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ストーカーは異世界でも女暗殺者(ストーカー)やってます☆   作者: 後伸季孝
1章 私ストーカーだけど異世界転移しました
2/86

ストーカーと異世界転移

あらすじ:なんですぐ事故ってしまうん?




 目を開けると、少しぼろぼろで腐りかけた木板の天井で作られた部屋にいた。どうやら寝ていたらしく、木のベッドに布がかけられただけの物に横になっていたようである。


「あれ、ここどこ? 病院じゃ……ないよね」


 てか腰痛い……。

 なにこのベッド硬すぎ! てかここどこ!?

 私たぶんトラックに轢かれたはずだよね、もしかして生き残った? いやいやいや、さすがにあれは死んだでしょ! あれで生きてたらどんだけフィジカル高いの私……。


 ……んーつまりここは天国なのかな? でもこんなカッチカチの硬すぎベッドだし地獄? いやいやベッドの良し悪しで判断するのもどうかと思うけど……てか地獄でベッドとかあるの?


 まぁ、今の待遇的には地獄寄りだなー。このお部屋も綺麗とは言い難いし。私、悪い事してないけどなー。むしろヒノリちゃんの命を助けるファインプレーしたのにー……。

 ふふ、でも私の命でヒノリちゃんが助かったのならこれほど素敵な事はないわ。命を賭して幼女を助けるだなんて生粋のロリコンクソ野郎共も歯を食いしばって羨ましがる功績でしょう。


 んー、でも割と天国行くのってハードル高いのね~……あ、いや、そういえば私ストーカーだったわ。犯罪者だわ。そりゃ落ちるわー。ゴートゥーヘルだわー。でもせめて最後に良い事したんだから、蜘蛛の糸的な救済システムで天国に救済の機会を与えてくれないのかしら?


「起きて早々何言ってんだ?」


「え?」


 え、部屋の中に人居たの!? てか、口に出しちゃってた? 恥ずかちぃ!


「調子はどうだ? どっか痛むか?」


 そういってナツメに近づいて顔を覗き込んでくる。


 あら、美人さん。そして背高っ!? 一般男性が見たら即求婚ものね。口調がちょっと男勝り? 野性味溢れる雑誌モデルって感じかしら。外人さんの。


 たぶん小さい頃はとっても可愛かったんだろうな~。このちょっと吊り上った青眼も綺麗だし、金色の長い髪もサラサラしてるし、胸も無い! 幼女時代に見つけたら確実にストーキング対象ね、残念だわ……。


 ナツメは顔を俯かせて溜め息を一つ吐き、明らかに落ち込んだ様子を見せる。


「おい、大丈夫かよ? まだ調子悪いか?」


「え? ああ、ごめんなさい。起きたばかりでちょっとぼーっとしてて……、それよりあなたは? あとここはどこかな?」


「あたしはハーミィってんだ、探偵をやってる。ここは宿であんたが外で倒れてるのを見つけてここまで連れてきてやったんだ。あんたの名前は?」


 へっ? 私ったら道端でぶっ倒れてたの? そりゃトラックなんかに轢かれたら、ぶっ倒れるけども! そしたら私は病院に連れて行くべきだったと思うのだけど!?


「た、助けて頂いてありがとうございます。私はヒダカナツメって言います。ナツメと呼んでください。それと、あの、この宿はどこの宿なのでしょうか? 宿というにはボロ過ぎると思うんですけど」


 日本の宿とは思えないよ……ちょっとボロ過ぎだし臭いし。助けてくれたのか感謝するが、この待遇は無いわ。どこの過疎った村でもこんなボロ宿は無いでしょ?


「ああ、ニシルダ領の貧困街の宿だよ。倒れてた近くの宿がここだったんでな……でも言うほどボロいか? もしかしてあんたいいトコのお嬢さんだったり? まあ、身なりはここらで見ないし、肌も髪も綺麗だ。というかヒダカナツメって、家名がナツメなのか?」


 あ、外人さんはファーストネームとファミリーネーム逆だし、そりゃ困惑するわよね。というかニシルダリョウってどこよ? 何県よ? いや、まあ日本ではなさそうなのは知ってるけど……。


「間違えました、ナツメ・ヒダカって言います。是非ナツメと呼んでくださいね。で、それよりニシルダリョウってどこの国なのかしら?」


 というか私はなんで外国に来てるの? まさか、トラックに撥ねられて日本の病院では手の打ちようが無い程の重傷で外国の病院に連れて行かれたの? いやいや、それは無いよね? あったとしても普通アメリカとかよね? 


「リュード帝国だが……、そんなことも知らねえのか? もしかしてまだ調子悪いのか?」


 んー、リュード帝国って国なのね。

 だいたい地球のどこらへんかしら~……。

 って、なぁんで私そんな聞いたこともないようなマイナー国家に居るの!?

 てか帝国って!? "帝"って!?



 ……あっ、なんか判っちゃったわ~。ナツメちゃん気付いちゃったわー。

 もしかしてこれって瞬間移動ってやつかな? 日本からこのリュード帝国に瞬間移動しましたー! ってやつでしょ。

 あっちゃー、それ以外有り得んわー……。うんうん、二十二世紀にはドラ○もんもいるんだし、こういう事が起こっても不思議ではないわよね? じゃあ、さっさと日本に帰る手立てを考えなきゃね!

 私の助けた愛しのヒノリちゃんが私を待っているの。きっと助けてもらった私を探して泣いて悲しんでいるわ。


「ねぇハーミィちゃん、このリュード帝国は地球で言うどこらへんなのかしら。欧州付近?」


 ハーミィに聞いてみる。空港の位置とか、日本大使館とかの場所も聞かなきゃなー。と思いながら。しかし――。


「あ? チキュウ? オウシュウ? なんだそりゃあ?」


「え?」

「え?」


 いや、え? じゃないでしょ!?

 ハーミィちゃん、『地球』って単語知らないの!? あ、いや、ってか地球って日本語じゃん……。欧州もだけど……え? じゃあなんで私普通にこの国の言葉喋れてるの? あれっ、え?



「え、マジ? どゆこと?」


 ベッドから立ち上がり、フラフラとハーミィに近づいて肩に掴みかかる。


「な、なんだよナツメ、こええぞ?」


「こ、これって……、ここって『地球』デハナイノデスカ?」


「だからなんだよチキュウって、ここはリュード帝国って言ってんじゃねーか」



 ――ま、まじでかぁぁあああ!



 その言葉を聞くと、ナツメはショックで再び意識を失った。





転移した地名、「キタルダ領」から「ニシルダ領」に書き直しました。

すんませんすんません。

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