表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/34

第019章 〈冥界狼王・Ⅱ〉

2075/4/6 p.m.3:48 男子寮仮想ルーム


悠真の螺旋突・回を受けた始は倒れていなかった。


「感で腹に骨を…!」


間一髪で防御した始はさらに骨を動かし悠真の腕を捕まえる。


「捕まえたぜ!」

「まずい。」


ドガァン!!!


再度大剣を振り回し、悠真を殴る。


「残念だったな。バーチャルと割り切ればこれぐらい、どうってことねぇぜ!」


悠真は痛覚を我慢して自分の腕が壊れる覚悟で拘束を引きちぎり、転がりながら避けた。


「無理やり引きちぎりやがったか。」

「なぁ始、らちが明かねぇ。こうなったら必殺技のぶつけ合いで決着付けようぜ!」

「うっしゃ!乗ったぜ!」


二人は互いに構えをとる。悠真は右足に圧縮火炎を纏い、回転を開始させる。始は大剣を投げ捨て、全身の骨鎧を膨れ上がらせる。さらに骨の触手を複数本生やす。


「火炎ノ(まとい)・螺旋脚!!」

「鎧骨・殲滅戦車(エクスチャリオッツ)!!」


悠真は跳躍し、突撃してくる始を蹴る。二人の力が拮抗する。しかし


「こっちはまだ攻撃できるぜ?」


始は骨の触手を悠真に突き刺す。


「何か忘れてないか?」

「なんだと!?」


触手が到着する寸前、悠真は呟く。


「爆雷」


「まさか!!」


火炎突をうけた腹に爆発が生じる。

それにより始がバランスを崩す。

その巨体が、月光の下で大きくよろめいた。


「ぐ、あああっ!」


複数仕掛けた爆雷の衝撃が腹部内部で連鎖的に弾ける。骨装甲が内側からひび割れ、装甲の一部が夜空へと砕け散った。


「しまっ――」


悠真は着地と同時に体勢を立て直しす。


「今だ!」


右脚にまとっていた火炎が、さらに回転数を増す。


「弾け飛べぇ!」


渦を巻く火炎の蹴りが、始の胸部装甲へと叩き込まれる。


ドォンッ!!


衝突の衝撃で地面が抉れ、月夜の仮想空間に粉塵が舞い上がった。


「ぐ、は……!」


始が後方へ吹き飛び、数回転したのち、地面に仰向けで倒れる。

骨鎧は解除され、始の姿は人間のものへと戻っていた。


[伊上 始、行動不能により神岐 悠真の勝利。]


無機質なアナウンスが響く。


「……っ、はぁ……はぁ……」


悠真は膝に手をつき、荒い息を整える。


「くっそ……強くなりすぎだろ、お前……」


始は仰向けのまま、悔しそうに笑った。


「最後まで油断できなかったぞ。爆雷複数個仕掛けられんのかよ、えげつねぇ……」

「そっちこそ、防御力おかしいって。ああでもしないと突破できないよ。」


悠真は手を差し出す。始は一瞬だけ驚いた顔をしてから、その手を掴んだ。


「……ありがとな。いい勝負だった。」

「おう。次は負けねぇぞ。」


二人は軽く拳を合わせる。

その瞬間――

ぞくり、と。

悠真の背筋を、あの悪寒が走った。


「……?」


悠真は反射的に振り返る。

そこには、何もない。

ただ月光に照らされた訓練場と、揺れもしない影だけ。


「どうした?」

「……いや。やっぱり影がな。」


だが、悠真の視界の端で影が、一瞬だけ“歪んだ”。

まるで、生き物が息を潜めたかのように。


(……やっぱり、いる。)


仮想ルームの外へ出る直前、悠真はもう一度だけ、背後を見た。

影は何事もなかったかのように、静止していた。


-2075/4/6 ■■■■ ■■■■-


「潜入させた者から、候補者は全部で28人、そのうち継承者と思われるのは5人です。」

「そうか、ほかに火検体として使えそうな者、逸脱変換者はいないか?」

「一人、居りますが彼は…」

「かまわない。あいつには後で事故だとでも言っておけ。あいつはもういらん。」

「ハッ」

「さて、君はどう役立ってくれるのかね?騎士、そして…」


======================================


〈能力紹介〉「冥界狼王」

人狼に変身できる能力、返信すると一時的に死んだような状態になり、痛みが減少、さらに一度のみ即死攻撃を無効化できる。

人狼状態では自身の骨を操ったり、骨を召喚したりして攻撃ができる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ