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息子はおませさん

※若干BL要素がございます。ご注意ください。

 





 「パパー!わたあめ食べちゃった!」



 「もっとないのー?」




 セラフィールとアドラオテルがそう騒ぎ始めた。どうやら、わたあめはよほど美味しかったらしい。子供達はピコピコとなる靴でぴょんぴょんと跳ねてそう言っている。



 ウェイトはにこ、と笑ってアドラオテルとセラフィールを撫でた。




『ごめんなさい、わたあめはもうなくなっちゃったの。お父さんにわたあめを作るものをあげるから帰ったら作ってもらってね』




 「えー!いやだ!俺は今すぐ食べたいんだぞッ!」



 アドラオテルはどこか得意げにそう言う。………その堂々たる姿は社長である。それを見たウェイトは『ふむ』と1度考えてから笑う。



『やっぱり、アドラオテルくんは可愛いわね、セラフィールちゃんもキュートだけど』



 「俺は男だぞ!それに、可愛い女の人に言われるのはまだしも男に言われるのは………」



『あらやだ、失礼しちゃうわ。そんな子にはワタシの愛をあげましょうね♪』



 「あい?あいって___ん!?」



 「な、…………」



 ウェイトはアドラオテルを抱き上げて、唇を重ねた。ピンク色の魔法陣が生まれて___魔法陣の文字がアドラオテルの股間付近に滑り込んでいく。ぶちゅ、というキスに鳥肌が立ったのは内緒である。




 「っぷは、げえええええ!」



『あら失礼』



 「アド!」



 アドラオテルは先程食べたわたあめを吐き出す勢いで吐く仕草をする。そして涙目でウェイトを睨んだ。



 「何するんだよっ!」



『わたあめよりも甘いワタシのキスよん♪』


 「甘い…………」



『セオドアくんも失礼しちゃうわッ!折角契約印をあげたのにっ!』



 「けーやくいん………?………おお~!」



 アドラオテルはそう聞くと自分のズボンを下ろした。またしても男の尊厳の近くにピンク色の契約印がある。滅茶苦茶喜んでいるけれど子供の尊厳の近くに契約印があるんだぞ?これ、成長してもついているんだよな…………?


 

 混乱するセオドアにウェイトはうふふ、と笑う。


『そこに契約印がつくなんて稀ね、とってもエロくてす、て、き♪


 大きくなったら抱いてェ♪』




 「ふっ…………俺は20歳以上の女の子にしか興味が無いんだぜ」



 アドラオテルはカッコつけてそう言う。教えたのはもちろんレイである。他にも20歳の侍女には『クレバーに抱いてやる』なんて言ってた時もある。3歳だぞ?色々間違っていると思う。



 「アド、頼むからやめてくれ、レイの言うことは忘れるんだ………」



 「かっこういいからやー」



 「ぱぱー、けーやくいんってなあに、わたくしもほしい!」



 「だめだよ、セラは女の子だからオカマとキスは絶対だめだ」



『オカマなんて失礼しちゃうわ!』



 4回目の『失礼』を聞いたところで、俺達は笑ったのだった。






 * * *






 アミィールとスカイはそんな4人の様子を見ながら、神殿の一室で向かい合っていた。





 「____スカイ様、お聞きしたいことを、聞いても?」




『聞くだけ聞いてやろう』



 「ありがとうございます。___大天使には、なにか特殊な力はございますのでしょうか?


 人の命さえ操る、など………そのような、血の力は」




 アミィールは射抜くようにスカイを睨みつけた。スカイは金色の目を細めて、重い口を開いた。




『___治癒血、のことだな。それについては………知っている事はアルティアに話したぞ。


 聞いていないのか』




 「………………」




 アミィールは頷いた。

 当時は受け入れられなかった。大きな力にわたくしは目を背けた。知ればセオドア様との距離が遠くなる気がして………お母様にも聞けなかったのだ。



 でも。もう治癒血の発覚から5年だ。これからも共に生きていくには知らなければならない、と思ったんだ。










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