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信頼=重責

 







 「…………………はあ」






 セオドアは本を読みながら溜息をついた。…………今日は色々ありすぎて頭がパンクしそうだ。



 アルティア皇妃は龍神については全く語らなかった。それどころか、乙女ゲームやギャルゲーのことで話をすり替えられた、というか。




 ………………龍神って、なんなんだろう。


 アミィール様は人間ではない、と言っていた。けど、あの唇の感触も、抱き締めた温かさも、甘い言葉も………全部人間のソレだ。実際龍になった所を見たことは無いし…………………




 「セオ様?どうなさいました?」




 「………………あ」




 そんなことを思っていたら、先程まで向かいで執務をやっていたアミィール様が隣に来ていた。駄目だ駄目だ、アミィール様を不安にさせないためにも、共にいる時はこれを考えては…………




 そう考えたセオドアは優しい笑顔を作った。



 「大丈夫だよ、アミィ。ちょっとお菓子のことを考えていたんだ。1口トリュフとかなら、アミィの仕事の時も食べられるだろう?」




 「………………………セオ様」




 「?」





 アミィール様は優しく俺を抱き締めた。いつもの甘えた期かな?




 「…………………セオ様は嘘が下手なのですから。程々にしてください」




 「……………!」



 「ご安心ください。無理には聞きません。ですが、なにか思い悩んでいたり、わたくしに言いたいことがあるのでしたら、遠慮なく仰ってください」




 そう言って背中を優しく摩ってくれる。………………こんなに優しい人なんだ。龍神とか関係ない。



 この人を____愛するだけだ。



 「…………うん、アミィも私になんでも言っておくれよ」




 「では、キスがしたいです」



 「え」




 「勿論、セオ様から」





 そう言ってアミィール様は意地悪く笑う。…………本当に、一々王子様っぽいな…………




 そう思いながら、顔を赤くして口付けしたセオドアでした。







 * * *






 7ヶ月が経過した。

 アミィール様にデロデロに愛されて、ガロに勉強や武術、魔法、礼儀を教えて貰い龍神の表面的な知識も得た。




 で、今。





 「セオ様、こちらの書類を分けてくださいまし」



 「は、はい」





 _____俺は、勉強に当てていた時間を執務室にて過ごすことが増えた。



 って、こんなのいい訳がない!たかだか毛が生えた位の知識しか無くて多少使い物になるくらいの武術、魔法を身につけて、礼儀作法のギリギリラインしか出来てないのに!国家機密が沢山あるこの執務室に居るって…………




 セオドアは重要国家機密書類を手に持ちながら溜息をつく。




 勿論、最初は断った。自分はまだ他国の人間である。そして修行中の身の上だ。こんな重責を行えるほどの人材ではないと。



 だが、アミィール様は笑顔で『大丈夫ですよ』と言うだけに留まった。信頼されているのはひしひしと伝わってくるし純粋に嬉しいけれど………







 * * *







 「………本当にいいのだろうか………」





 「なあ、お前、俺が執事ってこと忘れてないかい?」





 夜、すっかり定位置と化したソファに蹲るセオドア。何かあるとすぐに蹲る。とことん心が女子なのである。そんな乙女男子にレイは呆れながら言う。




 「お前、皇配になるんだぞ?執務のひとつできない、国家機密も知らないってお飾り以下だぞ」




 「う…………」




 「加えて、ここはサクリファイス大帝国だ。ユートピア全土がサクリファイス大帝国の皇帝の言葉を聞く。その皇帝の皇配が何も知らん、ちんぷんかんぷんなことを言う、………お前だってそれがどういうことになるかぐらいわかるだろう?」




 「…………………ぐぅ」





 グゥの音しか出ないセオドアは近くにあったクッションを抱きしめて恨めしそうにレイを睨んだ。









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