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☆番外003☆ 〈加速野郎と異世界・Ⅰ〉

2075/4/2 a.m.1:44 矢馬杉高等学校


俺は三倉隼人みぐら はやと、1か月前、能力訓練学校の入学戦で変な炎を使うやつに負けてから自堕落な生活を送っている。今日はダチが高校の旧校舎のトイレで幽霊を見たって言うからついていったが、幽霊なんているのか?誰かが能力を使っていたずらをしたとしか思えないぜ。


「おーい、隼人!来たか!」

「礼司、お前ほんとにまだ幽霊とか信じてんのか?ばかばかしい。」

「いたんだよ、この目で見たんだ!マジだ!」

「ほんとかなぁ~?」


そんなことを言いながら俺の能力で俺と礼司を加速させ、跳躍で学校の裏から旧校舎の二階へ飛ぶ。


「やっぱ便利だよなお前の能力、俺のとは大違いだぜ。」

「俺はお前がうらやましいよ、応用で何にでもなれるんだろ?」

「でもマジで痛いぜ。」


こいつの能力は血肉変異ブラッドミュータントは自分の肉体を自在にいじって形や性質を変えられるもの、ただし滅茶苦茶に痛いらしい。


「ついたぜ、ここが例のトイレだ。」

「花子さんがいるわけでもないだろ。今何年だと思ってんだ?2075だぞ。」

「まぁまぁ、木造じゃなくてもいるかもしれないだろ?」


礼司はトイレの個室を開けていく。


「はぁなこさん、あーそびーましょー。」

「やるにしても女子トイレじゃないか?」

「雰囲気だよ雰囲気、あ、」

「おい、何が…」


驚いた。最後の個室の中には、便器ではなく、サイバーパンクな箱がおかれていた。


「おい、礼司。ここ昼は普通のトイレだったよな?」

「ああ、そうだ。まさかこんな物が…よし触るか。」

「いや危ねぇだろ!ヤバいって、聖遺物だったら俺たち捕まるぞ…」

「何事も挑戦だよ。あとお前Cランクだろ?なら申請すれば大丈夫でしょ。」


礼司は隼人の制止も聞かず、箱に触れる。

次の瞬間、二人をめまいが襲う。


「うげぇ…」

「な、んだよ、俺もかよ…」


次に目を覚ますと、そこは学校に似た異空間だった。個室から出て外を見てみても、月も星もない。完全な闇に包まれている。


「ごめんな隼人…死ぬときは一緒だ…」

「巻き込むなよ!まぁ侵入に協力した俺も悪いけど!」


さっきの箱ももうないので仕方なく学校を探索することにした。


「……なぁ礼司」

「なんだ?」

「学校、昼より広くないか?」


廊下の先がやけに長い。

本来なら突き当りにあるはずの階段が、地平線みたいに遠い。


「異空間特有の歪みってやつじゃね?」

「軽く言うな!もっとホラーにビビれよ!」

そのとき。


__ガキィン。


金属が擦れるような音が、どこかから聞こえた。


「……今の、聞いたか?」

「ああ。たぶん、俺たち以外に何かいるな」


礼司がそう言った瞬間、廊下の照明が一斉に点灯した。

ただし、白じゃない。

赤黒い、夕焼けみたいな光だ。


「うわ、雰囲気作りすぎだろ。」

「隼人、後ろになんかヤバそうなのが…」


反射的に能力を発動する。

世界が一瞬、引き伸ばされる感覚。

(加速!)

振り返ると、さっきまで何もなかったはずの廊下に、人影が立っていた。

いや、人……か?

セーラー服とマフラーを着ているが制服が違う、この学校の関係者とは思えない。

よく見ると猫耳が生えているようにも見える。


「……生徒か?女に見えるが。」

「違うな。あれは――」


人影が、こちらを向いた。

次の瞬間、床を蹴った。


「速っ!?」


俺は礼司を抱えて横に跳ぶ。

影は通り過ぎ、壁に激突した……はずなのに、そのまま壁に溶け込んだ。


「壁、貫通したぞ今!!」

「幽霊確定じゃねぇか!」


壁の影から何かがにゅるりと出てくる。それは変形し、先ほどの猫耳の少女となった。


「あなた達、誰?アンチちゃんと訓練してたんだけど。出て行ってもらえる?」


とんでもなくまずい予感がするぜ。


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