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プール開き

 




 「わあ………………凄いですわ…………」




 アミィールはちゃぷ、とプールの水に触れる。程よい冷たさである。水があるせいか涼しくも感じる。



 「セオ様!これがぷーる、ですか!?」



 「うん、そうだよ。これなら、子供たちも………って、こんなに深いと抱っこじゃないと危ないかな…………」




 セオドアはプールを見て苦笑いする。

 皇族の住む城ってどうしてこう広いのだろう、デカすぎるだろプール…………50kmあるんじゃないか?これ…………




 「よし、折角作ったんだし!皆でプール開きしましょー!」



 「へ?…………うわっ!」



 アルティア皇妃様がぱちん、と指を鳴らすと全員が水着になった。俺はシンプルな藍色のトランクスだ。ラフェエル皇帝はピンク。アルティア皇妃様は黒のビキニにアミィール様は黄色のワンピース。アドラオテルは赤のトランクス、セラフィールは緑のフリフリのついたワンピースだ。



 つ、妻と娘の水着姿……………か、可愛い……………




 セオドアは口元を抑えて悶える。こんな所でまさか水着姿を拝めるとは………俺はとても生きててよかったと思う、ええ心から思います……………




 「うおっしゃーーーー!きゃーーー!涼しい!」

 


 「あ、ずるい!俺も入るー!」



 「あ、アド!」



 神に拝んでいるセオドアを他所に、アルティアはプールに飛び込む。それを見ていたアドラオテルも走って飛ぼうとするのをアミィール様が即座に止めた。



 「ママー!俺も!はいるの!」



 「わかっています、危ないので一緒に入りますよ?」



 「ぶぅーっ!」




 「セオ様、お先に失礼致します」


 「あ、ああ」



 新婚旅行の時も思ったけど、アミィール様の水着はエロいのだ…………本当に子供を産んだのか?実は産んでないとか?いやでもそうだったらアドラオテルと似てるわけないか………ん?



 そんなことを思っていると、セラフィールが震えていることに気づく。この暑い中だと言うのに顔が真っ青だ。そして涙目………いつもの怖がり発動である。



 とはいえ、身体はベタベタしている。汗をかいているのならプールは気持ちいいだろう。



 「セラ、セラはパパと入ろう」



 「うう、……こ、怖くない………?」



 「大丈夫、パパが守ってあげるから」



 「………!パパー!」



 ぎゅう、と抱き着いてくるセラフィール。もう可愛すぎて俺の心臓止まるのではないか…………?



 そんな呑気なことを考えながら、プールに入る。暑いということもあって涼しい。セラフィールも『ひう』と小さい悲鳴を上げながらもパチャパチャと水で遊び始めた。




 「ほら、怖くないだろう?…………あれ、ラフェエル皇帝様、はいらないのですか?」



 「………私は皇帝だぞ、このようなものにはいらない」



 「ラフェー!一緒に泳ぐの競走しよー!勝ったらラフェーの言ってた反乱戦片付けてあげるー!」



 「……………」





 アルティア皇妃の声を聞いて、ラフェエル皇帝様は無言でプールに入る。………アミィール様が『任務』を行っていないから人手不足なのだ。それは一緒に執務をしているから知っている。すぐにこんなプールを作ってしまう人なら内乱を止めるくらいわけないだろう………相手を殺さないことを祈ろう………



 「セオ様、ぷーるは気持ちいいですね」



 アミィール様はそう言って嬉しそうに笑っている。………親子でこうして水遊びできるのは楽しいな。滅茶苦茶だけど、いつも仕事してるし少しくらい………いいよな?





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