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龍神と元龍神と魔剣と

 




 「ダーインスレイヴ様!何故ここに……!」




 「ん、ああ………ここは俺のお気に入りの場所だからな」



 ダーインスレイヴはそう言って空を見上げた。もう夕方である。オレンジ色の空が広がっていて、綺麗だった。


 「それより、ガーランドはいないのか?」



 「いませ___『や、青年』うわあっ!?」



 またまた驚いた。上を見上げると、黒髪、黄金の瞳のアルティア皇妃様によく似たガーランドが浮いていた。



『おお~子供がいる!曾孫か!おい青年~!』



 「が、ガーランド様!」



 「!」



 「!」




 「あっ」



 思わず名前を呼んでしまった。

 アルティア皇妃様とダーインスレイヴ様が目を見開いている。まずい、言ってしまった。



 セオドアが口を塞ぐが、アドラオテルが首を傾げてガーランドを指さした。



 「だーれ?」



 「えっ、アド、お前も見えるのか……?」



 「うん、だって、居るじゃん」



『ほほお、我を見れるか~。中々に優秀、流石青年の息子だなあ』



 そんなことを言っているガーランドを他所に、アルティア皇妃様とダーインスレイヴ様がアドラオテルが指さした方を見る。



 「ガーランド………いえ、お父さん。居るんでしょう?姿を現しなさいよ」



『やなこった』



 「ガーランド、何故ここに居る?」



『我がどこにいようが勝手だろ』



 「………………」




 なんというか、………シュールである。

 2人は見えてないし、ガーランドは空中でゴロゴロして口を返しているし。アルティア皇妃様とダーインスレイヴ様はちらちらとこっちを見てるし。通訳しろって?これを?俺はまだ死にたくない。



 しかし、恐れ知らずのアドラオテルは止まらない。


 「やなこったー!どこにいようがかってだろー!」



 「「……………」」



 「あ、アド!」



 「もがっ」


 俺は慌ててアドラオテルの口を塞ぐ。

 うわー!余計なこと言い過ぎだろ!いや2歳だもんね!?考えられないよな!?けれどだめだ、この人達を怒らせたら塵も残らな___「………ふふっ」



 「ははは!」




 「…………?」




 ビクビクと震えているセオドアを他所に、アルティアとダーインスレイヴは笑った。その顔は怒りとは程遠く………優しく、明るい顔だった。



 「いやあ、お父さんは変わらないねえ。腹が立つくらいよ。


 ____アンタは昔から、私の話なんて聞いてくれなかったもんね」



『___そうだな。我はお前の話を聞かなかったな』



 「なにかに縛られて、というわけでもなさそうだしな」



『我はここにいたくて居るだけだよ。心配症だなあダーインは』



 「いい加減成仏しなさいよ」



『今日は気分じゃない』




 「____偶に、ここにきてもいいか?」



『来るなっつっても来るんだろ。なら酒を持ってこいよな。手ぶらでくるな』




 ………会話は出来ていないと思う。

 けれども、2人の話し方は___まるで、懐かしむような、それでいて語り合っているような……そんな雰囲気だった。



 その場で俺だけ喋らないのは嫌で。



 「…………あの、ガーランド様、アルティア皇妃様、ダーインスレイヴ様」




 セオドアは一人一人名前を呼んだ。

 全員がこちらを向いたのを感じてから、意を決したように言った。




 「___私は、強くなります。強く、強くなって…………必ず、『呪い』をどうにかします。



 ワールドエンドに行き…………必ずや、あなた方の懸念を、取り除きましょう」



 セオドアがそう言うと、アルティアは目を伏せた。




※ご案内

詳しい話は前作をご覧下さい。

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