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レベルの確認



「どうだった?」

「え?あの兎の話?」

「うん。」

「軽い……かな?サッカーボールとかよりもだいぶ軽く感じたね。」

「他には?」

「特にないよ。俺はカーネと違って蹴っただけだからね。」

「そう。」

「うん。それでカーネはどうなの?戦ってみて。」

「弱い。あれなら武器もスキルもいらない。弱すぎてスキルをどうするか判断もできない。」


あの兎のことが可哀想に思えるくらいの評価だね。


「でもカメラとマイクを試すことはできた。」

「出来たの?」


戦いが終わってから確認している様子は無かったけど……


「うん。」

「いつ確認したの?」

「動きながら。」

「えっと、兎と戦いながらってこと?」

「戦いと言うほどじゃない。」

「それでも配信の画面が邪魔じゃない?」


常に視界の中心に配信の映像が流れている画面が表示されてるのはいくら画面が半透明な上に相手が弱かったとしても邪魔になると思うんだけど。



「たしかに邪魔だけど視界の端の方に動かしてるから平気。」

「え?動かせたの?」

「知らなかったの?」

「普通に知らなかったんだけど…」


俺がそう言った瞬間乙音は笑いを堪えたような顔をしながら説明を始めた。



「右下に丸いマークがある?」

「右下……あるね。」

「それを押しながら指を動かす。そうしたら一緒に動く。その横にあるバツのマークを押せば視界から消える。」


試してみると乙音の言う通りに画面が動いたり消えたりするのだった。



「本当に動かせるね。」

「私は嘘を吐かない。」

「それが嘘だよね?」

「そんなことはない。」

「そう?」

「うん。」

「今はそう言うことにしておいてあげるよ。」


乙音は嘘を普通に吐くからね。過去のことを言っても良いけど無駄だから今は黙っていることにしよっと。


そろそろカメラの感想を聞くことにしようかな。



「それでカメラ…とマイクはどうなの?」

「基本的には問題と思う。でも私の目線の方がいいかもしれないから色々試してみる。」

「カーネの目線?そんなことが出来るの?」

「正確には私の眼の位置…眼の前にカメラがあるみたいな感じ。だから少し違う。」

「えっと……コンタクトみたいな感じ?」

「眼鏡の方が近い。眼鏡のレンズの位置にカメラがあるって考えたらいい。カメラは眼鏡と違って1つだから少し違うけど。」

「1つ…それならレンズって言うよりも鼻あての位置なのかな?」

「鼻あてでも良いけど1番正確なのは多分フレームの一部。」

「レンズ同士の間のフレーム?」

「そう。だけど私も設定を変えたことは無いから多分としか言えない。」

「そっか。」

「うん。」


まぁ、乙音なら上手い具合に使うだろうから心配はしないで良いかな。




「今のでレベル上がった。」


乙音がそんな言葉を発したのは追加で10羽の兎を狩ったときだった。


「おめでと。何が変わったの?」

「こうなった。」


乙音がそう言った瞬間、画面が目の前に現れた。



名前:カーネ

種族:人間

所属:なし

レベル:1


筋力:30

防御:15

敏捷:20

知能:25

器用:15

魅力:15


スキル:なし


称号:なし


ステータスポイント:10

スキルポイント:20



あ、レベルが上がる前のステータスを覚えてないや。これを見ても意味ないね。



「何が変わったの?」

「共有出来てない?」

「出来てるよ。ただレベルが上がる前のステータスを俺が覚えてないってだけだね。カーネは覚えてるの?」

「スクショがある。そもそもレベルが上がることでの成長はどのレベルでも同じだから分かる。」

「仲間だね!」


そのように俺は笑顔で乙音に話しかけたのだけど…


「一緒にしないで。私はショウと違ってどこが変わったか分かってるから。」


すぐにそのような否定の言葉が返ってきた。引き下がるのは悔しいから言い返そうかな。


「俺も分かってるよ?」

「どこ?」

「全部?」

「全部じゃない。」

「数字は全部変わってるよね?」

「…変わってる。」

「それじゃあ変わらないね?俺も分かってるからさ?」

「ショウが違いを具体的に言えれば認めるかも。」


別に認められなくても良いんだけど……なんか悔しいから本気で考えよっと。まず簡単なのはステータスポイントだよね。確か使い切ってたし。


「ステータスポイントがプラス10されてるよね?」

「うん。他は?」

「スキルポイントがプラス5かな?初期が15だったはずだから。」

「…次は?」


ここからが問題なんだよね。正確な数字なんて覚えてないから。でもどの数値も綺麗なのが気になるね。全部5の倍数だから増えたのは5か10か……多分5かな?仮に10なら15なんて数値があるはずないからね。レベルが上がる前まで5だったってことになるから。それと人間はバランス型らしいから……全部プラス5の合計30かな?多分。



「全部5ずつ増えてるよね?」


実際は予想でしかないんだけど……間違ってると思えないし自信満々で良いよね。


「……うん。」


と、少し悔しそうにしながら乙音は端的に答えるのだった。



「流石に予想が簡単だったから悔しがられても困るんだけど。」

「…私が人間を選んでて良かったね。人間は分かりやすいから。」

「まぁ、そうかもね。多分30増えるのは一緒な気がするけど。」

「一緒。人間は全部5ずつ増える。他…例えば天使なら魅力が10増えて他が4ずつ増える。他は何も変わらない。」

「他から1ずつ魅力に移るってこと?」

「そう。他の種族もそれぞれの対応する能力が増える。」



平等なように聞こえるけど少し気になることがあるね。


「AIが種族間の平等みたいなことを強調してた気がするんだけど、本当に平等なの?」

「数値は平等。実際は不平等。実際ベータテストで不満が出てた。だから多分何か変わってるとは思う。今のところ分からないけど。」

「防御の影響が大きくなってたりってこと?」

「そうだけど今のところ感じたことは無いしネットでの報告もない。それに多少影響が大きくなってたとしても誤差。攻撃に当たれば死ぬかも。避ければ死なない。これは変わらない。」

「それはそうだけど……全ての攻撃を避けられるわけないと思うよ?」

「それは当たり前。だから勝てない時は勝てない。どんな種族でも、どんなステータスでも、どんなプレイスキルでも。そういう意味では平等かも。」

「勝てないときは平等にあるからってこと?」

「うん。」

「そっか。」

「うん。」



あれだけ平等って強調してて何の調整もしてないなんて思えないから何か調整してそうな気がするけど……でも乙音がこのくらいのことを考えてないとは思えないから……まぁ良いや。所詮ゲームだし何かあればその時に考えよっと。



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