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褐色肌は夏の醍醐味

 





 そして、この御三方も一緒である。



 「はっ、はっ、ラフェエル……そろそろ降参だろう?」



 「巫山戯るな、私はまだいける」



 「うきゃ~!」



 「あっ、アドラオテル殿!浮遊魔法はずるいぞ!」



 「赤ん坊に負けるなど、赤ん坊以下だなお前は」



 「~ッ!今すぐ抜いてやるからなっ!」




 「…………………」





 夕方は、ラフェエル皇帝と金髪青瞳のシースクウェア大国国王陛下、クリスティド・スフレ・アド・シースクウェア様とダーインスレイヴ様が泳ぎ競争をしている。子供たちと一緒に、だ。




 最近ずっと夕方に来るというルールが出来ている。で、俺も呼ばれるというスパイラル。子供達ははしゃぎ回り、大人達は暴走しているのだ。



 確かに大人でもプールには浮かれるだろう、それを悪いとは言わない、言わないけれど、………複雑過ぎる。国王達のどちらを応援しても角がたつ。見ていることしか出来な__「セオ、貴様もこい」…………




 ……………こういう飛び火も毎日で俺は筋肉痛です。勿論、順位はいつもビリだ。心身ともに疲れる。





 セオドアは重い体を使って泳いだのだった。






 * * *






 「アミィ、焼けたね」



 「え?」



 夜、甘いひとときを過ごした後、セオドアはアミィールの体を見ながら言う。

 プール、プールの毎日だったから、焼けるのは当然である。



 褐色のアミィール様も美しいし、なにより…………水着の跡がエロい…………



 「セオ様?………やはり、醜いでしょうか?」



 「そ、そんなことないよ!私は肌が黒いアミィも新鮮で好きだ」



 「!………ふふ、セオ様は相変わらずわたくしに甘いですね」



 アミィールはちゅ、と頬に唇を落とす。セオドアは『いっ』と声を漏らし顔を歪めた。



 「?痛かったですか?」


 「ううん、その、………私は肌が黒くならない代わりに、ヒリヒリと痛むんだ」



 「まあ!だ、大丈夫ですか………?」




 「___ッ」




 月明かりに照らされた褐色の肌、紅銀の乱れた髪に煌めく黄金の瞳………スチルを解放した気分である。尊い……尊すぎる……ッ!



 「…………セオ様?」



 「あ、いや、な、なんでも…………」




 「セオ様____いいえ、セオ。今、いやらしい目で見てましたね」



 「ッ、それは___」



 ちゅ、ちゅ、と首筋にキスを落とされる。アミィール様の男前モードだ……!


 顔をイチゴのように染め上げ、緑色の瞳に僅かに涙を称える愛おしい男に、女は目を細めて言う。



 「____セオ、貴方の痛い肌をわたくしの身体で癒して差し上げます」




 「うっ……………!」




 ____この後、セオドアは肌の痛みよりも汗を気にするくらい動いて、軽く熱中症を起こしたのだった。





 * * *





 「~♪」



 「…………次は何をやっているんだ?セオドア」



 「決まっているだろう?アルティア皇妃様がくれた水着にアレンジを加えているんだ。今はアドのトランクスに狼の刺繍をしている」



 「………………」



 執事・レイはそれを聞きながら部屋を見た。部屋にはたくさんの水着、と呼ばれる露出の高い、撥水性のある着物。



 プールが出来て、使用人たちも非番の日は入るようになった。国民達も来るし、先日は孤児院の子供達が遊びに来た。みんな楽しんでいるが____1番楽しんでいるのは、セオドアだろうな。




 レイはこの水着を自分が片付けるのを考えて溜め息が出た。




 「ぱぱ、俺、りゅーがいい」



 「わたくし、うさぎさん!」



 「ふふ、わかったよ。少し待っててね」



 「わーい!」


 「わーい!」







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