終章
かつて、彼女は誰にも姿を見られないふわふわとした姿でしかありませんでした。
彼女はいつでも独りで、ただその日を過ごしていました。
しかし、そんな彼女を見つけ、話しかけた少女がいました。
華子という名前のその少女は、まだ生まれたばかりの彼女に様々な知識を与え、暇にならないようにと沢山の遊びと一緒にしていました。
少女は学校を卒業しても頻繁に彼女の元に訪れてはともに遊び、大きくなっても、何年も、何年も、彼女と少女は一緒でした。
しかし、結局は寿命のある人と寿命のない怪異。
いつか必ずくる別れはもちろん、彼女たちにも訪れ、華子は死んでしまったのです。
最後にあった時、華子は彼女に言いました。
「貴女は、学校の守り神よ。あの学校の生徒を見守り、素敵で幸せな学校生活を送れるよう幸福を与える力を持っているの。素敵な守り神さん、また会う時までずっと学校にいてちょうだい」
生まれ変わってまた会いに行くと約束した華子のことばを信じ、彼女はずっと学校で生徒や教員を見守りながら待っていたのです。
華子の帰りを。
そして、華子は帰ってきました。
記憶はなく、名前も少し変わっていたけど、華子は帰ってきて、そして再び友となったのです。
今日も耳を澄ませば、中庭からその声が聞こえてくるはずです。
小さくクスクスと笑うその女の子の声が。
だって、その学校の中庭の旧校舎には、私たちの優しい守り神がずっと、皆のことを見守っているのですから。




