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『女装大会』 #2

 



  【「ワンピースを着こなすのは難しいから、着こなせるのは素晴らしいわね!」


 「ええ。白というのもポイントが高いですわ!」


 「だがしかーし!うちにはリサールウェポンがいるのよ!皇族ナンバー3、皇配執事レイ!出てらっしゃ~い!」】




 それを聞いて、出てきたのは____



 「え…………」



 「な…………」



 「……………」




 「くうっ………………」





 執事・レイの格好は___バニーガールの格好で。会場にいる全ての人間が口元を抑える。逞しいからだと相俟って、これは……………





【「ぶっひゃっひゃっひゃっ!バニーはあかんね!面白い!逞しさが悲しすぎる!」


 「ぐふっ、薄い本が捗りますなぁ………か弱い真面目系主人×男前バニー執事………カップリングには最適です!」



 「ぶふ………お、お腹が痛いですわ………」】




 静かな会場の中、悪ノリ女性陣の下品な会話が筒抜けである。それを聞いたレイは『セオドア、絶対許さねえ………』と殺意丸出しで言っていたとさ。




 勝ったのは勿論、ワンピースの国民でした。





 * * *





【「さーさー、勝敗は2対1!ここから国民チームは挽回できるのか!沢山笑ったところで次々行きましょう!


 エントリーナンバー20、前に出なさい!」】




 そう言うと、おお、……と国民達が声を上げた。それは、とても美しい踊り子の姿だったからだ。妖精のように美しい姿に国民達は『これは勝てる!』と確信する。



【「いや~きらびやかですねえ、素晴らしい。もはや女でしょう、フランより魅力的」


 「し、失礼な!私は聖女ですよ先輩!………ま、まあ?少しは負けた気もしないでもないけれど………」



 「まあいいや、じゃあこっちも取っておきを出していきましょう、ここから先は皇族を誇る美女達なので。ではでは、皇族ナンバー4!理不尽はご愛嬌!落とした男は数しれず!ラフェエル皇帝!出てらっしゃ~い」】




 アルティアの言葉に____国民達はすぐさま会場の入口を見た。そして、拝み始める。



 国民達には見たことの無い着物である。沢山の着物を羽織っているにも関わらず、肩まで肌を露出し、大きな胸_勿論パットなのだが_を見せびらかすように強調し、キセルを手に持ち紅銀の髪を結った____日本で言う『花魁』姿のラフェエル。



 悠々と歩く様を見て、女も男も自然と手を組み、拝み始めた。




 神が…………神が降臨なされました……………!



 後光さえ見えるラフェエルの尊き姿に国民達は大号泣。国民代表の男さえ勝負を放棄し拝み始めたのでラフェエルが勝ちとなった。





 * * *




【「ラフェエル皇帝はずるいですわ…………あのような姿、この世の絶世の美女でさえ似合いません。美貌が底を知りません 」



 「ねえ、アルティア先輩、一日だけラフェエル様を貸してくれない?」



 「もちろん嫌。………とまあ、残りも少なくなってきたけれど、軽快にいくよー!


 ナンバー5863の方ー、どうぞー!」】




 アルティアがそう言うと、ギラギラと着飾った美しい女が出てきた。あれは本物の女だろう、と思う。女装大会だと言うのに本物の女が乱入してきた………と呆然とする国民達に、アルティアは溌剌とした声を上げる。




【「不正はいけないねー!と言いたいところだけど、次の相手は不正したって逆立ちしたって勝てません。断言できます。


 皇族ナンバー5、セオドアちゃーん、出ておいで~!」】



 アルティアは自信満々に会場の入口に手をむけた。そこには_____足元が大胆に裂けた、珍しい服に、群青色の髪を2つの団子にした美女。



 赤いチャイナ服を着た___セオドアだ。


 いつも可愛らしい皇配のセクシーな服装に、女子達は卒倒する。男達は男の尊厳を立てる。そして。



 当のセオドアは____顔が真っ赤だった。










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