陸上部
初めて書いた小説なので、お手柔らかにお願いします
空は日が落ち、まもなく暗くなろうとしている
私はグラウンドの外のベンチに腰かけていた
後輩が来るまで空を見て時間をつぶしていた
今年もこの時期になったかと、どこか他人事のように感じたのは自分がもう三年だからだろうか
いや、すぐそこにある現実から目をそらしているだけか
私は簡単にいうとスランプだった
去年までの大会では好成績、部内でも一目置かれていた、と思う
ただ、今年の冬に少し怪我をしてしまった
焦っていたのかもしれない
別に走れなくなったわけではない
傷は1ヶ月も経たないうちに完治したし、大会にだってなんの影響もない
何の影響もない、はずなんだけどな
「先輩っ 遅くなってすみません」
「思っていたより早いね」
「えっと今年は1年生が多くて、それで片付けが早く終わって」
「そっか」
そう言って、私はそんなことも知らないのかと目線を下げた
彼女の靴は泥だらけで、足はとても女子高校生のものとは思えなかった
私は頭を回そうとして、やっぱり考えるのをやめた
「最近は調子はどうだ?」
「えっとぼちぼちって感じで、でも2年生の中では1番速かったです」
返答が思いつかない
「ちゃんとストレッチはしてるか?」
「はいっ お風呂の後に毎日やってます」
どう返すのが正しいのか
「今日は… 一緒にに帰らないか?」
「えっとその… 最近いい感じのカフェを見つけてだな、そのだから…」
何を話せばいいか分からない
私はコンクリートを睨みつけながら次の言葉を探した
しかし、脳内にはいらぬ疑問が浮かぶばかりだった
いったい私は何をしているのだろうか
というかそもそも何で風は今日私を呼び出したのか
そして、私の足はどうして動かなくなってしまったのか
「先輩っ!」
私は夢から起こされたみたいに驚いた
あまりにもさっきまでと圧が違っていたから
「そんな大きい声じゃなくても聞こ…」
顔を見ると、彼女は泣いていた
いや涙を流しているわけではなかった
しかし、泣いている と感じてしまった
それと同時に私は彼女と目が合ったことにはっとした
「やっと前を向いてくれましたね」
私はずっと下を向いていたのか
すると彼女は笑った顔を作り、大根役者のようにそう言った
「前を向かないと、足は速くならないですよ」
それは、いつか私が彼女に言ったセリフだった
どんな部活の裏にもこんな青春ドラマがあるのだろうか
私はやっと足枷が外れたような気がした
セリフを言い終えた彼女は、私の反応が無いのに少し戸惑っているようだった
いい後輩を持った
そう思った
「風、今日は一緒に帰らないか?」
気づけば私は彼女に話しかけていた
「最近いい感じの帰り道を見つけてね」
彼女は嬉しそうに頷いた
「はい!帰ります!」
「それじゃあ靴を履き替えてくるよ」
彼女は嬉しそうに話しかけてきた
「先輩、負けたらアイスおごってくださいよ」
「お手柔らかに頼むよ」
もう私は大丈夫らしかった
とにかく目標に全力な陸上部の後輩ちゃんって死ぬほど可愛いですよね分かります~




