1-46【お見事!遺伝子!!】
◇お見事!遺伝子!!◇
ふっふっふ……どうもこんにちは。
俺の名前は、ミオ・スクルーズって言うんだ。
サラサラの金髪、エメラルドのような綺麗な瞳。
身長は……142㎝にもなった。
そうとも、俺はもう十歳だ。
この世界に転生し、赤ちゃんからやり直していた俺も、とうとう十歳なんだよ!!
あぁそうだよ!精神年齢は四十歳だよ!でもそれは言ってやるなよ!!
俺が可哀そうでしょうが!!
三歳の頃、あの【女神イエシアス】との出会いによって、俺の考えは異世界でどう過ごすかにシフトした。
勿論初めは、剣と魔法の世界だって言われてワクドキの転生だったよ。でもな、結果はド田舎スタート、しかも本当に何もないような、子供が野原でかけっこしているような場所だったんだ。
剣も無ければ、魔法なんて誰も使わないから見たこともない。
魔物なんて現れなければ、騎士や傭兵なんて存在しているかも怪しい場所だ。
あの女神……えっと、なんだっけな。
俺をこの世界に転生させた……うん、まぁいいか。
今、十歳になった俺は学校にいる。
一昨年から通い始めて、もう二年。
人口の少ないこの村ならではだが、日本で言えば、小中高が統一された感じで、十三歳のクラウお姉ちゃんも、十五歳のレインお姉ちゃんも一緒に通っているんだ。
そんで俺は今日、当番を任された掃除係を遂行するため、掃除用具を持って必死に優等生をしている。
毛先がボロボロの、スカスカの箒だけどさ。
「――ミオ」
おっと、掃除をしていたら俺に声が掛かった。
しっかり応えないとな。
「――って、なんだ……アイシアか」
「な、なんだって何よぉ」
入口から声をかけて来たのは、同級生のアイシア・ロクッサ。
そう……ロクッサ。オヤジ殿の元カノ、リュナさんの娘だ。
四歳の時に初めて会って、何故かそこから凄い懐かれた。
オヤジ殿とリュナさんは「これは運命!」と言っていたが、何の事かはさっぱりだったが……そしてそれから六年だ。
付き合いも長いと言えば長いんではないか?
「いや……だって先生かと思ったし?」
先生は、レインお姉ちゃんの時から変わらない。
ポロッサ先生だ。
「ミオって、先生には素直よね~」
うん、素直って言うより、優等生の皮を被ってるからな。
印象良く思われたいじゃん?この村には推薦も何もないけどさ。
「……顔はいいのにね」
「……ふっふっふ」
そう、聞いてくれよ。アイシアが言うように、顔が良いんだよこれがさぁ!
前に言ったよな、両親が美形で俺がブ男だったら、もう一度転生するって!
よかった、リセマラはなかったよ。
遺伝子に感謝だな。
お見事だよ、ルドルフとレギンの美男美女の遺伝子!!




