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君への手紙

君の手を握りたい

作者: まさかす

書いている途中に「何のこっちゃか分からないな」と思ったが……。まあいいか。

 学校からの帰り道。ただただ彼女と歩き、話しているだけで楽しかった。このまま永遠に歩き続けてもいいと思える程に、その短い時間は楽しく幸せに思えた。


 ふと、僕の指が彼女の指に触れた。たったそれだけの事なのに、鼓動が速くなると同時に体中が熱くなるのを感じた。ほんの一瞬触れただけなのに、柔らかさと同時に暖かさを感じた。


 もしも手を繋ぐ事が出来たのなら、どれだけ暖かさを感じる事が出来るのだろう。でも僕なんかが小さいその手を握ったら壊してしまいそうな気がする。そもそも少し触れただけで鼓動が速くなるようでは、とても手を握るなんて出来そうもない。


 ああ、でもその細く小さい手を握りたい。


 勇気を出して握ってみようか。でも拒否されたらどうしよう。嫌われたらどうしよう。目を合わすのも嫌だと言われないだろうか。


 もう直ぐいつもの交差点。あの交差点まで行ったらそこでさよならだ。そしたら明日まで会えない。一体どうすればいいのだろう。


 



 俺は親指! お父さん指なんて言われる位に指の中でも最重要だぜ! 俺がいなけりゃ物を掴むのは大変ってもんよ! 長さで言えば一番短いかも知れないが、太さで言えば俺が一番! 他の指に比べるとゴツいイメージではあるが、俺の存在なくして指を語るのは愚の骨頂と言えるぜ!


 私は人差し指。お母さん指なのに人差し指って言われるのも不思議に感じるわね。人を指すなら私の出番だけど、私が人を指すと失礼だなんて言う人もいるから不思議だわ。人を指す以外にも何かしらにつけ、私の出番は多いのよ。正直、お父さん指よりも働いている気がするわね。だから私がナンバーワンっていう気がしなくもないけど、ここは敢えてお父さん指にその座は譲っておくわ。


 俺は中指。一番背が高いお兄さん指。人を挑発するなら俺の出番。とはいえ、他の指に比べると具体的に何が出来る訳では無いけれど……


 私は薬指。お姉さん指として左はご存じ結婚指輪を嵌める場所。右手なら彼氏がいる、婚約中なんて理由で指輪を付けている女の子も多いわね。指の中では一番縁起が良いと言える指なのよ。


 私は小指。赤ちゃん指。約束するなら私の出番。一番華奢で清楚を感じさせる指。そして一番可愛い指。といっても普段あまり使われる事はないの。特に女の人は私を使わないようにしてるのが残念なの。それでもとっても大事な指なの。


 俺様は手! 平と甲で表裏一体さ! そして全ての指を管理する者。親指がデカい口を叩いているようだが、俺様無くして誰も存在しないってもんよ!


 さあ若者よ! 悩んでないで俺達を駆使して彼女のその手を握りしめろ! お前には俺達がついている! 安心して握りしめるがいいっ!


2020年04月29日 2版 ちょっと改稿

2020年02月10日 初版

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