表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

143/1304

2-55【目利き】



◇目利き◇


 集会所で、【スクロッサアボカド】を切る人物……クラウ姉さん。

 その通り。クラウ姉さんには、アボカドを綺麗に切って貰う為に来てもらったのだ。が……なんかミーティアさんを(にら)んでませんかねぇ?

 俺の知らない所で何かあった?すんげぇ怖いんですけど!


「……ミオくん。これを、食べたらいいの?」


 ミ、ミーティアさん全然動じないじゃん!

 睨まれてるの気付いてるよね?

 アイシアだったら泣く泣く逃げ帰ってしまうぞ。


「――はい。新しい野菜が……あ、いや果物(くだもの)、だよね?」


 俺はクラウ姉さんに確かめる。

 するとクラウ姉さんは、ナイフをくるくる回しがら。


「そう、アボカドは果物(くだもの)。野菜と思われがちだけどね」


 そうらしいよ。正直に言えば、俺も野菜だと思ってたし、少し前にアイシアも野菜って言ってたからな。同じく間違えてたね。


 まぁ木に生えるんだし、冷静に考えれば簡単だったな。

 いやでも、イチゴとかは分類的には野菜なんだぞ?ややこしくない?


「うちの農園で、今後収穫する予定のものです。ミーティアさんに試食してもらいたくて」


「私に?……あ。うん、分かったわ」


 理由に一瞬で気付いたようだ。

 流石(さすが)に、自分が持ち出しただけあって(するど)いね。


「お二人も是非(ぜひ)食べてみてください……」


「ええ」

「あ。僕はいーです」


 素直に返事をするジュンさんに、寝転がったまま断るリディオルフさん。

 ああそうかよ。ならジュンさんだけでいいよ!


 クラウ姉さんが、切った切り身を木串に刺す。

 見栄(みば)えは微妙だが、ぐちゃぐちゃになるよりはマシだろう。

 あと、クラウ姉さん(このひと)リディオルフさんに怒ってません?


 木串に刺さったアボカドの切り身を、ミーティアさんとジュンさんが口に運ぶ。


「じゃあ、いただきます……」

「いただきます」


 どうぞどうぞ。


「――なにこれ!!美味しっ」


 お、ジュンさんにはウケたな。

 ミーティアさんはどうだ?


「……これは、このまま食べるのかしら」


「え……っと」


 味よりも先に調理法か……流石(さすが)なんだろうな。


 俺はクラウ姉さんを見る。

 クラウ姉さんは、ナイフを拭きながら返答。


「違うわ。調理方法は様々よ……でも、何かに乗せたり、サラダにしたり、パンに(はさ)んだり……そう言った方法が(しゅ)


「なるほど……」


 ミーティアさん、真剣だな。

 でもリアクション的に考えれば、ミーティアさんも初めてって事だろ……つまり、【リードンセルク王国】にもアボカドは無いって事と考えてもいいかな。


「これを私に食べさせたって事は……そう言う事でいいのよね?ミオくん」


 おっと。なんか雰囲気(ふんいき)が変わったな。

 なら、俺も素直に対応しようかね。


「はい、そうですよ。もし商談を行えるなら……これをご紹介したくて」


「は?ミオ、何を勝手に……パパに怒られるよ?」


 うん。知ってる。

 それでもやって見ようと思ったんだよ、黙認してくれ。


「大丈夫だよ……多分ね」


「……ミオくん。それと、えっと……クラウさん……?」


「はい?」

「ん?」


「今日の夜にでも、お二人のお父様……畑の責任者様に、会わせていただける?」


 これはどっちかなぁ……ミーティアさんの顔は真剣そのものだし、積極的だったミーティアさんの邪魔をしちゃったか?


 いや、どっちにせよ美味いには美味いんだ……どうか、いい方に転んでくれよ。

 我が家の希望……【スクロッサアボカド】!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これは、もしかして、村って、持ち寄りで暮らすんじゃなくて、小作人が村人で庄屋が村長? 村長が村のみんなを食わせるの?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ