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脳内お花畑な男達

 



 「ラフェエル皇帝様。こちらはどう思いますか?」



 「…………悪くは無いな」




 「そうですか!ならば、こちらは?」



 「それは派手すぎる。もっと控えめな青色を入れてみろ」



 「改善します!」





 「………………」



 「………………」





 会食の日、セオドアとラフェエルは目を輝かせながら討論しているのを、女性陣は若干引きながら聞いていた。



 食事が目の前にあるというのに目もくれず、沢山のおしゃぶりを2人で手に取り嬉嬉として話しているのだ………って。




 「…………ラフェー、セオくん、貴方たち、なにやっているの?」



 とうとう黙っていたアルティアが突っ込んだ。2人は顔を合わせてから、口を揃えて言う。



 「「子供達のおしゃぶりはどれがいいかだ(です)」」



 「………………」



 落ち着け、私の右手。今は食事中で本人達は大真面目なのだ。こんな馬鹿みたいなことを食事中にやってるのは事実なんだ、目を背けるな私。これは現実だ。『馬鹿なことやってるんじゃないの!』と殴ってはならないわ。フォークやナイフを投げようとするのはやめなきゃだめよ私、2人とも子供達が出来て嬉しいだけなのだから…………




 頑張って自分に言い聞かすアルティアを他所に、アミィールは困った笑顔でセオドアに言う。



 「せ、セオ様……………わたくし達の子供達のことを考えてくれるのはとても嬉しいのですが………それを使うのは、随分先だと思われます」




 「しかし、アミィ。準備していて損はない。流行りものが変わったと言うなら私が買うから貴方は安心してくれ」



 「え、ええ…………」




 我が娘、アミィールよ。アンタの言いたいことは凄くわかる。この浮かれぽんちな夫を持ってこの先さぞ苦労するだろう。こういう時は母親である私がこの奇行にも近いことをやめさせなければ。




 「ら、ラフェー?とりあえず、ご飯を食べましょう。メインディッシュが冷めてしまうわ」



 「巫山戯るな、アル。こうしてセオと顔を合わせて話せるのはこの時間だけなのだぞ?


 早急に解決しなければならない問題は話し合うのが定石ではないか」



 「早急に解決しなければならない、って……」



 これ以上早く考えてどうするんですかねえ?まだ3ヶ月で小さい命ですよ?まだ産まれませんよ?なぜ男というのはこうも馬鹿ばっかりなのだろう。私も妊婦だったけどこの頭のおかしい光景には慣れない。理不尽大魔王ラフェエルはこう見えて子供が大好きなのだ。



 それが自分の子供や孫だったらこうして暴走を起こす。そして、セオドアくんにもその気があるようで。




 サクリファイス皇族の男はろくな者がいないんじゃないかと心配になるよ私は。産まれる前からこんなのでは先が思いやられる。



 こんなことを考えている間にも『ガラガラの柄』について熱く語り始めてるのよ?もう勝手にやれって感じだ。せいぜい冷めた飯を食べて後悔すればいい。



 「……お母様、殿方を止めるにはどうすれば……」



 「放っておきなさい。バカは死ななきゃ治らないのよ。特に親バカ、孫バカはね。


 淑女はこういう時壁の花をしているべきよ」



 「し、しかし…………」



 アミィールはそう言って未だに討論を重ねる2人を見て困惑している。そりゃするわよね。未だに実感がないのに男共が騒いでいるもんね。私も引いてる。気持ちは一緒。でもさっきも言った通りこうなった男達は脳内お花畑だから。



 「そんなことより食べましょう」




 「わたくしはもう…………」




 「だめよ、3ヶ月なら食べないと『食べさせられる』わよ」



 「え?…………!」



 「!」











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