プロローグ
文章力 初心者なので文字数めっちゃ少ないですご勘弁。
男は好きだった。
殺す事が好きだった。
痛めつける事が好きだった。
血を見るのが好きだった。
心を折るのが好きだった。
だから殺した。
人生をかけて。
死んでからも。
殺した。
狂気で狂喜が狂飢した。
ひたすらに狂い。ひたすらに喜び。ひたすらに飢えた。
男は止まらない。
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◇オーメリ城地下監獄◇
ボロボロの少年が、監獄内に収監されていた。
少年の名はシテン。
髪の長さは、少年のそれではなく地面に垂れ流され、顔のパーツさえハッキリとはとらえられないほど伸びている。
もちろん体全体が鎖で縛られており、足は愚か、手すら動かすことは出来なかった。
シテンは監獄での暮らしに飽いていた。
シテンにとっては殺しが全てであり、殺すことの出来ない監獄暮らしは地獄も同然であった。
シテンは暇だと思い、檻の外の見張り看守に話しかける。
「な゛あ…がんじゅ…俺はいづになっだら…じゃぐほうざれる?ごこのぜいがづは…づまんね゛えぞ…」
「知らねーよ罪人、お前がどうなろうと俺には関係ないからな」
暇だから話しただけであって、シテンは答えなぞ返って来るとは考えもしていなかった。
いつもなら必ず無視されるからである。
シテンは、今日看守に何かあったのだなと、確信めいた物を感じた。
「何があ゛っだのが?」
「……」
「お゛い!!じゃべれ!!」
看守は沈黙を貫こうとするが、シテンが殺気を向け、激高すると仕方なく喋りだした。
「い、今上層部でお前を戦場に起用すべきだという声が上がってるらしい…正直お前をここから出すのは反対なんだがな」
それを聞いてシテンは上機嫌になる。
「ぜんじょうが…ぞごならいっばいごろぜるな…フフ」
口角を上げ、不敵に笑うその姿は、まるで悪魔の様に不気味で恐ろしいものだった。
「話に出ただけだ、まだ起用するとは決まっていない」
「いいや゛がんじゅ、俺はぜんじょうに出るだろうよ゛、ぜっだいに゛ぎようざれるざ」
看守は確信したようなシテンの顔を見て、話さなきゃ良かったと後悔していた。
殺人鬼に国の未来を背負わせるのは、正直気が進まないのが本音だったからだ。
だが、シテンを戦場に起用すれば確かに戦力増強にはなる。
看守は困ったなと思い、ため息を吐いてその場を後にしたのだった。
「お前が出てこない未来に掛けておくよシテン」と。