~ 私 の 罪 ~
「あらぁ ~ 安藤さん お久しぶりぃ~!ワンちゃんの散歩~ カッワイイわねぇ~お名前は? あらっ! エルビス? 素敵ねぇ~ プレスリーよねぇ ~ blue ~X'ma~s~ クイッ クイッ!て 腰を 振るのよねぇ~アハハハハ! あっそう … 急ぐの? 暑いものねぇ~ それじゃぁ ~! 」
私の名前は …
カルメンですっ!
嘘 ! 嘘 ! 201号室に住んでいます
三上 正子 72才ですぅ~!
歳は 恥ずかしいわね 女子ですからぁ~アハハハ !
私が 裏野ハイツの 201号室に住むようになって かれこれ 20年になるわね …
人の人生って 色々な事があるものよね …
人生 山あり谷あり … か …
正子は 肌身離さず持ち歩いている
ボロボロになってしまった 1枚の写真を バックから取り出し 見つめると …
涙ぐみながら 微笑みを浮かべた …
遠い 昔 の 事 …
でもね …
忘れる事なんて 出来ない想いも あるものよね …
昌 子 …
私は 二十歳で …
親の奨める 農家の長男坊と結婚したの …
「相手が強く望んでくれたのだから 幸せになれるよ 」
そう言われてね …
相手は 十歳 も 年上だった …
田舎の 大きな農家でね …
気難しいい お姑さんと …
何も言わない お舅さん …
私の 亭主になった人は …
甘く育てられたのか …
酒好き で 賭け事は 酒に勝るほど 大好きな人だった …
私が 妊娠してね …
お腹が 大きくなると …
外へ遊びに出かけるような 人だった …
臨月になって 女の子が産まれて …
昌 子 …
と お舅さんが 名付けてくれたの …
孫が産まれてから …
お姑さん も お舅さんも
主人に厳しくなったの …
「親になったんだぞっ! 其が解らないのかっ!」
と言って 私を庇ってくれたのよ …
主人は 今迄とは違う 両親の態度が 面白くなかったのか
お酒の量が どんどん増えて行って …
暴れて 私に 暴力を振るうようになったの …
アルコール依存症ってやつよね …
主人の暴力は 日増しにエスカレートしてね …
私の 胸を蹴ってね …
肋骨 が 折れて …
「此のままじゃ 殺される!」
そう思って 実家に娘を連れて逃げ帰ったけれど …
お酒を 飲まなければ …
悪い人じゃなくてね 連れ戻されたの …
暫くは 良かったけれど …
2ヶ月もすると …
また お酒を飲み始めてね …
私も 我慢の限界だったの …
ゴ オ ー ゴ オ ー !
と 鼾を上げて 眠っていた 主人を …
殺めてしまったの …
私は 警察に捕まって
刑務所で 二年 過ごしたわ …
当然だけど …
「孫を殺人者の子として育てたくはない! 籍を抜いて欲しい !」
舅 と 姑 に そう言われてね …
実家にも戻れず …
私は 独りになった …
罪を償って 刑務所を出ても …
世間の目は 厳しいものよ …
真面目に 働いていたって …
女同士 よくある イザコザね …
あんなのに 巻き込まれたら
誰が何処から聞いてくるのか
其とも 調べるのか…
刑務所にいた事なんて 直ぐにわかって 会社に居れなくなったわ …
そんな事 …
何回あった事かしら …




