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主人公の子供達はオッドアイ

 




 「セラフィールと、アドラオテルですか………セオ、素敵なお名前をつけましたね」



 「ありがとうございます、母上」



 子供が生まれてすぐに身内にお披露目会をした。アミィール様は出産の疲れから寝てしまっているけれど、それでも心配してくれていた俺達の両親に早く見せたかったのだ。



 けれども。



 「セラフィール~!アドラオテル~!おじいちゃんでちゅよ~!」




 「………………」




 父・セシルは元々低い声を高くして赤ちゃん言葉で双子達に声をかけている。泣きながらだ。これには息子の俺も若干引いている。喜んでくれるのは嬉しいけれども浮かれすぎだと思う。歳を考えて欲しい…………



 羞恥に苛まれながらも、自分も子供たちを見る。紅銀の産毛の女の子、群青の産毛の男の子。産まれたばかりの子供は寝ているというシーンは何度も見たことあるが、この子達は起きているらしく目を瞑りながらバタバタと手足を動かしている。



 ………可愛い、可愛すぎる……

 セオドアは自分の口を手で押えてやっぱり泣く。尊い……、どちらもアミィール様に似ておくれ、と常々願っていたが、セラフィールの方は俺に似てると思う。髪の色こそ違うけれど、鏡でも見てるかのように似ていて尊いし、自分と同じ群青色の産毛のアドラオテルはまんまアミィール様に似ている。



 俺はどうやら、俺に似ている子供が欲しかったようだ。どちらの子供も、俺の要素は間違いなくあって、以前『本当に俺の子か?』なんて思っていた自分を殴りに行きたい。『俺の子に決まってるだろう!』といってぶん殴りたい。




 それだけ可愛い。今は母・ガーネットが2人の頭を優しく撫でて涙ぐんでいる。……何はともあれ、自分を産んでくれた親に恩返しが出来た気がして誇らしくなる。



 しかし、違和感。

 アミィール様の両親であるラフェエル皇帝様とアルティア皇妃様は少し悩んでいるのだ。なにか問題があるのだろうか?




 「ラフェエル皇帝様?アルティア皇妃様?


 どうなさいました?」



 「いえ、………少し心配なことがあるのよ」



 「な、なにか子供たちに問題が………!?」



 「……とりあえず確認したい。セシル、ガーネット、少し退けてくれ」



 「は、はい!」


 「わかりました」




 2人が退けたのを確認すると、ラフェエル皇帝はつかつかと足音を立てて2人の子供に近づいた。アルティア皇妃も続いて両端に立った。俺は黙っていられなくて同じように近づいた。



 「心配事ってなんですか、説明してください!」



 「セオ、ならばお前も見ろ。___この血が、受け継がれてしまったかどうかを」



 「へ?___ッ」




 ラフェエル皇帝様とアルティア皇妃様は同時に子供たちのすこし腫れぼったい瞳を無理やり開けた。そして、俺は言葉を失う。



 女の子であるセラフィールの瞳は____右目がアミィール様たちと同じ黄金色で、左目が俺と同じ緑色だった。



 男の子であるアドラオテルの瞳は____右目がラフェエル皇帝様のように紅色で、左目がアミィール様達と同じ黄金色だった。



 つまり。




 「オッド、アイ………?」




 そうなのだ、両目の色が違う、オッドアイ。漫画やアニメでしか………いや、身近にいるガロも赤と金のオッドアイだが、自分の子供達がオッドアイだと誰が気づく?そして、どちらの瞳も純度が高く____綺麗すぎて、言葉を失った。



 「これは…………ッ」



 「まあ!凄いわ!」




 「宝石のようだ……………」



 俺と両親が驚く中、アルティア皇妃様が言った。


 「____やっぱり、この子達、『2人で1人』なんだわ」



 「………え?」








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