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過去作品(更新停止)   作者: 遊観吟詠
ここから最新の改稿(9/20~9/21改稿分)
35/105

2-(17) 凱旋アクセル(対策優良にて――)

 アクセル・スレッドバーン率いる先遣部隊トップユニットは、敵待ち伏せ部隊の排除に成功。戦闘は、最終仕上げの段階に入っていた。

 

 指揮座に座するアクセルといえば、まだ艦のサイバー空間に繋がりながらもブリッジのクルー達に指示を飛ばしていた。ブリッジ内のクルーには怒鳴り声で、それ以外のクルー達には、画面や端末への強制展開のメッセージで。

 

 例えば兵器廠兵員の携帯端末にピピッと着信。整備員が携帯端末を取りだし画面を確認すると同時にメッセージは強制的に開かれ、

 ――砲塔内の点検を開始されたし。

 と指示が勝手に画面に表示され、さらに音声で読みあげられるという丁寧さ。さらに手順や要望が事細かに指定され、指示通りに動けば時間通りに完了。薄っすらとした文字の上をなぞって字を書くだけのような作業。子供に書き方の手順を教えるドリル並みの指定だったが、クルー達にとって案外これはやりやすい指示だった。指揮官がなにをしたいか、わかりやすいといほど部下は動きやすい。とくにアクセルのような凶暴な上司ならこのほうがいい。直接対話などすれば、不興を買うだけだ。アクセルの能力は優秀などという形容を一つ二つ飛び越えている。凡人が理解し、動き出す様など苛立ちしか覚えないだろう。

 

 アクセルが、指揮を続行するなか連絡員新米士官がトレーセン艦長へそっと近づいた。


「トレーセン艦長大丈夫ですか?」


 そういった新米士官の顔は強張っている。

 ――無理もない。

 とトレーセン艦長は思った。アクセル・スレッドバーンは凶悪すぎた。今回の戦いで、

「アクセル・スレッドバーンは、クルーの安全など考えてくれない」

 と誰もが感じたことだろう。

 

「ああ、君の危惧は理解するが大丈夫だろう」

「そうでしょうか」

「そんな不安げな顔をするな男だろ。見事な勝利だ。それでいい。天儀総司令もお喜びのはずだ」

「……それが問題です。アクセル司令が、このまま進撃するといいだしたら誰も止められませんよ。天儀総司令の命令は、待ち伏せ部隊を排除したら本隊へ合流です。いまのアクセル司令はどう見ても調子に乗っています。合流命令を無視する可能性があります」

「鋭い予感だが、おそらくそうはならんよ」

「失礼ですが根拠は?」

「……そうだな。天儀総司令は国家親衛隊インペリアルをご自分の目だといったそうだ」

「あ、なるほど!」

「君は賢いな。これで答えがわかったか。アクセル司令は、天儀総司令の言葉をたんに見張員と受け取ったようだがね」

「ふん。自信過剰なんでしょ。アヘッドセブン序列一位なんて高い位置から物事を見下げているから、物事が見えないんです」

「だろうな。アクセル司令は自分の価値観のなかで生きすぎている。人食い鬼は、自分の戦いの邪魔をされることを絶対に許さない男だ」

 

 この世で天儀ほど勝利に貪欲で、狡猾な人間はいない。

 トレーセン艦長が思うに、アクセルが天儀総司令の意向に反するようなことをすれば、すでに天儀総司令から内命をうけている国家親衛隊インペリアルがアクセル司令を拘束する。つまり見張員の役割は口実にして巧みな目くらましに過ぎない。国家親衛隊をアクセル司令に付けられた真の目的は、アクセル司令の監視が目的だ。だからトレーセン艦長は、自分たちがアクセル司令の無茶に振り回されて無駄死にすることもないと判断したのだ。

 

 同時期に義成も国軍旗艦瑞鶴で、同じことに気づいていた。成績四十七番。星系軍士官学校では最下位でも、軍人候補としてはヌナニアという国のなかで、四十七番目に優秀だったのだ。

 

「そうか。宇宙ゴリラじゃなくて、国家親衛隊インペリアルをアクセルにつけたのは監視が目的ですね!」

 

 俺が気づきの声をあげると天儀総司令は、ニヤついて顎をさすった。

 正解だ。くそ、天儀総司令は、最初からアクセルの危険性に気づいてたんだ。いや、俺以上にアクセルを警戒していた。俺が、アクセルの先遣部隊トップユニット司令の任命に反対したり、アクセルを注意すべきだと熱心に進言したりしたことがバカみたいじゃないか。

 

「人が悪い。最初からいってくだされば、反対しなかったのに……」

「いいじゃないか。ごねたおかげで戦略参謀ストラテジストだ」

「……やめてください恥ずかしい。それより天儀総司令。国家親衛隊インペリアルには、アクセルを拘束するように命じてあるんですね?」

「まあな」

「……失礼ですが、悪い手です」

「なんだと。悪い手だと?」

「ええ、申し訳ありませが肯定します」

 

 天儀総司令が、話せというようにあごでしゃくった。自分の判断を俺なんかに否定されたのに、この人は怒るどころか興味ありげだ。

 

「アクセルには、軍の神域工学ボーダーブレイク研究による説明不能な力が付与されています」

「それは知っている」

「すごい。やはり総司令官ともなれば、軍の神域工学ボーダーブレイク研究内容を閲覧できるんですね」

「……いや」

 

 天儀総司令の否定に、俺は驚かなかった。天儀総司令が、軍で一番偉いといっても、それは現場での話に過ぎない。もちろん有事の総司令官は、大権を持つが、ヌナニア軍で一番偉いのは最高軍司令官コマンダー・イン・チーフである首相だ。そして、その首相に軍事的助言を与えるのは、ヌナニア軍統合参謀本部議長代理。国防大臣も天儀総司令より偉い。

 

 つまり内局において天儀総司令の地位は、一番上というわけじゃない。こと有事においてすら無敵の権能を持っていないのがヌナニアの総司令官。ヌナニア軍総司令官とは、プロスポーツで例えればいわばチーム監督。オーナーやチーム社長、そしてゼネラルマネージャーなどが上にはいるんだ……。天儀総司令は、上役のいうことを聞かなければ即クビだ。


「だが、アクセルの対処については、おおよその見当はついてる」

「すごい!」

 

 やっぱり総司令官。特殊工作員の俺程度では見られない情報を閲覧できるんだ。人が悪い。否定の言葉は、全容まではわからなかったとか、一端しかわからなかったとか、そんなところだろう。だが、少しでもわかればすごい。情報収集に生きる俺だからこそわかる。

 

 俺は、いくどか軍の神域工学ボーダーブレイク研究について調べたが、そのセキュリティは異常の一言につきる。調べてわかったことといえば、とにかくアクセルや、アヘッドセブンの称号を与えられたものには、とんでもない超能力があるという軍内では誰もがしっている噂話と同レベルの情報だけ。その能力が、具体的になにかがわからない。

 

 調べても調べてもでてこない。プロテクトが硬すぎるうえに、分散保管されているようでそこで諦めた。情報の保管場所はおおよそ見当がつくが、侵入し一つ苦労してこじ開けたところで、その一つだけでは意味がわからないし、その時点で絶対に捕まる。いくら秘密情報部所属でもこいつの情報を盗み見たとなれば終わりだ。


「どういった能力なんですか。やはり超能力ですかね。噂通りに空を飛べたり、念力を使えたりするんでしょうか。それが軍事的にどういう形で役立つのでしょうか?」

「わからん」

「え……」

「まったくわからんことがわかった」

「……あの天儀総司令?」


 とても期待はずれなんですが? どうしてあなたは俺をがっかりさせるんですか。これまで幾度か感じた残念な気分。いままで気づかないふりをしていましたけど、今回ばかりは腹立たしいです。アクセルの能力がわからないんじゃ。やっぱりアクセルが暴走した場合に止められないじゃないですか。天儀総司令は、国家親衛隊イペリアルを無敵の勇士だとお考えなのでしょうが、アクセルは超能力としか定義できない超科学的な力で、彼らをあっさり倒すはずです。もし天儀総司令が、アクセルを力で制圧できると大きな過ちですよ!

 俺は、怒涛と諫言のような言葉を紡ぎ出そうと息を吸ったが――。

 

「だが、わかってる」

 という天儀総司令に発言に掣肘された。

 

 ――意味がわからない。

 何を言ってるんだこの人は……。俺は、思わず不審の目で天儀総司令を見てしまったが、天儀総司令はそんな無礼なんて意に介さなかった。

 

国家親衛隊インペリアルには、アクセルが俺の命令に背いた場合は、機関部とメインコントロール室を制圧するように命じてある。おそらくこれは正解だ」

「なるほど――!」

「安心したか?」

「はい!」

 

 天儀総司令はすごい。俺の分析では、アクセルの能力は周囲に電子機器があってこそ発揮される力だ。周囲にある電子機器の力が強ければ強いほど、アクセルの能力も強まる。これは漠然としたイメージだがな。とにかく、あいつの持つ能力で間違いなくわかっているのは、インターネット・オブ・バイオニクス能力。まだ憶測に過ぎないが、あいつは生体ネットを介して電子機器から力を得ている。

 

 こう仮定すると、高性能かつ高出力を持つ軍用宇宙船それも戦艦のなかでは、アクセルは無敵だ。だが、戦艦自体を内部から無力化してしまえばどうだろうか? 例えばアクセルのいるブリッジと艦中心部にあるメインコントロールを物理的に切り離せば、アクセルは艦を自由にできなくなるし、艦から力を得られなくなる。


 メインコントロールの奪取に失敗しても最悪、機関部を制圧し力づくで停止させてしまえば、やはりアクセルは力を失うだろう。動力あっての高性能電子機器だからな。

 天儀総司令は、短期間かつ少ない情報でここまで見抜いたのか……。


「さすが天儀総司令です。アクセルの近くにいた俺が、あいつの能力について調べてわかったことは少しだけ。天儀総司令は一瞬ですか……」

「昔から相手を怒らすのと、弱点を見つけるのだけはうまい。性格が悪いんだよ」

「はは、軍人としては素晴らしい能力じゃないですか」

「……どうだろうか」

 

 めずらしく天儀総司令が表情に影を見せていった。

 ――望んだ才能と与えられた才能は違うとったところか。

 と俺は思った。


「しかし総司令官の俺すら閲覧できないトップシークレットとはふざけてやがる」

「軍隊は、力そのものです。軍事権力の一極集中を避けるために、そういう措置がされています……」

「ま、大軍を預けた将軍様が、敵と戦わずにルビコン・ラインをあっさり越えたんじゃ困るからな」


 ――ルビコン・ライン。

 一定以上の戦力を率いて越えることを法的に禁止した法定界ほうていかい。破れば即ち国家反逆罪。ルビコン・ラインの指定がある宙域は、その宙域の守備戦力の0.65倍以下の艦隊しか通過できない。理由は、天儀総司令のいったとおりで、クーデタの抑止の方策の一つだ。


「だが、この状況を悪用するやつが必ずいる。軍内で誰がどこで何をやっているか全容を知る人間は、いまのヌナニア軍にはいない。これは明確な欠陥だ」

「……どうでしょうか。軍の諸組織には、必ず会計監査が入りますので、天儀総司令が危惧なさることやるのは難しいと考えます。天儀総司令が危惧されているのは、軍の各組織が勝手に秘密研究や商売などをやったりすることですよね。つまり非人道的な研究とか、物資の横流しとか」

「そうだ」

「でしたら大丈夫かと考えます。そういったことには、金の流れがつきものです。必ず会計監査官にバレますよ。監査官は文民です。軍人より偉い。軍人は、監査官に糾弾されれば逆らえません。それに軍警組織は強力ですので、やはり不正は難しいと思います。この前も後方基地の司令クラスが容赦なく逮捕されて収監されたぐらいので、やはり天儀総司令が危惧するようなことを、いまのヌナニア軍でやるのは難しいと考えます」

「だといいがな……」


 天儀総司令の危惧はわからないでもないが、いまは目の前の敵だ。アクセルの先遣部隊トップユニットが、勝利したといっても廉武忠の本隊が残っているし、李飛龍将軍の艦隊が無事かも心配だ。

 

 俺がそんなことを考えていると、

「なーに難しい顔してんのよ戦略参謀ストラテジストさん。体調不良? 悪いのはお腹と頭のどっちなんでしょうねー」

 という声がかかった。花ノ美(かのえ)だ。当然横にはアバノアもいる。ブリッジに詰めていた二人は、仕事が一段落したのでこっちへきたんだ。


花ノ美(かのえ)お姉さま。この男は戦略参謀ストラテジストだなんて分不相応な役職に喜んでいたようですがー。実際は雑用係を買ってでただけでございましたのー」

「あらーそうなのーアバノア。それは驚きねー」

「義成ぃは、ヌナニア星系軍士官学校時代もパシリでしたので、きっと着任しても雑用係やるのが当たり前になってしまってますの」

「あら、それは損な性分。可愛そ。でも義成。あんたパシリは上手かったわよねッ」

「ええ、ええ。花ノ美(かのえ)お姉さま。ここは義成ぃの見事な下っ端根性を、褒めてさしあげるべきですの」


 ――くそ、白々しい。明らかにバカにしている。

 こいつら俺が、戦略参謀ストラテジストに任命されたことをまだ根に持ってるな。


「おい。いいかげんにしろ二人共!」

「ほう。わたくし達に向かって、いいかげんにしろと? あらあら聞きまして花ノ美(かのえ)お姉さま。やはり義成ぃは、戦略参謀ストラテジストになったことで気を大きくしてますの。ただの雑用係ですのにッ!」


 雑用係。……くそ。事実なところが痛い。天儀総司令は、俺を戦略参謀ストラテジストに任命するときに『特別だ』とか『俺はほとんどこいつを任命したことがない』とかいっていた気がするが、その理由を俺は戦略参謀ストラテジストとしてブリッジに立って3秒で理解した。この人は、戦略参謀ストラテジストの助言をまったく必要としていない。

 

 これは俺の知識不足だとか経験不足とかじゃない。天儀総司令は、勝手にバンバン決めて、裁量して、素早くテキパキこなしてしまい。あれよあれよという間につつがなく艦隊は動いていく。

 

 俺だってなにか助言しようと、必死に思考をめぐらし先回りして口を開こうと何度もこころみたんだが、俺の口が半分も開かないうちに、助言しようと思ったことが目の前で実行される。俺といえばただ見ているしかない。おそらく俺以外の戦略参謀ストラテジストも同様の憂き目にあっていたのは想像に難くない。

 

 わかるぞ。いままで天儀総司令の戦略参謀ストラテジストになった人は暇だったろう。人によっては、屈辱に感じたはずだ。軍事の専門教育をうけて、何年も経験を積んで、軍人の中でも優秀とされる人が、たた眺めるだけになる。周りは忙しく働いているのに、さも仕事をしていますという顔をして黙って立っているだけ。

 

 天儀総司令もこの状況に気づいたからこそ、ほとんど戦略参謀ストラテジストを任命しなかったんだ。それを俺は、喜んで……情けない。当然、ブリッジに詰めていた花ノ美(かのえ)やアバノアもすぐに俺の置かれた状況に気づいていた。

 ――あ、あいつ何も仕事ないじゃん。

 たまに近くを通る花ノ美(かのえ)やアバノアの俺へ向けられる視線は、失笑9割と哀れみ1割。俺は、やるせないやら、いたたまれないやら、とにかく惨めだった。

 

「ねえ、義成。あんた今回の戦闘でどんな仕事をしたか教えてよ。私だってまだ戦略参謀ストラテジストなんて大任は経験ないんだから是非にも是非も、あんたが天儀総司令にどんな助言したか知りたいわ」

「ウププ。花ノ美(かのえ)お姉さまそれは酷というもの」

「ねえ、義成。教えなさいよー。まーさか助言を何一つ提案できなかったなーんてわけなわよねぇ?」

「あらまぁ。そうなんですの花ノ美(かのえ)お姉さま!? 戦略参謀ストラテジストが、何もいわず突っ立っていただけ。冗談でもたちが悪いですのー」


 ――くそ。こいつら!

 俺はついカッとなって――。


「した。助言はした!」

 

 しまった……。が、考えてみれば二人は、ずっと俺のことを監視してたわけじゃない。花ノ美(かのえ)もアバノアもそんなに暇じゃない。俺は、暇だったがな。というわけで適当になにをいったか創作してしまえばいいんだ。それらしい助言したと。そうだ。俺が戦闘中に口にしようとして、言葉にできなかった助言をいえばいいだけだ……。


「へー。四十七番の義成あんたが、どんな戦術的助言したのよ。楽しみねぇ」


 花ノ美(かのえ)の視線の見透かした視線が心に刺さった。それでも俺は息を吸って――。

 

 だが、言葉を吐けなかった。頭のなかに怒涛と戦闘中にいいたかった言葉が溢れた。だが、うつむいて気まずく黙り込むしかなかった。

 

 天儀総司令が、俺を見ていたらだ。だから言葉に詰まった。口が動かなくなった。この人は、俺が戦闘中になにをしていたか一番良くしっている……。この人の前で、いま頭のなかに浮かんでいる言葉を吐けば、それは嘘をついたことになる。


「ふ、俺も自分の都合のいいように物事を考えるというわけか」

「なにいってんのよ義成。キモ。とっとなに助言したか聞かせなさいよ」


 花ノ美(かのえ)が、俺の肩をドンと突いてきた。俺はよろけて一歩さがったが、花ノ美(かのえ)を直視できない。強がって助言したと口にしたことが恥ずかしくて、こいつの顔を直視できない。そんな俺に、険しい顔の花ノ美(かのえ)が、

「黙ってないでなんかいいなさいよ」

 と迫ってくる。アバノアの視線も厳しいものだ。

 

 俺は、追い込まれた。戦闘での危機と比べれば遥かにぬるい危機だろうが、それでも絶体絶命のような緊迫感。二人は、俺が嘘を言ったと認めるまで糾弾する気だろう。天儀総司令の前で、徹底的にやり込めてくる気だ。

 ――狡猾だ。

 おそらく最初からこれが狙い。花ノ美(かのえ)は、天儀総司令の前で俺に恥をかかすことが狙いだった。おそらく花ノ美(かのえ)は、闘中になにも助言できずに青い顔をしていた俺を見かけて、挑発すれば俺が簡単に乗ってくると思いついたんだ。


 だが、ここで、

「そんなもないぞ」

 とそれまで俺達のやり取りを静観していた天儀総司令が、花ノ美(かのえ)とアバノアへ向けていった。

 ついに断罪の時がきたのだ――。

 天儀総司令は、俺がなにをしていたか一番よくしっている。

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