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第011章 〈再現された暴走・Ⅱ〉

2075/4/2 p.m.4:39 地下訓練区画


覚悟を決めた悠真は炎の防御を展開する。


「覚悟とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!」


舞の必殺技、圧空乱斬のように炎を圧縮し硬化、それを展開して思いっきり踏ん張り、メタルスーツの拳を受け止める。


「重い、が!いける!」


メタルスーツの腕を思いっきり引っ張ることでバランスを崩し、跳躍


「トドメだ!『火炎螺旋』!!」


悠真は手のひらで圧縮硬化した炎を回転させ、落下の勢いを利用しながらメタルスーツに叩き込む。


高速回転する炎はメタルスーツの装甲を削りながら破壊し、甲高い金属音とともに内部構造へと喰い込んでいく。


衝撃は一点に集中し、耐圧用に組まれたフレームが限界を迎え、ひしゃげ、裂けた。


[警告。疑似暴走体、装甲耐久率――30%を下回りました]


「……まだ、動くか!」


悠真は着地と同時に後方へ跳び、炎の圧縮防御を即座に再展開する。

次の瞬間、破壊された装甲の隙間から、異様な駆動音が響いた。


ギギ、ギギガガガ……。


メタルスーツは片腕を失いながらも、痛覚の無い機械として、脚部で地面を蹴り、突進してくる。


「くっ……!」


衝撃波が走る。

防御用に展開した炎の壁が軋み、圧縮を維持できずに揺らいだ。


重く、速く、容赦がない。


歯を食いしばり、悠真は足を踏み込んだ。


「俺は__再現されているだけの過去に、負けねぇ!」


炎が、応えた。


感情に引きずられた追従ではない。

数値を意識し、出力を抑え、形状を整え、“真に意志で扱う炎”へと変換する。


「展開――『炎盾』!」


悠真の周囲に、幾重にも重なる圧縮炎の盾が形成される。

メタルスーツの突進はその一枚目を突き破るが、速度が削がれ、二枚目、三枚目で完全に失速した。


「今だ……」


悠真は地面を蹴り、低空で滑り込むように距離を詰める。


「もう一度……終わらせる!」


右拳に、炎を一点集中。


限界まで「圧縮」「回転」「収束」


「『火炎突・爆』ッ!!」


拳が装甲の裂け目に突き刺さった瞬間、

内部で溜め込まれていた熱と衝撃が解放され、メタルスーツの胴体が内側から爆ぜた。

――ドンッ。

低く、重い音。

金属の巨体は数歩よろめき、

そのまま前のめりに崩れ落ち、動かなくなった。

[疑似暴走体の機能停止を確認、訓練を終了します]


静寂。


炎を解除した悠真は、その場に膝をつき、大きく息を吐いた。

「……はぁ……はぁ……」

手が震えている。

だが恐怖は無い。

(制御できた)

悠真は拳を握りしめる。

初めて、自分の力を完璧に制した実感がわいた。

地下訓練区画の天井灯が、静かに彼を照らしていた。


「ディ・モールト ベネ、非常に良かったわ。まさかBランクに調整したメタルスーツを倒すなんて、今の貴方なら舞にも勝てるはずよ。しかも戦いの中で成長するとは、さすがに予想外ね。」

「ありがとうございます!」

「まぁいい記録が取れたから今日はもう帰っていいわよ、明日放課後に本部のホールに再集合してね。初任務に行ってもらうわ。」

「はい!」


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〈技紹介〉「悠真編」

今まで登場した悠真の必殺技を紹介します

・火球:オーソドックスな火球、試しの技として使っている

・爆雷:火を隠しておくことで相手が近づくと起爆させる技

・不知火:004章で使っていた相手にばれないように炎を近づける技

・火炎螺旋:舞の圧空乱斬をヒントに圧縮した炎を回転により強化、ぶつけることで莫大な

威力を生み出す

・炎盾:圧縮した炎を何層も重ねることで攻撃を防ぐ技、Bランクのフルパワー一発分なら受け止められる

・火炎突・回:火炎螺旋を鋭くしたもの、破壊力は落ちるが貫通力は上がる

・火炎突・爆:火炎突・回がめり込んだ状態で爆発させることで内部から相手を破壊する技


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