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歴史<我が子な皇帝様

 







 首を傾げるアミィールを見て、アルティアはまた笑ってから、セオドアの家族全員に言う。




 「出産の時はぜひサクリファイス大帝国に来てくださいね。エリアス………女王陛下に頼んで、家族全員3ヶ月くらい休みを取らせるから!」



 「え、で、でも………そんなことは可能なのでしょうか………?」



 「大丈夫ですよ、こう見えてエリアス女王陛下とは古い付き合いなんで必ずOKさせますんで!」



 ドーンと効果音がつきそうなどや顔にセオドアは閉口する。この御方が言うと本当にそうなるから、侮れない人である。





 「ガーネットさんとサーシャちゃんもそうなったら一緒にお茶を飲みましょう!」



 「是非、楽しみですわ」



 「わ、わたくしもよろしいのですか…………?」




 「勿論!セシルさんとセフィアくんも、ラフェー……皇帝がお酒を飲めないの残念にしてたから付き合ってあげて!」



 「う…………」



 「父上、怯えずともラフェエル皇帝様は我々を取って食いはしないよ」




 もはやアルティア皇妃様ワールドである。この人の自由奔放さとフレンドリーさはカンストしている。そしてそれを許される程の御方なのだから凄いんだ。





 「アミィ、立っているのは辛くないかい?私が抱くよ?」



 俺はアミィール様に声をかける。2時間も立ちっぱなしは身体に良くない。大切な身体なのだから、俺は俺が出来ることをしなければ。


 アミィールはその言葉に少しだけ考えてから、ほんのり顔を赤らめ小さな声で『よろしくお願いします』と言った。…………ぐぁぁ………俺の妻は可愛すぎる…………!子供が居るなんて分からないよ本当に…………




 悶える気持ちを抑えてアミィール様を抱き上げる。本当に軽いし、子供が居るとは本当に思えない。………アミィール様も子供達も、俺が全部背負わなくては……




 そう決意を固めた頃にやっと『そろそろ帰るわよ~』と面倒くさそうな声を出した。





 * * *





 アルティア皇妃様の転移魔法であっという間にサクリファイス大帝国に帰ってきた………………のだが。




 「………………」




 「………………」




 セオドアとアミィールは真顔で城を見ていた。城は____大きな大改装が行われていたのだ。それはもう城丸ごと変えてやろうと言わんばかりの人の多さと機材の多さ。



 「あの……………お母様、これはどういうことでしょうか?」




 未だに俺に抱えられているアミィール様がアルティア皇妃様に怪訝そうに聞く。アルティア皇妃様は耳の穴をほじりながらつまらなそうにした。




 「あ~、ラフェエルが、『こんな環境で子供が育てるか。危ない場所を全て取り払う』って言ってさ~、昨日帰ってきてから大至急始めたのよ。バリアフリー並に全部が変わってきてるわ。もしかしたらエレベーターまで作る気なのかもね」






 アルティア皇妃様はわざわざラフェエル皇帝様の声真似をしてそう言った。……いや、確かに危ない所を無くすのは俺としても嬉しいけれども……一つ一つのスケールがデカすぎるのだ。というか歴史のある皇城をなんの躊躇も無しに変えられるのは凄いと思うし、また、ラフェエル皇帝様は重度の親バカなんだなと改めて実感した。



 



 「ばりあふりー?えれべーたー?………なんですか、それ。


 セオ様はご存じですか?」



 「いや、うん……………とにかくラフェエル皇帝様はアミィが大好きだということだよ」



 「それはとても気持ち悪いですわ。悪阻よりも吐き気がします」



 「………………」




 そう満面の笑みで言うアミィール様。…………ラフェエル皇帝様はつくづく報われないな、とも思った。











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