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ストーカーは異世界でも女暗殺者(ストーカー)やってます☆   作者: 後伸季孝
1章 私ストーカーだけど異世界転移しました
6/86

ストーカーとスキル鑑定

あらすじ:スキル見せろ! オラァ!




「あなたのパンツを見せて頂きたいのですが?」


 ってユベ爺からダンディーな声で言われた。あ、嘘です。ごめんなさい。"スキル"を見せてくださいって言われました。


 とりあえず、ダンディー過ぎて、オジ専? 枯れ専? のお嬢様方なら喜んでそのスキルって奴を見せるんだろうな。私も、幼女かショタにお願いされたら、裸であろうと晒す所存。いや、そこまでは断言できないけど……。気持ち的にはってことで、ね?


 うん、でもその前に、"スキル"って何? 正直どんな質問もばっちこいだったけど、意味の分からない質問には流石に答えられませんのにゃ。とりあえずユベ爺は凄く真顔なので、質問も本気なのだろう。どっかの厨二病と呼ばれる病に侵されているわけではなかろう?


 でも質問の意味は不明なので聞きますよ? 私は分からないことは分からないと言える女なのです! 昨今の手を上げない学生たちとは違うのです! スキルとは何か。について尋ねようとしたら、ハーミィちゃんが突然横から怒鳴ってきた。


 ハーミィちゃん、よく怒鳴るねー……。


「ユベ爺! 何言ってんだよ! 自分のスキルをそんな簡単に見せるわけないだろ!」


 ……ということらしい。ハーミィちゃんの言葉から察するに、スキルとはそんな簡単に人に見せていいものではないのかもしれない。"スキル"っていうのは乳首か何かの隠語か何かかな? 確かに簡単に見せるものではないな……。


 なんて冗談は置いといて……こんなに人に怒鳴られるなら私も「あなたのスキルを見せて?」などと聞かないようにしよう。よし、これで私も一つ賢くなってしまった。まあ肝心の"スキル"について私がまだ分かってないので聞きますけど。


「あのー、スキルって何ですか?」


 行儀よく、そして申し訳なさそうに手を上げてから質問しました。その結果、こういう反応になります……。


「え!? あんた、スキルを知らないって本気で言って無いわよね!?」

「ナツメさん! スキルという言葉を御存じないですか!?」


 ええ……、ただ知らないだけで、二人が声を合わせて迫ってきちゃったよ! しかも、温和そうなユベ爺まで目をカッと見開いてるし、どんだけ驚くねん。目玉が零れ落ちるよ?


 んー、でも、これって聞いちゃいけない類の質問なんですか? マジで知らんから教えて欲しいのだけど……。


「とりあえずその、スキル? っていうのが分からないのは大変な事なのですか?」


「あんた、本当にスキルの事知らないの? 正直、そこらへんの赤ん坊でも知ってるぞ?」


 ほう、それは私を赤ん坊以下だと罵っているのかな? そんなこと言われちゃうと、とても傷つきますね、ぷんぷん!


「ハーミィさん、それは言いすぎです。しかし、スキルを知らないとなると、今までどうやって過ごしてきたか不思議ですね。本当にわからないのですか?」


 わからないって言ってるのに信じて貰えません……そんなに分からないことがあり得ないんでしょうか? なんなのスキルって? 私、ゲームとかドラ○エとかポ○モンとかくらいしかした事ないから、この手の用語あんまり分かんないんだよなぁ。


 たぶん自分の技術のこと? 自分の技術を見せる? ん~、意味分からんな! 得意な一発芸でも披露しろ、という事ですか? それは無茶ぶりと言うやつでは? それが普通だとしたらマジ難易度高いなぁこの世界。


「ふむ、たぶんナツメさんは、スキル鑑定を行ったことが無いのでしょう。もしくはスキルカードの普及していない田舎生まれとかでしょうか?」


「え、どっかの貴族のお嬢様じゃないのかよ!?」


「まあ、箱入りとしてほとんど外に出されなかったりすれば、スキルを知らないという事も……あるのでしょうかねぇ? あまり信じられませんが……」


「うーん、まあいいだろ。スキルも知らない程度じゃあ、大したもんでも無いだろうしよぉ。たぶん見られても大丈夫だろ?」


 うん、何やら手厳しい事を言われている気がするんですけど……まあたぶんそのスキルってやつ? 私一般ピーポーだからあんまり良くないだろうし、期待はしないでおこう。


「そうですね。ナツメさん? あなたのスキルを鑑定させて頂きたいのですがよろしいですか? そうすればスキルとは何か、が分かると思います」


 なんか私置いてけぼりだった気がしなくもないけど、スキルについて知る機会だし、この世界では常識っぽいから従っておこう。スキル鑑定って言うのもしたいし。まあ、スキル鑑定って名前的にたぶん自分の出来る事が分かる! とかそんな感じじゃないかな? 私なら物書きとストーキングのスキルがあるんですね。わかります。


「いいですよ。私はどうすればいいんですか?」


「はい。ではこれから鑑定するためのカードを取ってきますので、少々お待ちください」


 そう言って、ユベ爺はカウンターの奥に引っ込んでいった。

 と共に、ハーミィが小さい声で喋りかけてくる。


「ナツメ、今は私とユベ爺だけだから良いけどな。スキルってのは、初めて会った相手に軽々と見せていいものじゃねえんだ。いくら世間知らずのお嬢様でも無知は罪だぜ」


 あらやだ、無知は罪だなんてカッコいい事言うじゃない。まあでも私、世間知らずどころじゃないからなー。うーん、どうしよう、やっぱり違う世界から来たって言って信じてくれるかな? ……いや、頭オカシイと思われそうでやだなー。


「お待たせ致しました。こちらスキルストーンとスキルカードになります。使い方は分かりますか?」


「分かりません。見た事も聞いたこともないです。ご教授下さい」


 おうおう、それっぽい物持ってきちゃったよ。運転免許証みたいなただの薄い茶色のカードと、スーパーボールくらいのサイズの黒っぽい水晶を持ってきたユベ爺は、それらをナツメの目の前に置く。


「使い方は簡単です。スキルストーンを握って、スキルカードの端を口にでも咥えてお待ち頂くだけです」


 ユベ爺に言われた通り、水晶を握って、カードの端を口に咥える。


「ふぁい」


 それにしてもこの光景、中々に滑稽じゃありませんこと? モノを咥えてる所をそんなまじまじと見られると、なんだか照れてしまいますわ。


 そうして、たぶん二十秒くらい経った頃に、スキルストーンなるものが薄っすらと光を放ちだす。


「ふぁお!?」


 さらにスキルカードに文字が浮かんで来た。それを見てユベ爺は「もういいですよ」と言って、ナツメにスキルカードを見るよう促す。


 んっ、なんか書いてるぞ? このスキルカードってやつ不思議やなー。

 カードを口から離し、浮かび上がった文字の羅列を見る。


「へぇ~、これが私のスキルかー……って読めねえ!」



 はい、浮かび上がった文字が、全然読めなかったデス……orz。




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