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新しい家族

 



 シーツを持ったまま顔を赤らめ、視線を逸らすセオドアに、アミィールは笑みを小さく零した。



 「ふふ、セオ様、お顔がまた赤いですよ?」



 「そ、それは………………アミィの身体が美しいせいだ」



 「いつも夜、見ているじゃないですか」



 「う………………」





 見てるけど、慣れたわけじゃない。否、多分一生慣れない。閨の時は男モードでハッスルしてるから!だから緊張しないし!緊張どころか愛する事に必死で……………なんて、言えるわけもなく。




 モゴモゴとしているセオドアを、アミィールは裸のまま抱き締めた。




 _____本当に、いじらしい人。

 どうしたらこんなに可愛い御方があんなに獣のような顔をしてわたくしを愛してくれるのでしょう。



 本当に……………この人と居るのは飽きません。



 「____セオ様、わたくしの裸はそんなに魅力的ですか?」



 「も、勿論……………美しすぎて、その、とりあえずこのシーツを」



 「その前に_____セオ様のここ、鎮めませんか?」


 


 「_____ッ」




 アミィールは意地悪な顔をしながら、すっかりテントを張ってしまったセオドアの男の尊厳に触れた。




 ほ、本当にこの御方は…………そ、そんなことできるわけ…………!



 ______と、思ったのは最初だけで、この後その場で盛ってしまった2人でした。







 * * *






 「ん~!今日も美味しい~!」




 「お母様、はしたないです。


 でも___セオ様のお作りになったデザートは絶品ですわ。


 ねえ、お父様」





 「……………………悪くは無い」





 「あ、ありがとうございます」




 セオドアは顔を赤らめながら照れる。

 _____俺達夫婦と皇帝夫婦が、食事を共にするようになったのは結婚してからだった。




 きっかけはアルティア皇妃様…………大体の出来事はこの人の奔放さに起因する。それはともかく、アルティア様が突然『結婚したのだし、家族なのだからご飯を一緒に食べたい!』と言い始めたのだ。




 アミィール様とラフェエル皇帝様は嫌な顔をしていたけれど、アルティア皇妃様が『食べてくれないと私はセオドアくんと浮気する』なんてとんでもないことを言ったのだ。勿論冗談なのはわかっているけれど、そのせいで2人は激昂、なんやかんやあって、週に2回、全員が安定して揃える夜だけという条件でそれが叶った。




 色々複雑だけど…………こうして、新しい家族と共に食べるご飯は美味しい。勿論、アミィール様と2人で食べるのも好きだけど、これはこれで楽しいのだ。だから張り切ってしまい、シェフと料理を考えたり、今日のように俺がデザートを作ったりしている。



 すると、皆喜んでくれて…………泣きそうなくらい、いつも嬉しい気持ちになる。




 「あ、セオドアくん泣きそう」



 「な!泣きません!」



 「…………セオドア、サクリファイスの皇族が簡単に涙を見せることは許さんぞ」



 「う……………」



 セオドアは怯む。…………ラフェエル皇帝様は、俺にも少しずつこうして話しかけてくれるようになった。最初は殺されそうになったけれど、俺の父親・セシルと同じように厳しく、ほんの少し含まれた優しい言葉で諭してくれる。




 こんなの、泣いてしまう。



 セオドアが涙目でふるふると震え始めるのを見て、アミィールは父親を見る。




 「お父様、セオドア様を泣かせないでください。……セオ様、大丈夫ですか?」



 「だ、大丈夫だ………………これは、嬉し涙だから」



 「?嬉し涙?」





















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