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子供たちの暴走看病 #2

 



 「んっ」



 脇を拭かれると、ぴく、と反応してしまう。営みでも脇がいつも弱くてアミィールに責められるから感度が良好なのだ。アミィールはそれを聞いてにや、と意地悪な笑みを浮かべる。



 「ふふ、セオ様は本当に脇が弱いのですね」


 「アミィにそう教えこまれたからな」



 「それは、…………セオ様が脇を責めると可愛い御顔をするからです」



 アミィールはそう言ってにっこり笑う。

 やばい、可愛すぎる。ここは天国か?実は俺死んだ?幸せすぎてしんどいのだが。


 顔を赤らめるセオドアを見て、子供達が黙っているはずもなく。



 「わたくしもしますわ!」



 「俺も俺も!」



 「わっ」



 子供達は手に冷えたタオルを持って来て、再びベッドに来た。アドラオテルはもぞもぞと布団の中にはいり、セラフィールは足元に来て………それぞれ身体を拭き始めた。



 「?……ちょっ、2人と___ッ」




 セラフィールはごしごし、と足の裏を拭き始めた。脇よりも弱いそこに思わず身を捩る。わ、笑ってしまいそうだ………けどだめだ!やってくれているんだから。



 で、アドラオテルはというと。



 「…………んっ!?」




 布団の中、下半身がすーすーした。布団を捲ると___アドラオテルがにやにやしながら俺の男の尊厳を取り出して拭いていた。足の裏より、脇より敏感な所を、ゴシゴシと拭いているのだ。



 「っ、あ、くっ………」



 「?セオ様?」



 「な、なんでもっ………っあ!」




 「わっ、ぞうさんからなんか出た!」



 アドラオテルはあっけらかんとそういう。アミィールは布団を捲って状況を見て、珍しくか細い声で『…………布団、替えましょうか』と顔を赤らめた。



 勿論俺も顔に熱を集めて、小さく頷いた。

 …………俺、色々堪え性無さすぎだろ………



 しばらく凹んでいたセオドアだった。




 * * *




 アミィールが1日休み。

 滅多にないことで、俺は浮かれている。




 「水分を。飲まなければ汗が出ません」



 「ああ、ありがとう」




 ベッドの横には美しい俺の妻。…………俺はやっぱり幸せなのである。こんなに美しい妻を持てて、その妻が献身的に看病をしてくれるんだぞ?恵まれてるとしかいいようがない。俺は幸せ者だ。



 だが、幸せだけがある訳ではなく。



 「おとうちゃま」



 「なんだい?」



 「おねんねの時間です」



 「…………」




 セラフィールはふんふん、と鼻を鳴らしながら俺を見る。………もう1時間くらい前から『寝てください』と可愛い顔で言われている。とても可愛いし大好きなんだけど、まだアミィールとの時間を堪能したくて躱していた。




 「もう少し___わっ」


 しかし、セラフィールはもう我慢の限界だと言わんばかりに俺を押し倒した。



 「おねんね!です!」


 「……………」


 セオドアは真顔でセラフィールに怒られる。

 強硬手段である。………でも、俺の心配をしてくれてこうして動いてくれているのだから、嬉しくないわけがないのである。



 セオドアはふ、と笑みを浮かべてセラフィールを撫でた。



 「ありがとう。………うん、じゃあ、寝ようかな」


 「ええ。セオ様、ゆっくり寝てくださいまし」



 「ああ。じゃ「おまちくださいませ!」……?」



 「わたくしが!子守唄を歌います!」




 「…………はい?」



 どーん、と効果音がつきそうな勢いで胸を張るセラフィールはセオドアの胸の辺りをとんとん、と叩く。そして口を開いた。




 「ラララ~♪」


 「……………」











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