懐(怪)の音
気づいたけどもう一年たってるのね書き始めてから
巨木が宙に浮く。
轟音を立てながら倒れる。
いや先刻倒したんだっけ?「おi!おkro!」
誰だ?五月蠅いな。なんかいまスゲェ眠ぃんだけど。
ていうか担がれてる?まずここどこだっけ?オレ...何し...て...
......
.........
ついさっきまであんなに青々と...いやあの色で「青々と」はおかしい気もするが...生えていた葉をすべて切り落とされ完全に剥げてしまった世界樹。どうやら再生能力はないようで再び葉が生えてくる予兆はない。
「まあ、もちろんこの程度で終わるわけもないからねぇ……」
鏡夜センパイが、随分と気楽そうに呟く。
ついさっき死にかけたオレとは大違いで、息一つ上げず落ち着いた佇まい。
ここまで実力の差を感じると結構気落ちするものだ。
「足手まといってやつぅ...」
「んなことないよ。でも役に立ちたいってんなら...」
センパイが発言と同時に飛ばしたノイズでの攻撃を皮切りに、世界樹が動き出す。怒りか痛みか、巨体を左右に揺らし体をひねっている。ばねみたいに幹が伸び縮みする。そのたびにダンジョンが揺れた。床のヒビが、さっきより明らかに広がってる。
「俺のこと、ちゃあんと守ってみせなよ?」
...そーだよなぁ。この人はそういう人だよなぁ。
勝手に自分と比べられてネガティブ出されるの嫌いな人だもんなぁ。
んでふてくされると攻撃も防御もしない。全部他人まかせ。
「ホントーに...メンドーな人ですねぇ...(笑)」
次の瞬間、世界樹はその巨木を宙に放り投げ根の側をこちらに向け、ぐるりと回転。そのまま根を高速で伸ばす。
オレも同時に『高速思考』のスイッチを入れ、処理速度を上げる。
(右端から細いやつも含め...大体100本以上?細いやつなら簡単に切れるだろうが、大半がぶっとい根っこ。おそらくオレと先輩がいる地点に到達するまでに3秒もかからない。普段の『加速』制限内だと切れないだろうな...。)
「体にガタ出るしあんま使いたくないんだけどなぁ...」
......
.........
「鍛冶人」内の権能「加速」
あらゆる動作を倍速で加速し過度な使用は身体に負荷をかける。
彼が現在負荷なく使用できる倍速上限は「6倍」
.........
......
制限時間は1.2秒...ってとこかな...
『全部他人まかせ』...でも全部を任されるのはオレだけだからね。
期待には答えないと♪
「制限加除。『13倍速』」
手始めにオレ達に目の前まで伸びてきた根20本ほどを一撃で切り落とす。0.3秒。球形に広がったダンジョンの床、壁、天井を伝いこちらに向かってくるそれらを叩ききり、切り落とし、ねじ切る。ここまでに0.5秒。
1秒でもオーバーすれば後の戦いに支障をきたす。最適解を求め続けろ。
(次右上その次真下次後方次...)
視界に移るのは巨大な5本とある程度の太さのもの13本がまとまった根。場所はこのボス部屋の中央。
いける!
根の上部に跳び、双剣を振りかぶる。双剣に『精錬』の権能をかけ巨大な根に叩きつける。後は押し切るだけ!
「ってあれぇ...?」
ここまででちょうど1.2秒。
...びくともしない。まず木を切ってるというより鉄とか金属物を切ろうとしているような感触が手に伝わってくる。
「これってぇ...」
きれいに切り落としてきた根もすっかり再生。すでに狙いをオレに定めて高速で伸びてきている。
(しくったぁ.「よぉくやった!」
背後から声が響く。
「百点満点だ、赫弥!」
次の瞬間、隣に屈んだセンパイの姿。オレが切ろうとした根に触れている。
「界断記 Ⅳ番 東雲」
世界樹がノイズで覆われたように見えたのもつかの間、塵になるまで切り刻まれた世界樹は一気に崩れ去った。
「...よくここまでつなげた。さっきも言ったが上出来だ!」
.........
......
もともと幹だったものの残りかす。私をここまで追い詰めた二名。一人は長髪。もう一人は...
「縺ソ縺、縺代◆繝溘ヤ繧ア繧ソ隕九▽縺代◆Ме сійӧс аддзи...」
「ミツケタ」
今年はもっと小説も絵も忙しくならなくては...




