~ お母さん ありがとう ~
突然 真っ暗闇になり …
トウルルルル ! トウルルルル !
電話の音が 躰中に響く …
真っ暗な中 声だけが 聞こえる …
「もしもし 立川さんの お宅でしょうか?橋尾署の者ですが 奥さんでいらっしゃいますか?御主人の 立川 光司さん と 息子さんが事故に遭われまして 斗関中央病院に搬送されましたので … 病院の方に … あの? もしもし … 奥さん? 奥さん!!」
バ ッ タ ~ ン !!
娘 の 倒れる音が 聞こえた …
「嫌 - ! 嫌 だ ぁ ぁっぁ あ ~ 昌 子 ~ こんなの 可哀想過ぎるわよぉ~ あの子は何も悪くないわ ! 何もしていないのにぃ~ 嫌ぁ~!」
正子 は 只々 泣き崩れた …
「 私 … 独りぽっちになっちゃった … 誰か 助けて … 誰 か … 誰 か … 」
娘 の 心の声が 聴こえた …
チカッ ! チカッ !
暗闇に フラッシュが 光り
闇に 浮かび上がる 娘 の 姿 …
全てを無くし
生きる気力さえも 失っていた …
チカッ ! チカッ !
チカッチカッチカッチカッ !!
フラッシュの光は 鮮明に
彼女の姿を 浮かび上がらせた …
正子 は その姿を
目を凝らして見つめた …
「あっ… あぁ … そっ そんな … 昌 子 ちゃん … ? 貴女なのっ? 」
昌子 は 薬 を 大量に飲み グッタリとしていた …
「もう … 朝なんて … イラナイ …」
そう 呟き 瞼を閉じた …
「駄目 ! 駄目よっ! 昌子ちゃん ! 昌子-!」
正子は 飛び起きて 202号室へと走った
ドンドンドンッ! ドンドンドンッ!
近所迷惑も 考えず ドアを叩いた
「お願い 駄目!駄目よっ! 誰か !お願い 助けて !!」
ボ ワ ァ ァ ~ !
卵形の石から 桃色の煙が 立ち昇り
202号室の ドアノブに 絡みつくように回った …
カチャッ !
鍵を開ける音が響き
正子は バンッ! と ドアを開けた …
昌子に走りより 躰を揺すった
「昌子ちゃん ! 昌子ちゃん ! 昌子ちゃん!! お願い 目を開けて!!」
大量の薬袋や 薬ビンが
昌子の足元に転がっていた …
正子は 直ぐに 救急車を呼んだ …
救急車が 到着するまで
正子は ずっと …
何とか 大量に飲んだであろう 薬を 吐き出させようと 必至だった …
昌子の唇が パクパクと 開き …
「お母さん … ありがとう … 」
と そう 言った …




