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ワールドエンドに行く為には

 




 「………………ワールドエンド、ね。

 あそこは___私達の運命の分岐点だった。


 あそこに足を踏み入れると言うのならば、力をつけなさい」



 「はい、私は___必ず力を身につけます」



 「具体的には?」



 「妖精神と契約を……したいと、思っています」



『難しいぞ~できるのか~?泣いたってしらないよ?』



 「泣きません。私は____とても強いアミィール様の夫で、この子達の親なので!」



 「そうだぞー!」





 セオドアの笑顔に、元気に合いの手を入れるアドラオテル。その場にいた全員がつられて笑顔になる。アルティアはくすくすと笑ってから、黄金の瞳を妖しく光らせて、静かに言った。




 「_____期待しないで待っているわ」



 「ええ。___きっと驚かせてみせます」



 2人は笑顔を浮かべている。

 空はすっかり暗くなっていて、月が全員を照らしていた。




 * * *




 「きょうね、ガーランドがね、ふわふわしてた!」



 「がーらんど?だあれ?それ」



 「俺も知らない!」



 「……………」




 夜、ぼうっと子供達の会話を聞きながら考えていた。

 妖精神と精霊の契約印を2つ、と言っていたけれど____正直、分からないことが多い。



 整理してみよう。

 俺が知っているのは、森の妖精神、土の精霊、海の妖精神、水の精霊、太陽神_最近知ったけどどうやら火の精霊でもあるらしいんだ_、聖の精霊、星の妖精神、氷の精霊…………か。結構出会ったと思うけれど、話によるとあと2人居るらしい。いや、あと死神と闇の精霊「………ォ」とか聞いたことがある気がする…………


 その神々が何処にいるのかさえ「せ………お」俺は知らないんだ。レイに探してくれ、とも言えない。でも、傾向としては大きな国に居るイメージなんだよな。今までの神々が「せ……さ」そうだったし。



 こういう時に乙女ゲーム『理想郷の王冠』をしっかりやっとけば良かったと思う。というか、そもそも追加キャラが実装される前に死ぬって__「セオ様?」………!




 「わっ!」



 呼ばれて、大きな声を出す。見ると___髪を濡らしたアミィール様が心配そうに覗いていた。



 「どうなさいましたか?ぼうっとなされて………」



 「ああ、いや、えっと………そ、それより、髪を乾かそう。また濡れてるよ」



 「?………ええ」



 セオドアは急いで隣を開けてソファを叩く。アミィールは首を傾げながらそこに座り、セオドアは髪を丁寧に拭く。



 …………いけない、いけない………思わず考えに耽っていた………アミィール様のお言葉を聞き逃すなんて………うう、俺はダメな夫だ………



 「セオ様、なにかございましたか?」



 「い、いいや、な、なんでも………」



 セオドアはごにょごにょと口を吃らせる。…………セオ様はとても素直な御方。隠し事が下手なのです。少しだけ、ほんの少しだけ意地悪したくなります。


 アミィールはくすくすと笑ってから、顔を赤らめ髪を拭いてくれているセオドアに聞く。



 「セオ様、なにか気になることでもあるのですか?………わたくしに、隠し事ですか?」



 「な、そ、そんなことはないよ!?」



 「では、お話くださいまし」



 「うう…………、じ、実は………妖精神と精霊の事を考えてて…………」



 「妖精神と精霊?」




 思ってもない答えに少しだけ驚いた。けれども、すぐ考え直す。………セオドア様もたくさんの神々と契約をしているのです。気になってもおかしくは無いですね。



 「妖精神と精霊の何が知りたいのですか?」



 「何人いるのかな、と気になったんだ。文献にも少ないし…………アミィは知っているかい?」








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