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仲良し3人組

 




 俺は兄上がサクリファイス皇城に来ると聞いて嬉しかった。手紙が来てから心待ちにしてたし、会った時は嬉しかったし暇さえあれば会おうとしてた。




 だが。




 「兄上………………何をしているんですか?」



 「見りゃわかるだろ?ゴロゴロしているんだ」




 そう言ってソファで悠々と寝転んでいる兄。馬で来たと聞いているから疲れているのはわかる。ゴロゴロするのを一概に悪いと言わない。俺が言いたいのは……………




 「なんで!私の部屋で!ゴロゴロしてるんですかっ!」



 「うおっ」




 セオドアは吠えた。

 そうなのだ、ここは俺の部屋である。ちゃんと兄・セフィアの部屋は与えられた。アミィール様がちゃんと豪華な客間を用意した。のに!この兄は俺の部屋に突然転がり込んできてこうしてゴロゴロしているのだ。




 「ここは私の部屋なんで自分の部屋に戻ってくださいよ!」



 「私は言ったはずだろう?『皇配権力でいい部屋を用意しろ』と」



 「用意したじゃないですか!」



 「でも、この部屋の方がどうみたって豪華だよな~、家具が一つ一つ豪華だし、ソファもこんなに柔らかいし、ベッドも大きいし、みしん?も沢山あるし、花も飾られている。おまけにキッチンまである。


 まるきりお前の趣味オンパレードじゃないか」




 「それはっ…………アミィール様が用意してくれたから………」




 改めて自分の寵愛ぶりに再確認して、勝手に赤くなる。………俺めちゃくちゃ愛されてるじゃん…………



 1人赤くなるセオドアを見てセフィアは『変わらないなあ』といって喉を鳴らして笑う。



 「それはともかく、この城は全部でかくて全部豪華ですごく居心地がいいが、その中でも特にいい部屋は此処だと結論がついたんだ」



 「理由になってません!というか、他の騎士達を放って来ていいんですか!?騎士団長でしょう!」




 「ギャンギャン吠えるなあ」




 セフィアは耳をほじりながらさも面倒臭そうにする。…………兄上こそまるで何も変わっていない。自由奔放、豪胆、変人。…………アルティア皇妃様程ではないけれど、同じ匂いがする…………




 そんなことを思いながら睨むセオドアを他所に、セフィアはセオドアの執事であるレイを見る。




 「やあレイ、お前も元気にしていたかい?」



 「おかげさまで、毎日楽しく過ごしております」



 「…………敬語モードオフ」



 セフィアがぼそ、とそう言うとレイのポーカーフェイスは崩れ、はあ、と溜息を着いた。



 「…………セフィア兄、俺は誉高いサクリファイス大帝国皇配様の執事ですよ?敬語を使うなという命令は狡いです」



 「ははっ、いいじゃないか、ここには俺とお前とこの乙女しかいないんだから」



 「~ッ!私は!乙女じゃありません!」




 セオドアは再び吠えた。

 昔っからこの人はこうである。俺よりも頭が良く、魔法も得意、高い身体能力を持ち特に剣の腕は一流。変わっているけど唯我独尊を極めた優秀なオーファン家の長男であるのだが、俺とレイの前ではこうして意地悪になる。人をいじめていじめ抜く天才なのだ。



 そんなセフィアはソファの背にふんぞり返り、レイを見て続ける。




 「結婚後のセオはどんな感じだ?面白い話を聞かせろ。この調子だ、沢山あるのだろう?」



 「ええ。それはもうたっくさんありますよ。俺はこの1年で腹筋が割れるほど笑いました。


 例えばそうですね、アミィール様と閨を共にするようになってからの奇行や、女装、半年以上子種を無駄にし、それからウサギに「レイお前ふざけんな!それ以上は___っぐ!」




 顔を真っ赤にしてレイに飛び掛かろうとするセオドアをセフィアはがっちりホールドした。首が締まっている………!




 セフィアは意地悪に笑って言った。




 「レイ、続けろ」



 「仰せのままに。まずはですね………」




 「むぐ~!」













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