表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

111/1304

2-23【まさかの言葉】



◇まさかの言葉◇


 ミーティアさんの言葉には、正直言ってかなり(おどろ)いたよ。

 まさか、「ここに置いてくれ」……なんて言うとは思わなかった。

 だってこんなにも田舎なんだぞ?絶対に、自分から進んでくるような場所じゃないんだって。


 それこそ日本のような、古き良き田舎じゃない。

 マジで何もない、気の狂ったように時間の緩やかな場所なんだ。

 住めば都とは言うけどさ……ミーティアさんって、見たところ育ちがいいんじゃないか?


 【リードンセルク王国】出身だったよな。

 どれほどの規模の国なのか、俺はよく知らないけどさ。

 少なくとも、この村よりは(さか)えた所だろう。

 その国のどこの町?かもまだ聞いてないけどさ……(さら)われてここまで来たって事は、少なくともこの村……【サディオーラス帝国】の国境近くだろうと想像できる。

 もしかしたら、帝国領の近隣の町よりも近い可能性があるから、怖い所だな。




 そして、ミーティアさんのまさかの言葉から、一日が()った。

 本当にまさかの言葉だったので、直ぐに村長に報告させてもらったよ。

 しかしまぁ、俺等は俺等で、また色々話が出来ててさ……もうそれどころじゃなかったんだ。


 とりあえず、ミーティアさんのそのお願いは、保留にしてもらった。

 俺が直接申し出て、彼女も納得(なっとく)してくれた。


 え?何で俺かって?……いや、俺も知らない。

 レイン姉さんがさ、ミオが言いなさいって言うから……そうしたまでだよ。


 そしてだ。その“俺等の問題”と言うのが……

 そう、俺等(・・)だ……スクルーズ家のお話しなんだ。





 事の発端(ほったん)は、村長の所に父さんが居た事だ。

 父さんは村長に呼ばれてその場にいたのだが、その場に居合わせたクラウ姉さんが……俺とレイン姉さん、妹のコハクに教えてくれた。


「……そ、村長?」


「そう、村長」


「……お父さんが?」


「そう、パパが」


「パパすごいの?」


「そう……なのかな?」


 そこは(うなず)いてやってよ。

 クラウ姉さんの話を率直(そっちょく)に申し上げてしまうと、父さんこと……スクルーズ家の大黒柱、ルドルフは、次の村長にならないかと打診されたのだ。


あの(・・)父さんを……村長にぃ?」


 俺の印象から出た言葉だった。何故(なぜ)だろうな……家族思い、妻思い子思いなのは認めよう。

 だが、人が良く(だま)されやすい。未だに借金返済中の(うだつ)の上がらないおじさんだぞ。

 そんな男を村長に?意味が分からない。why(ホワイ)


「……私も(おどろ)いた。正座させられたまま聞いてたけど、パパも乗り気だったわよ」


 いや、だからなんでなんだよ。

 理由……理由か……なんだろうな。

 俺は考える、考えるが……分からん。


「お父さん、まだ村長に借金返してるのよね?」


「多分ね」


 そうだ。その借金は、俺が産まれた頃からある大きな借金だ。

 息子はともかく村長はいい人で、利子もなくゆったりと返しているらしいが。


「う~ん」


 そう言えばもう十年以上だぞ?そろそろ本格的に返さないとマズくないか?

 ま、まさか……その借金がどうたらとか言って……村長になる?

 いやいや……それこそ意味わかんねぇよな。


「「「「はぁ~……」」」」


 俺たちスクルーズの子供たちは総じて、意味の分からない展開に……ため息を()くしかなかったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ( ̄□ ̄;)!!借金のカタに村長就任?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ