1話 ミミックの決意
同時進行の別の作品がネタに困った時に更新される物語です。「勇者が世界を救うとは限らない」も読んで頂けると幸いです(ステマ)。
「今日はここで宝箱になって休もう。」
僕はミミック。色々な人や物、凄い物ではドラゴンなどに化ける事が出来る魔物だ。僕は色んな世界が見たくて旅をしてる。宝箱に化けたのは襲われない為だ。
「なんだか眠くなってきたなぁ…」
今日はここで休もう。起きたらまた移動しよう。
そう決め、早々に眠りについた。
ザッザッザッザ、ザッザッザッザ
目が覚めると、何者かの足音が聞こえてくる。
「ここでじっとしてやり過ごそう」
僕は変身を解かなかった。変身を解いたらどんな姿かって?それは秘密だよ。
「おい、宝箱あるぞ」
「本当だ、いいもん入ってんじゃねえか?」
僕の変身した近くにも宝箱あったんだ。気付かなかったなぁ。
そんな呑気な事を考えていると、足音が近付いてきた。僕の隣に宝箱あるのかな?
僕がじっと息を潜めていたら、急に頭を掴まれた。
「痛たたた!痛いってば!」
目をあけると、目の前に人間が3人も武器を構えて今にも襲わんとしてる。
あれ?この近くに宝箱があったんじゃ…。
辺りを見回すが、宝箱なんてどこにも見当たらない。じゃあなんでこの人間達僕を襲ったんだろう…。
そっと今の自分を見る。ちゃんと宝箱になりきっている。…ん、宝箱?
───おい、宝箱あるぞ───
───本当だ、いいもん入ってんじゃねえか?───
この会話、まさか僕を見て言ったの!?
「くそっ!魔物だ!殺れ!殺れ!」
僕に警戒してた人間達が一斉に襲いかかってくる。
やばい!殺される!
僕は急いで逃げ出した。変身なんて解いてる余裕はなかった。逃げても人間達が追いかけてくるんだから。
───怖い。
僕は、殺意を向けられて初めてそう思った。魔物の友達と仲良く遊んでいた昔が夢のようだった。
それから、無我夢中で走り続けた。その後、河に飛び込んで流されてようやく逃げ切った。
「…ミミックやめて襲われない平和な生き物になろう」
僕は心からそう思った。けど、そんな生き物いるのかな?
魔物が人間に襲われるなら、人間は魔物にも襲われる…と思う。友達のガーゴイル君のお父さんもそうやって生きてきたらしいし。
「宝箱になりすますのは危ないね」
宝箱になっていたらまた人間達に襲われる。それならならない方がいいと思う。
「結局旅をしないと平和な生き物が何なのかは分からないよね」
そう結論づけ、宝箱の変身を解いた僕は歩き始めた。今の姿?それは秘密だよ。
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