分達の後ろに並んでいた列の最後尾に移動する。彼等は射撃訓練を終えては後ろに回るというローテーションを何度も繰り返していたのだ。
「それじゃあ、さっきみたいにセミオートであの的を撃った後にフルオートで的を撃ってみてくれ」
「「「ハイ!」」」
ヴリトラの言われたとおり、三人の騎士達はMP7を構え、セミオートで一発ずつ弾を撃つ。最初と比べて構え方などは様になってきたがまだ的に正確に的に当てる事は出来ず、的を掠ったりする程度でヴリトラは黙ってその訓練の様子を見ている。そこへラピュスが鞘に納めた騎士剣を持って訓練の様子を見にやってきた。
「少しずつ身に付いてきたようだな?」
「ああ、構え方や安全装置の切り替え方なんかはもう大丈夫だが、まだ的に当たるのは難しいみたいだ」
「そうか・・・」
「それでも最初と比べたらずっと良くなったよ」
ヴリトラが射撃の腕を上げた騎士達を褒めるのを聞いて笑顔を見せるラピュス。やはり隊長として部下が褒められるのは嬉しいようだ。
「ところで、そっちはどうなんだ?確か剣の稽古をしてるんだろう?」
「ああ、今はニーズヘッグとジャバウォックが一人ずつ相手をしているところだ」
「そうか・・・。それじゃあ、俺ももう少しここを見てからそっちの手伝いに行くとするかな」
「そうしてくれ、お前の剣術は今まで私達の見た事のないものだからな。見て学び、手合せをするのはいい経験になる」
ヴリトラの皆藤流剣術はファムステミリアにとっては未知の剣術と言える。その使い手であるヴリトラが稽古をつけてくれる事はラピュスにとって願っても無い事だった。
「それじゃあ、私はそろそろ戻るぞ。様子を見る為に訓練を抜け出してきてしまったのでな」
「分かった、俺も少ししたら行くよ」
ヴリトラが戻ろうとするラピュスにそう言うと、隣に立っていらリンドブルムが彼の腕を指で突いた。
「行ってきなよ?ここは僕とジルで何とかするからさ」
「ん?いいのか?」
「うん。ラピュスの言った通りヴリトラの剣術はこの世界では珍しいからね。教えれば騎士の人達はうんと強くなるよ」
リンドブルムもヴリトラは騎士達に剣を教えた方がいいと思い、騎士達に稽古をつけに行く事を勧める。ヴリトラは悩み顔でジルニトラの方を向くと彼女も笑った。
「行ってきなさいよ?アンタが剣を教える事で騎士達が少しでも強くなるって言うなら、そっちの方が効率もいいしね」
ジルニトラがヴリトラの方を見てウインクをした。明日海賊が襲撃して来る為、今日一日しか剣を教える事が出来ないが、それでも何もしないよりは騎士達の為になる。ヴリトラは二人を見ながら小さく笑って頷いた。
「分かったよ。それじゃあ行ってくるから、後は頼んだぞ?」
「任せてよ。どっちかっていうとヴリトラよりも僕の方が銃の教え方が上手いし」
「一言多いんだよ!」
行きがけに言ったリンドブルムの一言にヴリトラはツッコミを入れる様に言い返した。そんな会話を聞いていたラピュスは笑い、訓練をしていた騎士達も小さく笑っている。ヴリトラはリンドブルムとジルニトラのMP7の訓練を任せてラピュスと一緒に剣の稽古の手伝いに行った。
その頃、MP7の訓練場所から離れた所ではラピュスの言った通り、ニーズヘッグとジャバウォックが騎士達にと手合せしていた。海賊と戦う為に銃器の扱いを受けているとは言え彼等は騎士、剣を使ってこそ力を発揮する為、剣の訓練も欠かせない。だから七竜将の中でもヴリトラの次に剣の腕が立つ二人に鍛えてもらっているのだ。離れた所ではララン、オロチ、ファフニールが他の騎士達と一緒に訓練を見物している姿があった。
「もっと腰を入れろ!そして剣は腕じゃない、体で剣を振るんだ!」
「ハイ!」
女性騎士の騎士剣をアスカロンで防ぎ、細かく丁寧に教えていくニーズヘッグ。女性騎士も力強く返事をして撃ち込んでいく。ニーズヘッグはその斬撃を止めながら女性騎士の構え方や攻撃の仕方などを観察している。しばらく攻撃を防いでいたニーズヘッグは斬撃を防いだ後に素早く姿勢を低くして女性騎士を足払いをした。
「キャア!」
突然の足払いに女性騎士は砂の上に仰向けで倒れた。そこへニーズヘッグがアスカロンの切っ先を倒れている女性騎士に向けた。それを見ていた他の騎士達もあっという間について訓練に声を出して驚く。ニーズヘッグはアスカロンを引くとゆっくりと倒れている女性騎士に手を差し出した。
「攻撃だけに意識が行って防御が疎かになっていたぞ?相手が次にどんな攻撃をしてくるのか、どう動いてこの状況を覆そうとするのか、常に相手の先を読んで戦え。そうすれば直ぐに防御に移れてさっきみたいな事にはならなくなる」
「ハ、ハイ」
女性騎士はニーズヘッグの手を借りてゆっくりと立ち上がる。水着に付いている砂を払い、騎士剣を鞘の納めて試合を見ていた仲間達に下へ歩いて行った。
「よしっ!次は誰だ?」
女性騎士の訓練が終り、次に誰が手合せをするのか尋ねる。そこへ男性騎士がやって来てニーズヘッグの前に立った。
「次はアンタか?」
「ハイ、お願いします!」
鞘から騎士剣を抜いて構える男性騎士。それを見てニーズヘッグもアスカロンを構えて次の訓練を始める。
ニーズヘッグが次の試合を始めている時、隣ではジャバウォックがアリサと剣を交えていた。第三遊撃隊の副隊長なだけあってアリサは他の騎士達の様に殆ど隙や直すべきところは無い。ジャバウォックはそんなアリサの力強く素早い斬撃をデュランダルで防いでいた。
「ほぉ?流石は副隊長だな、なかなかいい太刀筋だ」
「いいえ、そんな事ありません」
嬉しそうに小さく笑って攻撃を続けるアリサ。ジャバウォックもアリサと剣を交える事に楽しさを感じているのか小さく笑っている。アリサの斬撃を防いだ瞬間にジャバウォックはデュランダルで反撃する。アリサは騎士剣でジャバウォックの重たい斬撃をなんとか止めると、腕に伝わる衝撃と重さに歯を食いしばった。
「う、ううっ!」
「大剣の様な重い一撃を放つ武器は止めようとするな。下手をすれば攻撃と止められずに剣が手から離れたり、重さで折れちまう事だってあるぞ!」
自分の一撃を止めて表情を歪めるアリサにジャバウォックは注意をしながらデュランダルを引いて素早くアリサの側面に回り込み攻撃する。アリサは素早く移動したジャバウォックに反応が遅れてしまい、咄嗟にジャバウォックから離れようとする。だが、浜辺の砂に足を取られてしまい、その場でバランスを崩して座り込んでしまった。そこへデュランダルの刃が迫り、アリサの目の前で止まった。
アリサは目の前で寸止めされたデュランダルを見て目を見張り驚く。ジャバウォックはゆっくりとデュランダルを引いて真面目な顔をしながら自分を親指で差した。
「敵の中には俺みたいな図体がデカい割に素早く動く奴もいる。決して見た目で相手の速度を決めるな。そして戦っている場所も忘れるな。でないとさっきみたいな事になるぞ?」
「・・・ハイ、分かりました」
アリサはゆっくりと立ち上がり落ちている騎士剣を拾うともう一度ジャバウォックの方を向いて騎士剣を構える。それを見たジャバウォックもアリサから少し距離を取ってデュランダルを両手で構え直す。そこへヴリトラとラピュスがやって来て訓練をしているジャバウォック達に向かって手を振りながら声を掛けた。
「お~い、調子はどうだ~?」
「あっ、ヴリトラだ!」
訓練を見物していたファフニールがヴリトラの姿を見て手を振り返す。オロチも斬月の手入れをしながらヴリトラの方を向く。ジャバウォック達も訓練を止めてヴリトラとラピュスの方を見た。
「ヴリトラ。お前、確か向こうで射撃訓練をしていた騎士達を見てたんじゃねぇのか?」
「ああ、それがリブルとジルが剣の訓練の手伝いに行ってやれって言ってな。お言葉に甘えて来たって訳さ」
ジャバウォックの質問に笑いながら答えるヴリトラ。その場にいる七竜将は皆、ヴリトラの剣の腕を知っているので、彼が訓練に力を手伝ってくれればより騎士達を強く出来るとリンドブルムやジルニトラと同じ考えを持っていたようだ。故にヴリトラが訓練に協力してくれた事を良く思っていた。
「お前が剣の稽古をつけてくれるのなら助かる。俺達の中では一番剣の腕が立つからな。それに俺とジャバウォックの二人だけで全員と訓練するには、ちぃとばかりしんどいし・・・」
ニーズヘッグも剣の訓練に来たヴリトラを歓迎して騎士達の方を向く。ラランや騎士達は七竜将の隊長であるヴリトラの剣術に興味があったのか、それが見れると聞いて少しテンションを高くしていた。
「・・・ヴリトラの使ってる剣や剣術は今まで見た事がない。どんな剣?」
ラランが今まで見て来たヴリトラの太刀筋を思い出しながら剣術を隣に座っているファフニールとオロチに尋ねる。オロチは斬月の手入れを止めてラランの方を向いて答えた。
「アイツが使っているのは皆藤流剣術と呼ばれる古くから伝わってきて流派の剣術だ・・・」
「・・・カイドウ、リュウ?」
「ああ、様々な状況に応じて戦う事の出来る流派だ。だが、今では私達の世界でその剣術を使う者はヴリトラとアイツの師匠だけだ・・・」
「・・・なぜ?」
「・・・・・・」
ラランの質問に答えようとしないオロチは黙って騎士達に稽古をつけようと森羅を抜くヴリトラをジッと見つめている。そんなオロチの顔を見たラランはこれ以上聞いてはいけないと察して話を終えてヴリトラ達の方に視線を向けた。
ヴリトラが森羅を抜き、騎士達の方を向いて「最初に誰が相手をするんだ?」と視線を向けて尋ねる。するとその様子を見ていたジャバウォックが悪戯っぽく笑い、騎士達の方を向いた。
「おい、折角だから二人ずつヴリトラに相手をしてもらえよ」
「はあ?」
ジャバウォックの突然の提案にヴリトラは目を丸くしながらジャバウォックの方を向く。
「確かにそれがいいかもな。もう昼過ぎだし、一人ずつ稽古をしてたら直ぐに時間が過ぎちまう。それにヴリトラは俺達よりも剣の腕が上なんだし、二人ずつでも余裕だろう」
ジャバウォックに続いてニーズヘッグまでもが提案に賛成する。ヴリトラはチラチラと騎士達と二人を交互に見た後に手を顔の前で左右に振った。
「いやいやいやいや!一人ずつ稽古をつけるからこそ、その騎士の長所や短所を見つけてどうするのかを教える事が出来るんじゃねぇか。二人いっぺんにやったら長所と短所を見つける事なんて出来ないって!」
「何言ってるんだ?お前は俺達の隊長だろう?それ位の事が出来なくてどうするんだよ」
「たまには戦闘以外でも隊長らしい一面を見せてみろよ」
「それって俺が普段、隊長らしくねぇって事かよ!?」
さり気なく酷い事を言うニーズヘッグとジャバウォックを見ながらツッコミを入れるヴリトラ。そんな三人のやりとりを見ていた第三遊撃隊はポカーンと目を丸くしたりクスクスと笑っている。そこへオロチが小さく溜め息をついた後にヴリトラに声を掛けた。
「それなら私とファウが動きを見て直すべきところを教える。お前は気にせず訓練をする事に集中しろ・・・」
「そうだね。ヴリトラはどっちかって言うと器用な事は苦手な方だし」
「お前等なぁ・・・」
ジャバウォックとニーズヘッグに続いてオロチとファフニールにまで皮肉を言われた事にヴリトラはイライラする。ラピュスはそんな七竜将のやりとりをただジト目で見ているだけだった。
「まったく・・・分かったよ!それじゃあ、まだ稽古とつけてもらってない奴、二人来てくれ」
渋々訓練に取り掛かるヴリトラは騎士達の方を向いて手招きをする。すると二人の男性騎士が立ち上がり騎士剣を持ちヴリトラの前で構えた。
「「よろしくお願いします!」」
男性騎士達が声を揃えてヴリトラに挨拶をする。そんな礼儀正しい二人を見てヴリトラも小さく笑い森羅を構えた。するとさっきまで微笑んでいたヴリトラはゆっくりとさっきのジャバウォックの様な悪戯っぽい笑みを浮かべて男性騎士達を見つめる。
「始める前に言っておくけど、今の俺はジャバウォック達にからかわれたおかげでちょっとイライラしてる。怪我する覚悟だけはしておいてくれよ?」
「「えっ・・・?」」
笑いながらとんでもない事を言いだすヴリトラに男性騎士達は力の無い声を思わず出す。そしてヴリトラは森羅を構えながら砂を蹴り、騎士達に向かって突っ込んだ。それから男性騎士達は不機嫌なヴリトラにしごかれてヘトヘトになり目を回した。その後のヴリトラはスッキリしたのか最初とは違い、手加減をしながら丁寧に騎士達に剣を教える。最初の訓練とは全く違う態度にラピュス達は目を丸くし、七竜将は苦笑いをしてみていたのだった。
それから数時間、七竜将と第三遊撃隊は休憩を挟みながら訓練と続けて行き、全ての訓練内容を終えた。太陽は水平線へと沈んでいき、港や浜辺ははスッカリ夕日で照られされてオレンジ色に染まっていた。訓練を終えたヴリトラ達は最後に浜辺の真ん中に集まり訓練の内容を振り返っていた。
「予定していた訓練は全部やり終えた。今日しか出来なかったからあまり明日の戦いの参考にはならないと思うけど、やらないよりはずっとマシだ。各自、今日教えた銃器の使い方と自分達の剣術で直すべきところを忘れないようにしてくれ!」
「「「「「「ハイ!」」」」」
ヴリトラの話に騎士達は声を揃えて返事をする。ラピュス、ララン、アリサの三人も真剣な表情で七竜将を見ていた。
「それじゃあ、今日は早めに休んで明日の戦いに備えてくれ。以上、解散!」
解散が掛かると騎士達は一斉に敬礼をし、町の方へと戻って行った。残った七竜将と三人の姫騎士は浜辺に残って海や近くにある岩場の方を見渡す。
「この浜辺も海賊達にとっての侵入路に可能性があるのかな?」
リンドブルムが今自分達が立っている浜辺を見ながら言った。そんなリンドブルムの隣でニーズヘッグが腕を組みながら町の方を向いて距離と状況を確かめる。
「この浜辺は港から距離がある上にかなり広い。一番町に近い所から上陸しても砂に車輪を取られて迫撃砲は運べない。此処から上陸して町へ来る可能性は低いだろうな」
「確かにそうね。それにもしこの浜辺を使うんだったら前回の襲撃の時にも使ってたはずよ?だけど、自警団の話では海賊達がこの浜辺を通った形跡はなかったって」
ニーズヘッグに続いてジルニトラは自警団から聞いた話を思い出す。リンドブルムはそんな二人の話を聞いて納得した。
「でも、迫撃砲を運ばずに海賊の人達だけが歩いて町に攻めてくるって事もあるんじゃない?」
ファフニールが話に参加してニーズヘッグ達に訊ねた。するとジルニトラはファフニールの方を向いて答える。
「考えられるけど、この浜辺の出口は港に直接繋がってるのよ。海賊達が此処から町に向かったとしても、港で待ち伏せしているあたし達とぶつかるわ。どちらも港から攻めるんだったら戦力はまとめて迫撃砲を使う人材を増やした方がいい」
「だから、港から攻めてくる海賊は皆海から来るって事?」
「可能性は高いわ」
海賊達の戦力を考えて攻め方を想像するジルニトラ。その話を聞いていたヴリトラは町の方を向いて難しそうな顔を見せている。
「だけど、ファウの言うとおり奴等が俺達の裏をかいて歩兵だけの別働隊を動かす可能性も十分ある。用心しておいた方がいい」
「そうは言うが、一体どうするんだ?もう人員の配置場所は決まってしまった。今更、変更は出来ない」
ヴリトラの隣でラピュスが作戦と配置を決定した事をヴリトラに話す。するとヴリトラはラピュス達の方を向いて笑った。
「人員は配置は変更しない。その代わり、念を入れてちょっと仕掛けをしておくのさ」
「罠か?」
「そうだ。こっちには罠のスペシャリスト、ニーズヘッグがいるんだからな」
ヴリトラは笑いながらニーズヘッグの方を向く。そしてラピュス達も揃って腕を組んでいるニーズヘッグに注目した。ニーズヘッグは突然自分に視線を向けるヴリトラ達に目を丸くして全員を見回す。
「ん・・・?ちょっと待てよ。この時間でこの砂浜にどんな罠を仕掛ければいいんだよ?落とし穴とかは作るのに時間が掛かる。今から取り掛かっても大した数は作れないぞ」
「別にそんな手間の掛かる罠を作ってくれなんていいってねぇよ。簡単なものでいい」
「簡単?」
「ホラ、フォルモントの森の戦いでブラッド・レクイエムの部隊から回収した物資の中にあっただろう?罠に使えそうな物が?」
「使えそうな物?・・・・・・ああぁ、そういう事か」
何かを思い出したような顔で頷くニーズヘッグ。それを見てヴリトラは町の方を親指で指差した。
「という訳で、浜辺から町へ続く道に幾つか簡単な罠を仕掛けておいてくれ」
「分かったよ。ただしお前も手伝えよ?」
「えぇ~~?」
「当たり前だろう!言い出しっぺなんだからな」
「ちぇ、分かったよ・・・」
ヴリトラは渋々ニーズヘッグの罠の設置の手伝いをする事を承諾。話を終えると七竜将と姫騎士達は町へ戻って行った。
無事に訓練を終えたヴリトラ達。明日の正午にはいよいよ海賊達が戻ってくる。一体、海賊達との戦いはどうなってしまうにだろうか?そして無事に勝つ事が出来るのか。