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執事は主人公を友だと思っている

 





 セオドアは急いで自分の股間を抑える。それはもう顔を赤く染めて。レイはそれをみてはあ、と大きく溜息をついて、執事モードをやめた。




 「セオドア、アミィール様と婚約しているのだからそういう事をするのはおかしくないだろう?



 テント張るぐらいならすることをすればいいじゃないか」



 「そんなのダメに決まっているだろう!?まだ皇帝様にも認められていないし、なによりまだ!婚約者なんだぞ!」



 「もう婚約者、の間違いだろう」





 レイの言葉にさらに顔を紅くした。



 ………本当にコイツ大丈夫か?

 昔からとってもウブ……というか、女子みたいな性格だった。幼い頃、共に色々な遊びをしたり、剣の鍛錬をしたり男らしい事もしていたけれど、その反面刺繍やお菓子作りなど、男が到底しないようなことを好んでやっていた。おまけにこの内気で淑やかな性格で………顔つきは美男子だが、本当は女なのでは?と未だに疑っているほどだ。




 その女子のようなセオドアを見初めたアミィール様。恋愛からの結婚なのはわかっているし、他の者はセオドアが皇女に選ばれるなんて、と思うかもしれないがセオドアの優しい性格を知っている者は驚きこそすれ『流石セオドアだな』と納得はしている。



 もっと自信を持っていいはずなのにな。アミィール様もぐいぐい、それはもう皇女どころか女としてどうなのか?レベルでセオドアに迫っているというのにキス以上のことは頑なにしたがらない。



 男ならあのような美しく、全てにおいて優れており、おまけに地位も高い完璧美少女に言い寄られて慢心せずにいられないだろう。その寵愛を全身で感じるし、本能のままに彼女を好きにする。…………だからやっぱり、セオドアは女子なのかもしれない。




 こういう時は執事で友である俺が発破かけなければ。




 「アミィール様はきっとお前に全てを捧げたいんだよ。だからお前は男として応えなくては。あまりに拒むと不敬だぞ。


 大体、なんであんなに迫られ、そしてそれを受け入れてるのに頑なに手を出そうとしない?そこまで大きくしているなら……「………んぬん………」……?」





 説得を試みていると、セオドアがブツブツと何かを言っていて。近づいて耳を傾けてみる。セオドアはそれに気づく様子もなく独り言のようにいった。




 「そういうことは……結婚してからだろう?本当はキスだって結婚式でしたかったし、……そりゃあ凄く嬉しいし、中毒性があるから求めてしまうけど……もっと大事にしたいし……なのに身体の関係なんて……俺が性欲強いのが悪いんだ、初夜を迎えた時でもそんなこと……」






 「……………………はあ」




 この通りである。女と言うより乙女すぎるだろう?そんなこと子供でも言わないぞ。………………本当に、俺の友は心の底から女だ。



 そう思うもののレイの顔はとても穏やかだ。そこも、セオドアのいい所なのだから、と古き友は心得ている。




 「まあ、なんにせよ、だ。


 お前のモノは人よりデカいことを自覚しろよな。一目でわかるぞ、欲情してるのが」




 「なっ、そ、そんなことない!」




 「いや、お前のは本気でデカい。初めて見た時から常軌を逸している。………そんな凶器をアミィール様に向けて大丈夫かなぁ。



 もしかしてアミィール様も受け止めきれねえかもなあ」





 「っ…………!レイ!どうすればこれを小さくできる!?やっぱり切り落とすべきか?!」



 「………………お前、それ本気で言ってるならマジで馬鹿だぞ」





 そう言ったレイはとても冷めた目をしていた。













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