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第1話:入学式とセクハラ

下ネタが入りますので、苦手な方はご遠慮ください。


義務教育中は見ない方がいいかと思われます。

私立管嵐学園高校。


女子高生というブランドに夢と幻想を抱き、あたし安達 沙希が入学した学校だ。


しかしその夢と幻想は、あっという間に崩れ去ったのだ。




「出遅れたっ!」

中学からの友達の斎藤 千冬が言った。


「みんなさ、なんで入学式早々スカート短いの!?」


千冬的には予想外だったらしい。

長いスカートで入学式に来たことを、2時間程嘆いている。


「女子高生だもん、そんなモンよ」

あたしはもちろんデビュー成功組。


「スカートなんてまくればいいやろ」

「だからさー」

さっきなんとなく仲良くなった、飯田 夏樹と望月 あかねが言う。


「ちがうの!

3回も4回もまくったスカートじゃ、ウエストが太く見えちゃう!」

女子高生には女子高生のこだわりがあるのです。




「はい席に着けー」

もはやお約束となったセリフと共に入って来たのは、40前半くらいのおじさん。


それを見た途端、夏樹が言う。

「なんや、若い教師とムフフな展開を期待しとったわ」


「え、でも私、おじさん結構好きだよ」

あかねは、危ないかもしれない。



「えーこれから1年間、この女子組の担任をする河村だ」


女子組の説明をすると…

管高では男子をMクラス、女子をWクラスと分けるのだ。


つまり…




「あー、これから3年間男の子と出会い無いかも」

あたしは嘆いた。

だって華の女子高生、恋愛があってナンボじゃないですか。


「なに言うてんねん。合コンすりゃええ話やろ」

「夏樹は昨日も合コンだったらしいよ」


合コンね…

合コン…



合コン!?



「あ、沙希が今『合コンなんてそんな軽いコト!?』って思ったー」


ナンデ当てるんですかあかねチャン。

女のカンてヤツデスカ。


「沙希も千冬も中学でケッコー真面目チャンやろ」


ナンデ当てるんですか夏樹チャン。

女のカンてヤツデスカ。


「隠そうとしてたのに…」


ははっ、と夏樹が笑う。


「そんなん隠さんでええやん。

これから楽しむ気なんやろ?」


「…うん、バリバリ」


「ほんならうちらと気合いそうやわ」


「じゃー今度合コン決定ねー」


…合コンかぁ。

いかにもイマドキな女子高生ってかんじ。

そんなん漫画とドラマでしか見たこと無かったよ…。



でもさ、漫画だと引っ込み思案な女の子も合コン出ちゃってるじゃん?


だからイマドキ合コンなんて普通なんだよね!!

やったろうじゃないか合コン!



「世は合コンの時代じゃぁぁぁ!!」


「声に出てるよ、沙希。」






さて、時は流れて入学式が始まりました。

退屈。


まぁ入学式だからしょうがないかと思いつつも、退屈しのぎになりそうなものを探す。

すると、幸運な事に前の席は千冬。


千冬の背中に指で

「ヒ マ」

と書いてみる。

くすぐったい様で、体を震わす千冬。

これは面白い。


次は

「バ カ」

と書いてみる。

千冬は軽く床を蹴る。


今度は

「ダ ル イ」

と書いた、が、千冬は分からなかった様で、首を傾げる。

もう1度ゆっくりダルイと書くと、千冬は頷いた。


次は何を書こうかな、と考えていると、ステージ上で校長がコケたので

「ミ テ」

と書いた。

千冬からの反応が無い。

分かんなかったのかな?と思い、もう1度書こうと指を伸ばす。


と、千冬が振り返り




むにゅっ



と、変な感触。


あちゃー、やっちゃったよ。

千冬の胸にツンツン状態。


気まずい。非常に気まずい。

肩ツンツン→鼻の穴にズボ、なんてよくあるネタだけど

背中ツンツン→お胸にむにゅ、なんてもっと気まずい。


ただでさえそんな状況なのに、やっちまった。

こんな経験ゼロのピュアピュア千冬は




「あんっ」


と声を出してしまったのだ。


おかげで周りには見られるし、後で先生には怒られるし、最悪だ…。






「だって、沙希が見てなんて言うから!」

千冬が、顔を真っ赤にしている。


「でもアソコで声出すかなぁ…」

入学早々お説教を受けるとは思わなかった…。



「あんたらおもしろスギー」

すでに

「レズ」

だと噂されているあたしらに、もう誰一人話し掛けない状況で、あかねと夏樹は来てくれた。

うぅ、あんたら良いヤツだな…。


「どんまいだよー」


「ありがとよ…」

「ところで千冬さ」


夏樹がニヤつく。


「誰にも触られたコトないん?」


夏樹の指は千冬の胸を指してる。


「ドッキー!」


自分で言うなよ、ドッキーって。


「女の子にも?」


あ、今のは深い意味じゃなく、遊びでね。


中学の時とか、男子同士はズボン下ろし、女子同士は胸の触り合いとかが流行るモノなの。


「うわーピュアピュアだね」


「じゃあ、千冬はあの感覚を知らんねんなぁ」


「あの…感覚…って?」


「そりゃもちろん、あのイ…ぐはっ」


うふっ、という笑みとともに、あかねの回し蹴りが夏樹のお腹にクリーンヒット。


「全年齢対応なんだから、それ以上は言わないの」


「イテテ…でも千冬、お望みならば夏樹チャンが教えてやんねんで……ぐはっ」


2度のあかねの回し蹴りと、夏樹のセクハラで、入学式の日が終了した。



「沙希…あたし、これから大変かもしんない」


そんな会話をしながら帰った、女子高生の帰路でした。

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