第013章 〈06小隊結成〉
2075/4/3 p.m.4:20 アンダーガーデン本部
授業終了後、悠真は沙耶に従って再びアンダーガーデンの本部に来ていた。
「よ、悠真。昨日ぶりだな。」
「今回からは仲間ですね。」
「始!史郎!」
「リーダーに言われてよ、お前と同じ小隊に入ることになった。」
「小隊?」
「アンダーガーデンで行動する単位のことです。4人編成が基本なので、あと一人。もうすぐ来ると思いますよ。」
史郎がそう言い終わるとすぐ、見覚えがある声が聞こえてきた。
「悠真!昨日ぶり!今日から同じ小隊だよ!」
「舞さん!?」
「ははは、どうだ?悠真、驚いたか?」
始が楽しそうに笑う。
「いや、そりゃ驚きますよ…まぁ、今度再戦お願いします。」
「もちろんよ、今度も私が勝つんだから!」
「これで四人揃いました。私は中学のころからアンダーガーデンの下位組織に属していたので、仕組みについて説明していきますね。」
「「え?」」
悠真と舞はキョトンと史郎を見つめた。
「史郎さん、中学の頃ってどういうこと?」
「まぁ付属する中学校があるとは聞いてたけど、史郎がそこから上がってきたとは知らなかったわ。」
「あ、俺もだぞ。」
「「え?」」
そう言う始に再び悠真と舞はキョトンとする。
「まぁ、中学の奴らの大多数は軍学校に行くからな、能力訓練学校に上がってくるほうが少ない。」
「そんなことはさておき、説明に戻ります。」
史郎はさっさと説明に戻る。
「まず結成されたばかりの小隊は初任務と称して親睦を深める食事に連れていかれます。実際の初任務は呼び出しを待つ必要がありますので、遅い場合だと数週間待つ場合もありますね。」
「あちゃーー、言われちゃったわね。」
「「「「沙耶さん?!」」」」
いつの間にか悠真たちの隣に沙耶さんがいた。
「もー、新入りにはサプライズでご飯に連れていく文化なんだけど、史郎君と始君は中学のころからやってたか!まぁじゃ、そのへんはもういいかな。第06小隊、今日はここまで!ご飯行くよ!」
「やった!」
舞が両手を上げて喜ぶ。
「ちゃんと予約も入れてあるから。ほら、行こ行こ。新入り歓迎会ってやつ!」
半ば押し出されるように、四人は本部の通路を歩き出した。
緊張していた空気は、いつの間にか抜け落ちている。
「いやー、まさか本当にご飯とは。」
「史郎が余計なこと言わなければ、もっと驚けたのにー。」
「それは悪かったですね。」
軽口が飛び交う。
悠真も、少しだけ肩の力が抜けていた。
__初任務、って言っても、今日は顔合わせだけか。
そう思った、その時だった。
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[警告 異常空間発生]
[レベル:未確定]
[周辺区域、即時封鎖]
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けたたましい警報音が、本部全体に響き渡った。
「……っ。」
全員の足が止まる。
壁面の照明が赤く切り替わり、通路の先にホログラムが展開された。
市街地の地図。その一点が、脈打つように黒く染まっている。
「マジかよ…」
「タイミング、最悪ね。」
舞さんの声から、さっきまでの軽さが消えた。
沙耶さんは近くにある端末を操作している。
その表情は、完全に任務モードだった。
「第06小隊、備え!」
「はい。」
史郎と始が即座に返事をする。
「異常空間の発生を確認。他の小隊は戦闘向きじゃない02意外出払ってる。」
悠真の胸が、どくりと鳴る。
「え、じゃあ……」
「そう。」
沙耶は、はっきりと言った。
「今から、正真正銘の初任務よ。」
一瞬の沈黙。
「……ご飯、持ち越しね。」
舞が小さく笑うが、その目は真剣だった。
「生きて帰れば、ちゃんと奢るわ。」
「約束ですよ、沙耶さん。」
心臓の鼓動が、やけに大きく聞こえる。
だが、不思議と足は震えていなかった。
「みんな。」
沙耶が、真っ直ぐに全員の見る。
「やばかったら、無理しなくていい。撤退判断は、あなたたちに任せる。」
「……はい」
06小隊は沙耶についていきアンダーガーデン本部の転移ポイントに立つ
「よし、現場に最も近い転移ポイントに送るわ。」
「みんな準備はいいか!」
始の叫びに答える前に、06小隊は転移を開始される。
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〈組織紹介〉「アンダーガーデンの組織構造」
結成されたばかりの06小隊を合わせて高校のほうは計30人。中学のほう、アンダーガーデンの下位組織、名前は特別実働補助委員会中学部で通称ストーンランドの人数は計20人。
今回はアンダーガーデンに限って説明する。
まず01~06の小隊があり、様々な事象に対処する。各小隊は4人で構成され、小隊に組み込まれていない沙耶さんを除いた5人は小隊の欠員に対応するためにいる。
もっともよく対処するのが能力者の暴走で、任務が無い場合は本部で訓練をするものが多い。道具が学校中にある訓練場で最も新しくいいやつだから。




