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嗚呼、我が友よ

 




 「……………」


 エンダーはそれを聞いて、指輪を手に取る。


 そして、その指輪に自分の魔力を込めて___レイの指に、嵌めた。


 そして、言ったんだ。





 「____喜んで、レイ様」




 「~っ!しゃあ!」


 

 「レイ!」



 エンダーの言葉にレイは場所を忘れて高々とガッツポーズをした。セオドアはすぐさま友に駆け寄る。



 レイはそれを見るとに、と笑って親指を立てた。セオドアも同じように親指を立てて、そのまま親指をあわせた。



 「よかったな、レイ~!」



 「いててっ、掠ってるんだからやめろよ!」


 「いいじゃないか!やっとレイが女遊びをやめるんだぞ!?」



 「フンッ、当然だよ!」


 「はははっ、セオドア、俺は一皮むけたぜ!


 アドラオテル様もありがとうございます!」



 男達が大盛り上がりの中、アミィールとセラフィールはエンダーに駆け寄った。



 エンダーは今も横になって月を見上げていた。



 「___アミィール様、申し訳ございません。貴方の護衛でありながら、負けてしまいました」



 「___ええ、負けたわね。けれど。


 今日、この場所に於いてのみ、負けることを、…………泣くことを許します」



 「____ッ」




 アミィールの言葉に、鉄仮面の顔は崩れた。温かい涙が零れていく中、セラフィールは優しく、エンダーを撫でた。



 「ひとをすきになると、なみだがでるの?」



 「ふふ、そうよ。………嬉しくて、嬉しくて、気持ちが溢れちゃうの。


 悲しいだけが涙じゃないのですよ、セラ」




 「ふぅん?………むずかしいね、かんじょーって」




 「そうね、___難しくて、苦しくて、でも楽しくて、嬉しくて、温かくて………沢山の素敵な感情を与えてくれるのが、恋というものです」



 「せらも恋したい!」



 セラフィールはそう言ってピコピコと音の出る靴を履いて跳ねる。アミィールはくすくすと笑いながら頭を撫でた。






 「きっとできますよ。だって、わたくし達の子供ですもの」





 「ふふふ、楽しみ~、ねえ、アド、恋したいね~」



 「俺はッ、しつれんしたんだッ!」




 「はははっ、始まってなかったんじゃないか?アドラオテル様」



 「~ッ!レー!今から勝負だっ!」




 アドラオテルはすぐさま片手に木刀を持った。レイはそれを見ておちゃらける。



 「おや、怖いですねえ。………セオドア様、代わりに相手をしてあげてください」



 「巫山戯るな!私がアドに勝てるわけないだろう!」



 「………無駄に凛々しい顔で言うなよ、恥ずかしいなあ」



 「あっ」




 セオドアがドーン!と効果音がつきそうなくらい断言するが、すぐに気づいて顔を赤らめる。それをみたアミィールはくすくすと笑いながら言う。



 「ふふ、セオ様、わたくしがアドの御相手を致しますわ」


 「げげっ、ママはいやだ………」



 手加減知らずなママは苦手なアドラオテルに、その場にいた全員が笑ったのだった。



 * * *





 「おめでたいですね、レイ様とエンダーがお付き合いするなんて」



 寝室にて、アミィールは隣で寝ているアドラオテルの頭を撫でながら嬉しそうに言う。セオドアも真似てセラフィールの頭を撫でながら笑った。




 「ああ。………レイには、小さな頃から沢山相談を乗ってもらったり、共に遊んだり………竹馬の友だから、とても嬉しいよ。



 アミィもだろう?」




 「ええ。………エンダーはわたくしが2歳の頃からずっと傍で見守ってくれていた侍女なので、幸せを手にしてくれてとても嬉しいです」











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