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新しい家族 #1

 




 「では、改めまして。この者が私と結婚するサーシャ・セイル・ガネーシャです。


 サーシャ、挨拶を」



 応接室に入り、開口一番に兄上が銀髪、黒瞳の女性を紹介する。それを受けたサーシャと呼ばれる女性が顔を真っ赤にして震えながら口を開いた。



 「お、お初にお目にかかります、ラフェエル皇帝様、アミィール様、セオドア様、わ、わわわ、わたくしはサーシャ・セイル・ガネーシャと、申します………」




 「………………」




 とても綺麗な女性ではあるのだが、なんだか自分と父上と同じ匂いがした。兄上は母上似だし、父上のような御方を好むのか、とぼんやり考えながら挨拶をする。




 「私は弟のセオドア・リヴ・ライド・サクリファイスです。よろしくお願いします」



 「わたくしは妻のアミィール・リヴ・レドルド・サクリファイスでございます。


 お父様も挨拶を」



 「………………ラフェエル・リヴ・レドルド・サクリファイスだ。


 此度は結婚おめでとう」



 「………!」



 ラフェエル皇帝様もちゃんと祝いの言葉を言えるのか………って!この考え方は不敬だ!普段が口数少なめだし敬う感じはないからと決めつけるのはよくない。



 セオドアは1人ぶんぶん、と首を振る。

 ………でも、こうして顔を合わせると、なんというか『家族が増えるんだな』という気持ちが生まれる。やはりあんな兄でも幸せになって欲しいし、家族が増えるのは…………嬉しいな。



 そんなことを思っているセオドアを見て、アミィールはくすくすと囀るように笑う。



 「セオ様、お顔が緩んでおりますよ?」


 「あ、………ご、ごめん」



 「謝らないでくださいまし。………家族が増えて嬉しいのはわたくしも一緒なので」



 そう言ってふわり、と笑みを浮かべるアミィール様。………サーシャ様もお美しいけど、やはり俺はアミィール様の方が美しいと思う。妻補正などなしに断言出来る。



 「結婚式はいつ開くのだ?」



 「明日です。ですので、今日はこのような小さな家ですが、少しでも寛いで頂けたら幸いです」



 「感謝する。…………セシル」



 「は、はい!」




 ラフェエル皇帝様の言葉に、父上がびくり、と身体を揺らした。まるで最初にラフェエル皇帝様と出会った時の俺みたいだ。



 「………セオの父親だな。よければ共に酒でも飲まないか。土産を持ってきたのだ。


 ガーネットもセフィアもサーシャも付き合え」




 「え、ええ!?よろしいのですか……!?」



 「わ、わたくしでよろしければ………」



 「…………ッ」



 「サーシャ、呼吸はしよう」




 「……………」





 ラフェエル皇帝様の言葉に兄上以外萎縮している。そうだよな、ラフェエル皇帝様は意外とフレンドリーなんだ。俺もつい最近知った。この夫婦は冷徹ではあるけれど心まで冷たいわけではないのだ。俺の自慢の家族だ。



 「セオ様は飲んではいけませんよ?」



 「わかっている。けれど、私も参加したいな」



 「ふふ、わたくしもです。一緒に___!」



 「…………!」




 そんな会話をしていると、急に部屋が明るくなった。カーキー色の光が突然現れたのだ。俺は急いでダーインスレイヴを呼ぼうとするが、ラフェエル皇帝様の言葉の方が先だった。



 「案ずるな。…………敵ではないようだ」



 「ど、どういうことで………?」




『ああ、敵ではないよ俺は』



 「____!」




 聞きなれない声がしたと同時にカーキー色の光は収まっていった。

 そして___その光が現れた場所には、暗い茶髪、金色の瞳の無精髭を生やした美丈夫と緑のグラデーションの三つ編み、金色の瞳の森の妖精神・リーファが居た。














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