~ 夕飯を届けに ~
そうして 流れ流れて …
日の出町にやって来たのよねぇ ~
何か 流離いみたいね っ! 格好いいわよねっ? アハハハッ!
裏野ハイツ に 52才の時から 住んでいるけれど …
此処に越してから …
職場の噂や 職場に居れなくなる なんて事は一度もないわね …
私が 合わなくて 辞めると言う事は あったけれど…
そうそう …
此の建物の横にある 卵形の石ね …
珍しいし 大切なものだって感じてね …
入居当時から 周りをお掃除したり 善いか悪いか 解らないけれど …
お盆とか お正月に花を飾ったりしているのよね …
私 神様とか 全然 信じていないんだけれどね …
だって 私も含め …
生きている人間のほうが 100倍怖いじゃない?
思い込んだら …
殺めてしまうし …
あっほらぁ~ 何か 嫌ねぇ~ 私 って アハハハハ!
でも …
でも も し も …
願いが 叶うなら …
死ぬ前に 一度だけ …
一度だけで良いから …
娘に …
昌子 に 会いたい …
無い 無いわよね! アハハハハ!
いい歳して何言ってんの?オバサンって感じよねぇ~ アハハハッ!
「さぁ~っ! 馬鹿な事ばかり考えていないで 夕飯でも作らなきゃねぇ~♪ 」
正子 は 自宅へ戻ると 夕飯の支度を 始めた …
ピロロロ~♪
夕飯を作り始めて 直ぐに
正子の 携帯電話の メール着信音がなった
「あぁ ~ 昌子ちゃんねぇ ~ 今 起きたのかしら~ 」
正子は 携帯電話の メールボックスを開いた
今 起きました …
夜 眠れなかったので …
… 昌子 …
正子は メールを返信した …
そうね 毎日暑いから
寝付けないわよね …
もう少し 涼しくなったなら
眠れるようになるわよ ♪
気にしない 気にしない ♪
… 正子 …
正子 は 返信を済ませると 再び夕飯を作り始めた …
今日の夕飯は …
ひじきの荷物に 焼き魚 …
其に ほうれん草の ごま和え と 豆腐の味噌汁 …
正子の 家の テーブルには 何故か 二人分の夕飯が用意されていた …
正子は 一人分の夕飯を トレーに乗せ …
メールを送った …
夕飯できたわよ~♪
今 届けるから 鍵開けておいてねっ♪
… 正子 …
正子は 夕飯を置いたトレーを持つと …
サンダルを履き 玄関を出た …
隣の 202号室のドアを サッ!と開け
夕飯を置き 空の食器の乗せてあるトレーを持つと
再び サッ!と 202号室のドアを閉めた …
カチャッ …
正子が ドアを閉めると
直ぐに 202号室の鍵を掛ける音が聞こえた …
正子 は 何事も無かったかのように 自宅である 201号室へと戻った …
ピロロロ~♪
自宅に入ると直ぐに メールの着信音がなり
正子は再び メールボックスを開いた
何時も すいません …
ありがとう ございます …
… 昌子 …
メールには そう書かれていた …
はいはぁ~い ♪
たくさん 食べなきゃ駄目よぉ~
夏バテ 禁止っ!
なんてねぇ ~ ♪
… 正子 …
メールを返信すると 正子は TVをつけて
一人 で 夕飯を食べ始めた …
「いやぁ~ ! 嘘 ~っ!生まれちゃったのぉ~ ? パ ン ダ ~ ! 可愛いわねぇ~そりゃぁ 何時までも入って居られないわよねぇ~ 出なきゃねぇ~そうそうっ!」
ニュース番組を見て 一人で話をして一人で納得しながら …




