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プレゼント探し!

 






 「いや~ははは、アミィールから欲しいもの聞き出せなかったよ~!」






 アミィール様とラフェエル皇帝様の誕生日まであと4日、俺とこうあっけらかんと言っているアルティア皇妃様は廊下を歩いていた。俺にもアルティア皇妃様にも公務があるから毎日顔を合わせるのは難しいが、誕生日について話す為にお互い時間をとったのだ………それよりも。



 「………………お願いですので、アミィール様を傷つけるような喧嘩はおやめください。アミィール様の綺麗なお身体が………」



 「親子だもの、喧嘩ぐらい当たり前よ。譲れないから喧嘩をするのだから。


 文句言いたきゃ『自分の方が強いんだから』って胸張って言えなきゃね」




 そう言ってガハハ、と笑うアルティア皇妃様。…………なんとも実力行使な家族である。しかも部屋ひとつ滅茶苦茶になるんだぞ?もう喧嘩と言うより殺し合いである。よくもまあ家族にあそこまで出来るものだ…………俺の心臓がいろんな意味で持たないぞ………




 セオドアは呆れてため息を漏らす。命の危険まで感じているセオドアに、アルティアは聞いた。



 「…………で、アンタに言われてこうして歩いてるけどさ、私達はどこに向かってるわけ?そろそろ説明してくれる?」




 「焦らずとも大丈夫ですよ。もう着きましたし」



 「………?」




 そう言ったセオドアは自室の前に来た。首を傾げているアルティアに見せるように扉を開けて、部屋の中を見せた。



 そこは____




 「わあっ…………!」




 アルティアは思わず声を上げた。部屋にはたくさんの商人らしき男と沢山の小物が部屋の隅々にまで並べられているのだ。商人らしき男はごまをするように手を擦り合わせた。




 「セオドア様、我が店をご贔屓していただき、誠にありがとうございます。レイ様からお聞きした時は飛んで喜びました…………」




 「いいえ、こちらこそ、御足労感謝致します」




 ふわり、いつものように裏表のない笑みを浮かべるセオドア。そんな彼にアルティアは目を輝かせながら問うた。



 「ね、ね、どうしたのこれ!?」



 「私の執事に頼んで、おすすめのプレゼントを売っている商人を呼んだのです。…………一緒にプレゼントを考える、と言いましたが、やはりそれはご自分で考えプレゼントされた方が喜ぶと思いまして」



 「……………そっか…………」




 アルティアはド正論にそれしか言えない。確かに、人に頼って聞くのは間違っているわよね。いつも少ない脳みそすら使わず適当なプレゼントをしていたけれど、こんな機会を貰ったなら自分で選ぶのが大切だと思う。…………本当に気配りが上手い子ね。




 アルティアは感心してから、そんな気配り上手なセオドアの頭を撫でた。




 「ありがとう!私、自分で探してみるわ!」



 「ええ。………私も、アミィール様へのプレゼントを探します」



 「?ラフェーにもあげるんじゃなかったの?」



 「ラフェエル皇帝様へのプレゼントはもう決まっていますんで…………あ、でもアルティア皇妃様にもお力をお借りしますので、その時はお願い致します」



 「???」




 再び首を傾げるアルティアに、セオドアは楽しそうに笑った。



 * * *





 「うーん」




 セオドアはアルティアと別行動で部屋に陳列された様々なプレゼントを見ていた。どれもこれも凄く高価で可愛いものが多いのだが、いや、だからこそ悩むというか………



 もちろん、自分が作れるような物は買わない。それはほとんどあげ尽くしてしまったからだ。………この調子じゃ、毎年こうして頭を抱えるのだろうな…………





 けれど。




 それさえも幸せなのだから、やはり俺はアミィール様を心の底から愛しているんだ。



 そう思うと心が弾んで、頬を緩ませながらプレゼントを選んでい…………ん?





 セオドアは『ある物』に目をつけた。












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