プロローグ
~プロローグ~
「リンダが、その村の・・?」 「ええ。」 「あの―――。それは、良い考えだ。」
「――それでは。この計画は―――を使おう。一人二人・・そうだな、若い娘なら警戒もされないか。・・・計画開始。」
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神から授かった、偉大なる力。そんな能力者の村がある。彼らの殆どは不老不死、と言われる程に強いからだと一つの力を持って生まれた
はるか昔に、彼らは神の僕として造られ、神は奴隷のように彼らを飼い、そして証に刻印を押す。縛りの鎖と服従の血を表すその刻印は、‘‘力あるもの‘‘の証でもあった。
やがて、時が流れ開放された彼らは力と存在を隠すように森の中でひっそりと暮らし、協力し合い、唄が流れて笑顔が溢れる幸せな村を作った。何年も前、一人少女がいなくなったこと以外は事件も無く、なにひとつ不幸が無いような。
「お姉ちゃん!早く、早く。綺麗だよ!!」
「まっ・・て、待ってよ、エリカー!」 遠くで響いたのは、村の長の娘、アイリスとエリカの声。
姉のアイリスは「奪う」という稀で危険な力を持って生まれ、その代償のようにエリカは殆ど能力を持っていない。・・いや、違う。刻印はあるが、誰も、両親さえもその能力を知ることはなかった。
アイリスはその力を使うことを硬く禁じられ、そして其れを守った。二人とも可愛らしくて、村のみんなに。好かれていた。
そんなとき。遠い地で行われた一つの計画を、彼らは知る由も無い。