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話し合い


「配信したいから手伝って。」


突然そう言われ、俺は少し戸惑いながらも乙音に気になることを聞いていくことにした。


「なんで?」


聞くことは他に色々あると思うけど他の言葉が俺の中に浮かんで来ることはなかった。



「稼ぎたいから。」

「お金の為?」

「それ以外にある?」

「あると思うよ?憧れ〜とか色々。」

「ショウは前提を忘れてる。」

「前提って?」

「私が言ってるってこと。他の人なら別の理由があるかもしれない。でも私に他の何かがあると思う?」

「無いね。うん。」


乙音の性格を一言で言うなら実利第一。勿論利益が無くても何かをすることはある。でも数としても質としても圧倒的に少ない。そんな乙音が他の理由で始めようとする可能性なんてほぼほぼ無いことだった。



「それで返事は?」

「待って。まだまだ聞きたいことがあるんだけど。」

「何?」

「何って……ちょっと待って。」

「ちょっとは待つ。」

「それで良いよ。」


何を聞くべきなんだろうね?うーん、何をするつもりなのかと手伝いって何をなのかとりあえず聞くべきかな。



「とりあえず聞きたいんだけど、配信って何をするつもりなの?」

「HWP。そもそもHWPにショウを誘ったのは配信を手伝って欲しいから。」

「どうしてHWPなの?」

「設備が必要無いのと収益性の高さ。それとライバルが少ないから。」

「前半の2つは一先ず置いておくけど、ライバルが少ないってどうしてなの?」

「既に知名度のある配信者でこのゲームをする人は少ないから。」

「新しいゲームなのに少ないの?制作会社も普通に有名だと思うんだけど。」


HWPの制作会社は広探(こうたん)。俺が生まれた時には既にあったゲーム会社でRPGを多く出してる有名な会社なはずなんだけど……



「確かに有名だし新しいゲーム。だけどHWPの特徴的に少ない。それにやる人数が少ないのも私が調べて確認してる。」

「特徴?」

「長くなるからあとで話す。」


手伝うことが決まってるような気がするんだけど……



「なんだか手伝うのが決まってない?」

「決まってない。どっちにしてもあとで話す。」

「それなら良いんだけど。それから…上手くいく勝算はあるの?」

「勝算はある。でもやってみないと分からない。ただ上手くいかなくても問題はない。」

「問題無いの?」

「初期投資がほとんど無いからマイナスにはならない。」

「ほとんどってことは少しはあるってことだよね?」

「VR機器とHWPだけ。配信関係なくHWPはするつもりだった。VR機器は大半が元々持ってるもの。」

「そっか。それなら……」

「良い?」

「待って。最後に聞いておかないいけないことがあるから。」

「何?収益の割合?」

「それは考えてなかったけど一応聞いておくよ。」

「50%のつもり。」

「俺と乙音で半分ずつってこと?」

「そう。」


いつもの乙音なら俺が1%とか言ってきそうなのに50%……本当にやりたいんだね。それなら手伝ってあげたいけど……聞いておかないとね。



「収益は別に何%でも良いんだけど、仮に俺が手伝うってなったら何をすれば良いの?」

「私と一緒に配信に出て。」

「収益の割合からしてそうだとは思ってたけど、どうして俺に手伝ってって言ってきたの?裏方をしてって話なら収益の少しで良いから頼んでくるのも分かるんだけど、出る代わりに5割も渡すとなるとそれは収益のマイナス?が大きくなりすぎない?カーネの目的からしてそれは良くない気がするけど。」

「ショウが出てくれたら私1人の場合よりも2倍以上になると思うから問題ない。」

「俺にそんな力はないよ?」

「嫌なの?」

「嫌ってわけでは無いんだけどちょっとね?」

「……そう。」

「あー……」


そう俺が言った瞬間乙音は少し顔を俯かせた。乙音の顔は見えないけど多分泣きそうになってるんだろうね。乙音のそんな姿は見たくないし別に嫌でもないから……ま、いっか。



「分かったよ、俺も手伝うから一緒にしよっか。」

「っ…本当?」

「こんな嘘を吐いて何になるの?本当だよ。」

「ありがとう。」


そう言った瞬間の乙音の顔はどこか輝いて見えた。さっきの顔じゃなくてこっちの方が良いね。


「まだ何もしてないけどね。」

「それはそう。でもショウが手伝ってくれる……一緒にしてくれるなら上手くいく気がする。」

「そんなに期待されても困るんだけどね。」

「そう言われても期待しておく。」

「そっか。ま、上手くいくように頑張ろっか。」

「うん。」


そんな返事をした乙音は普段と違って眩しいくらいの笑顔をしていた。こんな良い笑顔をされると頑張るしかないって思ってしまうね。


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